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月の帳  作者: 是空
五章 決断、そして
31/37

30話



あの空き家での情事からーーーー




家での関係もまた変化した。




勉強の合間を縫ってはベタベタしてくる。




両親がいようがいまいがお構いなしだ。




母から再三注意されるもーーーーー





「…………春には離れ離れになるのに、スキンシップもできないのかぁ」



「………………………………………」



「……はあ……東京の大学受けるの……やめよっかな………」




これだ。



ワガママぶりにも拍車がかかって、俺との時間を邪魔しようものなら、親すら脅す。



最近は夜の勉強も早めに切り上げて、また俺の部屋で一緒に寝ている。



というか、読み込む系の参考書なんかは俺の部屋で読んでいる。



そして部屋に彼女の物がドンドン増えていく。



化粧品や手鏡などの小物から…………




制服など着替え………勉強道具……




いいのか?この状況……




放課後の待ち合わせもやめた。




………意味がないのだ。




家でも包み隠すことがほとんどない。




…………………境界があやふやになってきている。




こないだなんて洗面所でキスをしてきて、母親に思いっきり見られた。





発狂気味の母に注意されても




「見ないでよ」




なんて一蹴する始末だ。




ーーーーーどうしてこうなった。






「どうしてこうなったの?」




……………彼女より先に帰宅するとこれだ。




「……………あんたに聞いても仕方ないんだろうけど……」




わかってるなら聞かないでくれ。



俺だって彼女の豹変に戸惑ってる。




「……………まぁ……今だけだから……いいんだけど……」




「………まあ……ね……ズズズ……」





ああ、暖かいお茶が染みる季節になってきた。




「……………今のあんたら見てると……」




「……………………ズズ………」




「突然……………葵のお腹が膨らんでも……おかしくは……」




「ブーーーーーーー!!!」




「ちょっと!!!汚いわねー!!!」





いや、いやいや。




吹くわそりゃ。




「へ、変なコト言ってんじゃねーよ!!」




「あんたらやってるでしょーが!!」




「や………やってない……よぉ」




「急に大人しくなるな!!」






「……………やってたら、なんなの?」




へっーーーーーーーーー




今日は強めの雨が降っていて……雨音で気付かなかった……




か、帰っていらっしゃいましたか………




魔王様…………………






「ぐっ…………なんでもかんでも……許されると思ってるんじゃ…………」




「………………私はどっちでもいいの……」




な、なんという冷たい声だろうか……




「………………勉強……続けても……やめても」





「うっ……………ぐぐぐ………」





か、貫禄っ……………




母を押し黙らせるほどの圧倒的っ……貫禄……




「さっ……有弥」




「はっ……ははっ」




従者のようにカバンを預かり、へつらうように彼女に付いて2階へ………




こ、この姉………入っているっ………モードにっ………




俺の部屋の前で立ち止まり……顎をクイっ。




あ、開けますとも……………開けさせて頂きます………




あなたの部屋はあちらですが……………





…………バタン。






…………当たり前のように、俺の部屋で制服の上着を脱ぎ、当たり前のように俺のハンガーにかけて……当たり前のように俺のハンガーラックに吊している………





「………………………………………」




ゴクリ。





「………有弥ぁ~~、ただいまぁっ」




満面の笑みで抱きついてくる彼女。




始まった……………………第2形態っ………




そう………………甘々ちゃんちゃんだ!




この形態は………なんというか………扱いが難しい…




「……ね~……会いたかった?………私……早退しそうなくらい……会いたかったよ?」




早退しても俺は早退してないけどね………




「あ、会いたかったさ………もちろん」




「………どのくらい?」




どのくらい?……んん………難しい………どういう表現が適切なんだ……………「ものすごく」とか「たくさん」なんていう抽象的な表現は嫌うからなぁ………




「…………………ん?………会いたく……なかったの?」




リ、リミットも短いんだよなぁ………恐ろしく回転の早い自分の頭を基準にするなよ……………

ううう…………………よし。




「…………あ、頭がフットーしそうなくらい、会いたかったぁ」





「なにそれ、つまんない」





スタスタと前を横切ってベッドに座ってテレビを見る彼女。




………………………………………………………




…………お……俺はコンパニオンかぁ……?




ふふふ………いいだろう………またエッチなことして上下関係を叩き込んで……………ん?




ベッドの横を、パンパンと叩いてこちらを見ている。



「来い」ということらしい。




……お……………俺は犬かぁ………?




両腕を組んでストンと座ると、当然のように膝の上に寝転んでくる。




……………………………ふむ。




……………長いまつ毛……………整った顔立ち……




肌も透き通るように白く、髪の毛も絹糸のようにサラサラだ…………




「美人」ってこういう人を言うのだろう……




今は性格に難ありだが………………




むっ………




感慨深く眺めていると、いつの間にかこちらを見上げていた。




「…………………………」




な、なんだろう。



頭がフットーしそうなくだりを今更責め立てられるのだろうか……………確かにひどかったが…………






「……………………キス………」




……………了解。




少ししんどい体勢だったが、そっと触れるようなキスをして身体を起こ……………せない。



ぐっ………頭を掴まれて…………何度も……




「ちゅっ……ちゅっ……ちゅ…」




……………………………………柔らかい唇だなぁ。



すごく贅沢だ。



あっ。



「……………………………」



まずい、大きくなってしまったアレが…………



彼女の頭を押し上げて………………




彼女はニヤっと不敵に笑い……………………




それに触れる………………




まずい……………………第3形態っ………



…………………エロエロちゃんちゃんだ!



我ながらひどいネーミングセンスっ……



第2形態含め、口に出すと絞め殺されそうですらある。




あっ…………そんな擦っちゃ…………だめだよ……




うっ……………スカートを……軽くめくるな………




……まだ外は明るいし……………家だぞ!




潤んだ瞳で………舌先をチロチロさせな!………………




なんのジェスチャーだ………くそう………




「………ふふ…………してあげよっか?……」




ああああ……………煩悩に負けるなぁああああ!





ーーーーーーーーーーーーーーーー




ゴクン。




………………………やってしまった。



いや、俺は何も……………………むしろやられたというか……………




ティッシュで口元を拭く彼女…………………




「………………口、ゆすがないの?」




「………………なんで?」




「だって………気持ち悪く………」




「ないよ……………美味しい」




「そんなワケ………」




「……………生臭いけど………有弥のだと思うと………美味しいの」




「…………………………」




…………………変態だな……………この姉は………




弟の精液を飲み込んで「美味しい」って………




むっ。




あ…………脚、モジモジさせてる。





そっか…………………





そっと彼女に近寄り………スカートの中に手をやる。




「あっ…………ダメ………触っちゃ……」




………………ビショビショやないかい……………




言ってたもんな…………しゃぶると興奮するって……




「……………声、抑えててね」




彼女にクッションを渡し、顔を埋めさせる。




膝の上に乗せた彼女のスカートをめくって、下着をずらし、ヌルヌルの割れ目を、優しく指でなぞる。




「んっ……ふっ…………ふっ……んんーーー」




声を押し殺す彼女の、髪から香るシャンプーと……



ほんのり甘い匂いが漂う。




これは彼女の……………ああ……………




指でなぞっていると、小さな突起に当たる。




これが…………噂の……………クリクリちゃんちゃ……




なんでもない。




その突起を……………指先で転がしてみる。




「んーーーーーー!」




彼女の腕がすごい力で俺の腕を抑えつけ、首をブンブンと振る彼女。



腰がもう、ビクンビクン脈動している。




……………………ふむ。




「大人しくしてないと……………また……いっぱい犯すよ」




「~~~~~っ!」




なんとも言えない懇願するような表情で涙を浮かべる彼女。




……………………………たまらない。





ベッドに寝かせて両脚をM字に広げさせる。




こうなると俺が圧倒的に優勢だ。




彼女を無言の圧力で抑えつけ、遠慮なくツヤツヤのワレメをヒダの奥まで舐め回す。




今日は隅々までだ。




無限に溢れ出てくるような、彼女の愛液は………




俺にとって新鮮なフルーツジュースのようなものだ。




いくらでもいける。




まれに口に入る薄い毛も、食べてしまいたいほど愛おしい。




腰がうねるように逃げるように動き回る。




必死なんだろう。




さてーーーーーー




俺は両手でヌレヌレのワレメを広げ、目標物を視認する。



ピンク色の突起が、ピンと立っている。




ひとまず舌で浮かせて軽く吸ってみた。




瞬間ーーーーーーー




打ちつけるように腰が跳ね上がった。





「~~~~っ~~~!!」




言葉にならない言葉を上げる彼女。





そんなに…………なのか?




身体を起こす彼女。




「…………もう……………許してぇ……」




……………泣きそうだな、いや泣いている。




…………………………………………




俺は何も言わず、またビンビンになったモノを出し、彼女に詰め寄る。




彼女は…………少し怯えたような表情で……ペロペロと舐めはじめた。




ああ………………好きにしていいんだ……この人……




俺はモノをくわえさせたまま、やや強引に体勢を入れ替え、ベッドに横になって彼女を身体の上に上げる。



何かに感づいた彼女が抵抗の意思を示すが……




「……そう……………たっぷりやられたいんだ………」




大人しくなる彼女。



変わらず俺のはちきれそうなモノを、愛おしそうにしゃぶっている。




さ、目の前には彼女の白くてたわわな桃尻……………




あっ……………ツヤツヤと光るワレメの上に……




彼女の……………肛門だ…………………




淡いベージュのそれは、キュッと口を塞ぐようにしてる。




肛門まで可愛いなんて…………信じられない。




ひとまず彼女のワレメにねっとりと舌を這わせながら、ヒクヒクする肛門を見つめる。




…………………いかん、欲求が募る。




流石に怒るだろう。




……………………………………………………




ぺろっ。








「へっ………やぁーーーーーーーー!!」





………………やってしまった。






大絶叫に母がドタドタと階段を駆け上がってくる。





鍵のかかったドアをドンドンと叩く。




「ちょっと!!どうしたの!!開けなさい!」




……………………………はあ。




彼女に布団を被せ、俺は服を整え、鍵を開ける。




「どうしっ…………………葵!?」




「……………ゴキブリが出たんだよ」




「へっ?」




「……ほら………姉ちゃん苦手でしょ」




「……………なんだ~もう」




「…………………どっか行っちゃったなぁ」




「……………………葵、大丈夫?」




布団から顔を出す彼女。




「……………うん………ビックリしただけ」




「………もう、あんな声出さないでよ」




呆れたように扉を閉める母。




「………ふう」




ん?




後ろから……………凄まじい殺気が………




「……………オイ」




「……………は、はい」




「…………………こっちきなさい」




ひいっ………………………





ベッドに膝を組んで腰掛ける姉に、対面で正座をする俺




恐ろしすぎて顔を見ることもできない。





「……………………どこ舐めてんの?」




「………………………おしりの……穴です」




「………………………舐めるとこ?」




「……………………いえ」




「………………………口をゆすいできなさい」




「へっ?」




「…………………早く」




「は、はいっ」





俺は言われた通りに口をゆすいで部屋に戻ると……




彼女はもういなかった。




どうやら本気で怒らせてしまったようだ…………………






ーーーーーーーーーーーーーーー




夕飯時の食卓。




彼女は俺と目も合わせてくれない。




ふう…………………




「………………なに?喧嘩でもした?」




そりゃそうだ。



昨日まで「あ~ん」なんてやってた姉弟が口も聞かないなんておかしい。




「ああ……………ちょっとね……」




彼女はツーンとして話さない。



おかわりだけは無言で茶碗を母に渡してキッチリ食べる。




…………………最近ベタベタしすぎてたから、ちょうどいいんじゃないかとも思う。




たまにはこれくらい距離を………ね。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



風呂を上がって部屋に戻ろうとすると、廊下で彼女とすれ違う。



やっぱり目も合わせ…………………ん?



やけに顔が赤い………熱でもあるのか……?




「ちょっ…………………」




俺が発した声に立ち止まる彼女。




「……………………なに?」




赤い、赤いぞ。




「いや………顔赤っ…………熱?…」




「…………ほっといて」




「いやでも………」




覗き込むように近付くと、顔を背けて、逃げようとする彼女。




捕まえておでこを触っても、確かに熱はない。




……………………………………………まさか………




「……………あの………」




「…………………離して……」




「…………………もしかして………」




「……………………………」




「恥ずかしいの……?」




「うるさいっ、どいてっ………変態!」




真っ赤な顔で振り払い、階段を降りていく彼女。




ふむ………………………




ふむ…………………………





怒り3…………恥ずかしさ7……だな……




ふふふ………そうか……………恥ずかしいのかぁ……




ーーーーーーーーーーーーーー




部屋でしばらく待っても来ない。




どうやら今日は自分の部屋で寝るらしい。




くくく…………いつまでもそんなツンツンした態度で押し通せると思うなよ………




LINEを送ってみる。




ゆ「今日は来ないの?」




彼女の部屋からブブっというバイブ音が聞こえる。



届いてるね。




おっ既読。




あ「行かない」




この4文字ですら愛おしい。




ゆ「寂しいなぁ……」




ブルブル震える寂しいスタンプも追加だ。




あ「私は寂しくない」




おお………寂しがり屋なくせに強がってるね……



ふむ。



ここで必要なカードは、これ以上「寂しい」だの「好き」だの好意をアピールするようなやりとりを続けることではない。



彼女という生物を地球上で最も理解する俺が出す結論はこれだ。




ゆ「ごめんなさい」




ゆ「僕が間違っていました」




ゆ「もうしません」




これだ。


真っ直ぐな謝罪。


これをしないと、彼女の反応は次のフェーズに移行しない。




あ「本当に反省してる?」




ほおら。


くくく………計画通り。




ゆ「うん」




この2文字。



効くでしょ?


あーだこーだ言わない、可愛い弟の「うん」。


落ちたな。




あ「謝れば許すと思ってるでしょ」




…………………な……んだと………




あ「馬鹿にしないで」




………………………………………………………



はあ………………バレバレか……………



うん………………



思ってました。



…………………………………………1人で寝よう。



ごめん、姉ちゃん。






コンコン。






むむ………………





「ど、どうぞ」




ガチャ……………




……………………まだ怒ってる顔だな。



説教しに来たのかな……………



…………………………………………




「ごめ……」




「落ち込んだの?」




へっ……………




「………………ま、まあ」




「…………………うん、本当っぽい」




スタスタと入ってきて、ベッドの横に座る彼女。



「…………駄目でしょ」




「………………うん……ごめん」




「…………なんで駄目かわかる?」




「…………………は、恥ずかしいから?」




「違う、汚いでしょ」




ん?




「………汚くはないよ」




「は?汚いに決まってるよ、うんちするとこだよ」




「それでも、姉ちゃんのは汚くない」




「………反省してないの?」




「は、反省はしてる………でもそれは認めない」




「……………………………」




「姉ちゃんの身体に汚い部分なんかない」




「…………………………」




「…………ね、姉ちゃん?」




「……………………もうしない?」




「……うん……………しない……」




「…………………私は有弥に病気になってほしくない」




「……………はい、ごめんなさい」




「じゃあ、許してあげる」




……ふう………なんとか……………




「………………………じゃあ」




「……………行っちゃうの?」




「…………………今日は、ね」




「…………………うん」




「…………………もう」




「ん?」




「……………じゃあ、おいで」




「えっ?」



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