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「しゃみ、魚を食べる」

しゃみは、魚を食べる前に少しだけ見る。


名前を思い出そうとするけど、

今日は別に知らなくていい。


箸を持つ手が、ちょっとだけ止まる。

焼き目。

皮の匂い。

白い身。


「これ、海だったんだよな」


しゃみは、そんな当たり前のことを考える。


一口。

骨をよける。

思ったより、静かな味。


誰も褒めないし、

誰も怒らない。


テレビはついているけど、

内容は入ってこない。


「魚って、主張しないな」


肉みたいに元気も出ないし、

甘いものみたいに気分も変わらない。


でも、ちゃんと腹に残る。


しゃみは、骨を皿の端に寄せる。

きれいに並べるでもなく、

雑に捨てるでもなく。


「この感じ、好きだ」


食べ終わっても、

何かが劇的に変わるわけじゃない。


ただ、

ちゃんと食べた、という事実だけが残る。


皿を下げながら、しゃみは思う。


「今日、魚でよかった」


それだけで、夜は進む。

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