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しるし(詩集)

作者: ごり


「ママだけど、…ちゃん元気?」


母からの電話は

忘れた頃に突然くる


たわいの無いことを話し 少しうざくなり電話をきる



いつもそんな感じ




「あっ …ちゃん、あのね、ママ白血病になっちゃったの」





それから半年

あなたは逝ってしまった



考えた事などなかった


母親はずっと生きているものだと

信じていた



ずっと うざい存在で

うざい存在で

うざい存在で良いから

元気でいるものだと思っていた




あなたは私に負い目を持っていたらしい


昔はそれを優越感に感じていた私

意識していないが

たぶん そう




もう 忘れていたのに

あなたはそれをずっと引きずって

持っていったのか




「…ちゃんには小さい時、本当につらい思いをさせて可哀想だった」



妹にずっと言っていたらしい




バカだよね


本当はね

つらいなんて

思った事

一度もなかった



私は冷めていたから 現実逃避がうまかったから





もう少ししたら

また 違う想いの

詩を書きたい




「ママだけど、この間はありがとうね。久々に音楽聞けて楽しかった」




あなたと最後に行った演奏会

会社で貰ったチケットで興味も全然なかったけれど




本当に楽しかったのかな




あなたの留守番電話の声

消せない

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― 新着の感想 ―
[一言] レビューから読ませて頂きました。 仕事中に読むべきものじゃなかったです。 涙で視界がぼやけて仕事にならないです。 母に後で電話しておきます。 書いてくれてありがとう。 気づかせてくれてありが…
[一言] お邪魔します。 母は実に偉大な生き者です。 産んでくれたという事実よりも、語ってくれたという有難さ。 それは叱ったとしても、なんら違和感のない愛情。 自分世紀最大の涙は、皆、母親のために流…
[一言] 母を想う気持ちが最期のフレーズでとても感じられます。
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