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わんこと異世界  作者:
1章
6/6

5



「ん?何かいますね」


最初に気付いたのは、騎士様だった。


「何ですか?」

「ほら、道の真ん中に小さな動物が…。狼でしょうか。茶色い毛なので見つけづらいかもしれないです」


私には、どこにいるのか分からなかったが、そこに狼らしい生き物がいるみたいだった。


詳しく聞くと、道端に横たわっているみたいで、寝ているのかもしれない、とのことだった。死んでいるのかも知れないから危険はないだろうけれど、騎士様はそれを確かめて来てくれるらしい。

私はそれを待つことにした。


「どうでした?」


帰ってきた騎士様に問いかけると、その騎士様の腕の中で、4本足の小さな動物が寝ているのを見せてきた。


かっ、可愛い!


私は、知らないうちにスカートの裾を握りしめていた。


「どうします?」

「えっ、どうするかって?どうしたらいいのかしら…」


どうしよう、私ったら物凄く狼狽えているわ。家臣の前でこんな恥ずかしいとこ見せてしまって…、どうしましょう。


「殺してしてしまうこともできるんですが…、捕まえられちゃったので、お嬢様に相談しに来たのです。まだ子供のようですし、殺すのは可哀想だなって思って…」


殺しちゃダメだわ!

そう口からでそうになるのを必死にこらえた。

「いえ、ではお屋敷まで連れて帰りましょう」

「はい。ではそのように」


一旦馬車に戻って、この子を御者台の騎士様に預けるために道を引き返して行った。





夢…。

あぁ。そうか、死んだのか。


寝起きは不思議な程、穏やかだった。


トラックに轢かれたんだった。

…。うん、そうだ。そのはずだ。


目をうっすら開けると、人の顔が見えた気がした。

でも、まだ起きる気になれない。

すごく、疲れている。

それに体の節々が痛い。


もう一度目を閉じて、意識を暗闇へと沈めていった。


今回の眠りは、いつまでも寝れるような気がした。


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