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俺と神様


 まず最初に感じたのは気だるさだ。

その次に感じたのは肌寒さ。


 そして意識が覚醒する。


 目をあけると

 「知らない天井だ。」


 とゆうテンプレは一度はしたかった。


 が、まず目に入ってきたのは知らないイケメンだった。


 「どわぁ!」


「やっと起きたよぉ。もしかしたら失敗したのかと思ってヒヤヒヤしたよ。」


 そう言って俺から一歩距離をとるイケメン。


 よく見るとそのイケメンは俺がみた中でも1、2を争うほどかっこよかった。

髪の毛は白髪、目は金色、体つきは痩せすぎず太りすぎず、身長は俺は175㎝だから目測だと俺よりは少し低いぐらいだろう。


 そう思ったところで違和感に気づく。

 

 175㎝にしてはなんか目線が低いような…。

 俺は自分の体に目を向ける。


 ってあれ?俺ってこんなに小さかったっけ?

腕も折れそうなくらい細くて白いし…。

しかもなんか柔らかいぞ?

男の肌ってこんなにモチモチしてたっけ?

あれ?なんか胸が膨らんでない?

しかもさっきからちらちらと俺の目のから水色の何かが見えてるし…。


 とまぁここまできて俺は自分の今の姿が何となく分かってきた。


 あとは男には絶対ついてるものの確認だけ…


 そ~っとゆっくり下半身に手を近づける。

そして俺の手は下半身に到達。


 …ない。

  

 やっぱりない。


 とゆうことは…。


「女?」


「そうだよー。だって君は願ったじゃないか。」


「女になりたいって。」


 確かに俺は死ぬ寸前にそんなこと言った気がするが…。

  

 「ってやっぱり俺死んだのか。」


 「まぁ、トラックにぶつかって死ななかったら奇跡だよねー。奇跡なんてないけど☆」


 「まぁ俺が死んだことはいいや。」


 「いいんだ。」


「それより状況確認がしたい。ここはどこなのか、あんたは何なのか、つってもその答えはもうでてるけど。」


 これは俺が読んできた異世界転生ものの冒頭。

神様が間違えて殺してそのお詫びに違う世界に転生!みたいなやつだ。


 「確かに僕は神様だけど間違えて殺すなんてそんなヘマするわけないじゃないか。」


 「心も読めるのか?」


 「もちろん!だって神様だもん。」


 そりゃ神様なら心ぐらい読めるか。


 「間違えて殺したわけじゃないなら何故俺を転生させようと?」


 「うん。それを話そうと思って君が起きるのを待ってたんだよ。

 僕は君がいた地球の神様じゃなくて地球とは違う世界、「グラーシア」の神様なんだけど、僕の手足となって動いてくれる人を探してたんだ。

 でも「グラーシア」にはそんな人はもう探し当てちゃってたから途方に暮れてたんだけど、そこで懇意にしてる地球の神様が、一人分の魂なら持っていっていいって言ってくれたから好意に甘えることにしたんだ。」



 地球の神様ェ…。

いいのかよそれで!


 「それで見つかったのがちょうど天に召されようとしてた俺だったわけだ?」


 「うん。」


 「疑問なんだが、「グラーシア」でめったに見つからないほどなやつが俺なのか?」


 自分でいうのはなんだが俺は平凡なやつだったはずだ。

そんな俺のどこがきにいったんだろうか?


「それはね、君の魂の素質さ。地球では発揮されなかっただけで君は君が思っている以上にすごいヤツなのさ!」


 魂にも素質があるんだな。

それにしても俺はすごいのか…。

前世で何もできなかった分、転生したら俺は偉業でも成し遂げてみるか…。


 「だいたいその辺はわかった。あとここはどこだ?」


真っ白で俺と神様以外何もないところだが。


 「ここは「転生の間」さ。

その名の通り転生する前に訪れるところ。

さて、と。

そろそろ時間が押してるから細かいことは君を転生させてからにするよ。」


「わかった。神様も色々大変だろうしな。」


「そんなこと言ってくれるのは君だけだよ。」


 神様も苦労してるんだな。


「そういえば俺の今の体は幼女なわけだが

転生したらどうなるんだ?」


「それは転生してからのお楽しみ☆

じゃあまたあとでねー!」


「え、ちょま」


 神様が右手を上げて振り下ろした。

その途端、俺の周りが真っ黒な円上になり俺の体が沈んでいく。



 叫ぶ間もなく俺の体は沈んでいき、視界が真っ黒に染まった瞬間、



 俺は意識を失った。

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