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私と家族 その2

 「幼女キタァァァァァァ!」

と叫んでいたのは私の家族のひとりで序列六位「リーゼロッテ」お姉さま。


 最初はお姉さまなんて呼ぶつもりはありませんでしたが、私に呼ばせるためだけに生涯に一度しか使えない強制(ギアス)の魔法を使ってきやがりました。


 アホです。


 「おいおい!リーゼよぉ!お前は初対面の妹にそれはないだろうがよぉ!

 すまんないきなり。こいつはいつもこうなんだよなぁ。」


 「うるさいわねこのバカ兄貴!幼女に幼女って言って何が悪いのよ!」


 「そういうこといってんじゃねぇよ!

だいたいおまえはなぁ…」


 この言葉遣いは悪いですがなんだかんだで家族思いなこの人は序列5位「カイル」お兄様。


リーゼお姉さまとカイルお兄様はいつも反発しあっています。

ケンカするほど仲がいいのですねと言うと

「「そんな事ない(わ)!」」と同時に否定したので面白かったです(笑)


 「まぁまぁ二人とも。とりあえず私達の最後の家族がいるのですから醜い争いは後にしてください(にっこり)」


「「すいませんでした」」


 二人を笑顔で黙らせたのは序列4位の「オーヴァン」お兄様。


 この人はドがつくほどのSです。

基本無表情キャラで通している私が涙目になる瞬間が一番好きといってやたらと私をいじめてきます。


 アレだけは本当にやめていただきたいものです。


 …アレだけは本当に…ぐすっ。



  リーゼロッテとカイルが席に着き、オーヴァンはニコニコと笑顔でいる。目は笑っていないが。


 「最後の家族は妹なのね。」


 「かわいい。」


 いつもニコニコ笑顔でいておっとりとした口調で話すのが序列2位「ヘルメイル」お姉さま、私と同じで無表情だけどお酒を飲むとリーゼお姉さま並みにうるさくなる序列3位「アイギス」お姉さま。


 この二人は双子で顔は同じで胸なんかも私とは違いエベレスト並みです。


 ですがヘルメイルお姉さまは光を、アイギスお姉さまは闇を司っているのでそれぞれ銀髪、黒髪などわかりやすいです。


 そして最後に、


 「やぁ、やっと会えたね。リナ!

この日をどれだけ待ちわびたことか。

これでやっと…揃うね。」


 見た目は普通の青年ですが私達三代目の龍神と違い、この世界が出来てからずっと生き長らえている最古の龍神、序列1位「アーカスタ」

お兄様。


 「私達、クルーエル様に仕えしエレシュタインの一族が!」


 

***********


 序列1位から7位までの龍神からなる一族、「エレシュタイン」家はこの世界での創造神であり、主神であるクルーエルが下界に調和をもたらせるために創られた存在である。


 その力は主神から与えられし神の力の一部を与えられており、強大である。


 どうしてそんなのに転生させたんですか?

私普通に生きたいんですけど。


 とかいいながらアイルベーンで過ごすこと早1ヶ月。

まだアイルベーンの中心にある城から外にはだしてもらえずーーーまだ私の存在は明るみになってはいけないらしいーーーので、リーゼお姉さまに龍紋の使い方や魔法の使い方について学ぶことになりました。


 龍紋は龍神だけの神の力の一端で、それぞれ司どる属性の力を自由自在に扱うことができます。

私の場合はその場に水があれば色々できます。

例えば水を凝縮して弾丸の様に撃ち出したり、前世の時にテレビで見たウォーターカッターーーー水圧で物を切るーーーとかも出来ました。


 どっちも生物には使いたくないです。オーバーキルです。


 でもこれくらいなら魔法でも出来ちゃったりするのですが、オーバーキルなくらい威力は強くないのです。


 この世界での魔法は空気中にある魔素(マナ)を体内に取り込み、詠唱によってマナの形を作り、物質として放出するというのが魔法なのです。


 無詠唱でも出来なくはないですが、マナの形を作るのは強固なイメージが大切なのでできる人は少ないようです。


 私?出来ますよ無詠唱。前世で中二だった私ができないわけないじゃないですか。

全ての属性魔法の上級をマスターしましたよ。

本来なら普通の人間で一つが限界で少ない確率で2つや3つの属性を扱えるらしいです。龍神であってもそれは同じことでアーカスタお兄様とリーゼお姉さまが5つ、他の三人が4つ。

全属性を扱えるのは私だけのようです。


 「…ふぅ。」


 「おつかれー!リナってすごいねー!もう龍紋の扱い方が分かってきてる。さすが私の妹だわー♪」


 そういってリーゼお姉さまが後ろから抱きしめてきました。


 「…汗かいてるよ?」


 「むしろご褒美だよぉー!クンカクンカ」


 「…匂い嗅いじゃ…ダメ…。」


 リーゼお姉さまは変態だということを忘れていました。

私はリーゼお姉さまにクンカクンカされた後、修行の後の日課であるお風呂へ連行されました。


 お風呂場はすごく広いです。

こんなに広かったらお掃除大変でしょうね。


 私なら龍紋を使えば楽でしょうが。


 「リーゼ様。リナ様のお世話は私が!」


 「ノンノン。リナたんは私の妹なんだから私が洗うのっ!」


「しかし…!」


 アルマリアとリーゼお姉さまがだれが私の体を洗うかで争っていますが…。


 「…二人とも。自分の体は自分で洗うわ」


 「ダメッ(です!)!」


 「…だって二人とも私の体を触ってクンカクンカしたいのが本音なんでしょう?」


 「「そ、そんなことないよ(ですよ!)」」


 「隠しても無駄です。私には分かるんですよ。だってあなた達はロリコンですもの。」


 「違うよ!リナたんが病的に好きなだけだもん!」 


 「私はロリコンではありません!リナコンです!」


 「…ダメだこいつら早く何とかしないと…」


 …結局私の体はアルマリアが洗うことになりました。


 「まだ髪の毛の洗い方とか!雑ですよ!」


 とかなんとかそれっぽい理由でいつの間にかね…。

まぁ、確かに前世では男だったので洗い方は雑いでしょうね。

1ヶ月かそこらで治るものではありません。


 …とはいえ、鼻息が荒いのは何とかなりませんか?


 


 お湯に浸かりながら龍紋の力で水を球体に凝縮したものを3つ作ってお手玉の様にして遊んでいると、さっきアルマリアとの争いで敗北して真っ白になるぐらい燃え尽きていたリーゼお姉さまが私の隣で私がしている遊びを興味深そうに見つめていました。


 「もうそんなこともできるんだねー。同じ転生者でもやっぱりちがうもんなんだねー。」


 「…え?リーゼお姉さまも転生者だったのですか?」


 「いわなかったっけ?リナたんの前に転生した三人目の転生者なんだよー?私って。」


 「…三人目?」


 「その話もしてないのー?あの神様ってば肝心なことをはなさないんだからー!」


 「…詳しく聞いても?」


 「てかこれ知らないと私たちの存在意義の一つだし!」


 そんな大事なこと早く教えてくださいよ。


 「まぁほんとは1ヶ月前の皆が揃ってた時に話すはずだったんだと思うよ。だけど…ねぇ?アイツがきちゃったからさ…。」


 …アイツ。この世界で最強の人間、「オーギュスト=ハイル」が下の人間界で伝説とされている天空都市アイルベーンに初めてやってきた日が私が転生した日でもありましたね。


 …私、アイツ大嫌いなんですよ。


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