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月の帳  作者: 是空
五章 決断、そして
28/37

27話




コン、コン。




誰かが部屋の扉をノックする。






「……どうぞ」





「……………起きてた?」




彼女が部屋を訪れるのは久しぶりだ。




自分の枕を抱えている。




それを見て高鳴る自分の心臓に………




少し苛立ちを感じた。





「……………今日、こっちで寝たい」




「………………ん」




「………駄目?」




………………………駄目なもんか。





「……………いいよ、おいで」




「おいで」なんて、恰好つけやがって。




何ひとつ自分で決められない、子供のくせに。




彼女は毎日、色んなものを背負って勉強してる。




…………………自分が嫌いだ。




彼女がベッドの横に、転がってくる。




「………はー……久しぶり、この感じ」





お風呂上がりだろうか、まだ乾ききっていない綺麗な黒髪が、シャンプーの香りを強く放っている。




「……………毎日、お疲れだね」





「……うん、ちょっと疲れちゃった」




そっと彼女の髪を撫でつつ、頬に触れる。




猫のように指に頬をスリスリと擦り付けてくる。




色んな想いが胸の中でグルグルと交錯する。




「…………寂しくなった?」




「………うん……………有弥不足」




「はは…………俺も、葵不足だ」





「あっ」




「あっ……ご、ごめん」




「……………もっかい」




「…………………葵……」




「……………ん………嬉しい………」




「…………………………」




彼女を抱き寄せ、しばらく見つめ合う。




頭を撫でながら。




いつの間にか、重なる唇。




ゆったりとした情緒的な気持ちの中に、衝動的なスパイスが加わっていく。




明かりを消した。






薄暗い中、彼女の胸に優しく触れる。





ピクっと反応する身体。





「…………んっ……」





柔らかい…………………




そして、つけていない。




薄い布越しにダイレクトに伝わる感触。




なんて物体だ……………





彼女の手が………………気付くと俺の大きくなったモノに、触れていた。




それに気付いたのか、一度手を引っ込め……




俺を見つめる。




再び、そっと包むように握った。




「………っ……………」




「………………痛い?」




「……………いや…………気持ち……よくて……」




「…………そう………すごく……固いね」




「………………ごめん」





「…………………ううん………どうしたらいい?…」




モノをなぞるように、優しく撫でる彼女の手。





俺は気付くと、彼女のシャツを捲っていた。





目の前に露わになる、彼女の胸。





我慢できない、舌を……這わせた。




「あっ………うぅんっ……」




彼女の発した艶やかな声。




握った俺のモノを、ギュッと握る。




興奮は、期待は、高まるばかりだ。





彼女の色白で柔らかな乳房を揉み、舐め、時に吸う。




なんという甘美な行為だろうか。




許されていいのか、こんなこと。





「ハァっ………んんっ…………あん……」




時折、腰をうねるように浮かせる彼女。




その何もかもが、愛おしい。




「………………有弥ぁ………」





「……………なに?………」




「…………………気持ちいぃの……もっと………」




「……………………………」





再び、彼女に覆い被さって唇を貪る。




舌を絡ませ、唇を味わいつくす。




すべてが欲しくなった。






気付くと、彼女の股の辺りに、大きくなったモノを擦り付けてしまっていた。




………………………………………




「……………………脱がして……いい?」




「……………………ん……恥ずかしいから………自分で……脱ぐ」




「……………脱がしたい」




「…………………………………」




赤面した彼女は両手で顔を覆って、脱力した。




俺は彼女の下着に手をかけ…………慎重に……かつ大胆に………ずらしていく。




目に入ったのは……………うっすらと生えた秘部の毛………こんなに薄いのか?…………




そして…………………





脱がしかけた下着からツーと伸び…………




糸を引いて彼女の秘部へと伝う。




沸騰したように赤く染まった彼女。




脱がしきった下着は、その生地からは想像できないほどの液体を吸って、重みを持っていた。




彼女もそれを、自覚しているのだ。




だから耐え難いのだ。




その事実がまた…………俺の欲望をかき立てる。




目の前には、艶めかしくほんのりと光沢を帯びた、彼女の最もデリケートな部位。




…………………………………………これは………




いつぞやの動画で見た誰かのそれは、もっと毛深く、もっと生々しく、黒く、野性的な印象だった。




だが……………彼女のそれは、まるで赤子の唇のように、淡い色合いで、潤んでいた。




ああ…………………舐めたい…………………




でもそれは………………怒られそうだ。




でも…………………我慢できない。




ああ…………………





ペロっ。





「ひあっ」





頭を凄い力で引きはがされた。




しかし、しかし。




舌先に、微かなヌメリ。




その味は………無味無臭……いや、ほのかに………




ゴツッ。




頭に鈍い痛み。




殴られたらしい、そりゃそうか。





「………もうっ………いきなり……なにしてっ……馬鹿っ……アホ有弥っ………もうやだ………」





「……………全部くれるんでしょ?」





「…………………なっ……なに言って……」





「嘘だったの?」





「…………………………」




囁くようなやりとり。




俺は欲しいんだ、彼女の初めてを、すべて。





「……………駄目だよ…………汚いもん………」





「………汚くない、とても綺麗だ」





「…………おかしいよ………」




「…………いいでしょ?……」




「…………………」





観念したように再び顔を覆う彼女。




さてさて……………ん。




まだ抵抗の意思があるようだ。




両脚に力を込めて抵抗する彼女。




可哀想だが、譲れないね。




変態でもいい、諦めてくれ。





彼女の両乳首を指で弾くように優しく擦る。




「んんんっ」




力が抜けたその隙に、頭を太腿の間に入れ込んだ。




「待っ……………あっ………駄目っ……ひっ……ひゃぁぁ………んんーーーーーー」




彼女の秘部に這うように舌を入れ、しゃぶりつく。




ああ……………おいしい。





強く締め付けていた両脚の力が、諦めたように徐々に緩んでいく。





彼女は腰を何度もビクビクと突き上げ、枕に顔を埋めて声を押し殺している。





…………………どんな表情をしているんだろうか。





舐めるのをやめると、力尽きたようにドッと腰を落とす彼女。




枕越しのハァハァという息遣いが聞こえる。




枕をそっと外してみる。




全体的に紅潮した顔、眼はトロンとして、口元は緩み、乱れた髪の一部が口に入っている。




はぁ………たまらないな。




なんて魅力的な人だろうか、女性というのは皆こうなのか?



……………いつの時代も男を狂わせるわけだ。





「………………変態っ」




蔑むような目でぶつけられた言葉は、俺の背筋を再びゾクゾクとさせる。




顔を隠そうとする彼女の両腕を掴み、顔を近付ける。




「……………まだまだ、たくさん恥ずかしいことするよ」




「……………やっ、やだ…………お願い……やめて………死んじゃう………」




「………………じゃあ、やめる?」




「……………………………」




言葉を失う彼女。



なんてドSな弟だ、鬼畜だ。



そう思っているに違いない。




「……………………れて………」




ん?





「……なに?」





「……………もう……入れて………………有弥……欲しい」






………………………男に産まれて良かった。




心からそう思える。




好きな女性に求められる喜び。




ありがとう。




俺も下着を脱いだ。





優しくまた、彼女と口づけをする。




彼女も俺の首に手を回し、積極的に舌を絡ませる。




楽園は我が家にあったらしい。





「……………………いいの?」




「……うん……………あっ……………」




「ん?」




ふと、下に目をやる彼女。




「………ちょっと…………えっ………」




「……ん?」




「…………………えっ………そんなの………」




「…………………なに?」





「無理………入んないよ…………」




愚息のことか……………………




「………………………で、でも俺……これしか持ってない……」




どういう言い訳だ?





「……………ちょっ………やめて……クスクス………」





おっウケたようだ。





「………ふう………それしかないなら………頑張ろっ……かな………」




「…………………痛かったらすぐやめるよ」




「……うん」




さて…………………………………






あっ。




な、ないーーーーーーーーーーー




そうだ、アレがない。





ここにきてーーーーーーーーーー




「ど、どうしよう………………」




「…………………………」




無言の彼女が………………自分の枕のカバーの中に手を………えっ……………




出てきた……………………アレが……箱ではない……1つだけのアレ……………輪っかのようなアレ……




「……………あるなんて………」




「……………言わないで、もう……」




そうだ、そうだな。




女性側に用意させるなんて……………………



恥ずかしい。



……………しかし………いつから持っていたんだろうか……




まさかもう誰かと…………………




よそう、これ以上野暮なことは。




「…………ちょ、ちょっと待ってて」



ギザギザのアルミのような袋から、取り出す。




着け方はなんとなくわかる。




わかるけど……なんだこれ………




ヌルヌルして滑るし…………うまく被らない。




うっ………くそっ…………………




「…………………………」




………………横から彼女の手が伸びてきた。



一緒に苦戦する。



「んと………こう……?……こうかな……」




あっ………ちがっ………いやっこうか……ん……





あっ、できた。




根元までしっかり。




「…………………くすくす…」



「………くくっ……」




笑いが込み上げてくるが、ほどほどにして臨戦態勢へーーーー




彼女に再び向き合う。




いわゆる正常位という姿勢だ。




先をそっと当てると、まだヌルヌルしていた。



大丈夫そうだ。




……………………………が。





……………………………………………………




「………………どうしたの?」





「……………いや………」





「…………………うん……」




彼女は起き上がり、そっと俺を抱き寄せる。




「……………………そうだね」





「…………………うん」




「…………………やめとく?」





「…………………………」




色んな想いが、込み上げてくる。




いいのか?本当に。




今更だ………………わかってる。




でも……………………………




「……………………怖いね」




「……………………」





最後までして……………関係はどうなるんだろう。




普通の姉と弟では、なくなるだろう。




男女の関係………ってどうなるんだ?




全然わからない…………………………




…………………………………………




でも……………………………………





欲しい。




その気持ちはとても強い。




女性としての彼女が、欲しい。





ただ………………………………





その代償に…………………「姉ちゃん」を失うのか?





……………………………それは……嫌だな………




………どっちも欲しいなんて…………俺は強欲だ……




……………………………………






「………大丈夫」




「えっ……?」




「……………私は私、有弥は有弥」




「………………」




「…………男と女で…………姉と弟」




「………………………ん……」




「……………やめないよ、お姉ちゃんであることは」





「……………うん」




「…………………来て?」





「うん」





彼女を





姉を





貫いた。






ーーーーーーーーーーーーーーーーー





ゆっくりと……………確実に……彼女の中を進む。




「………っ…………………っ……」




枕を噛み締め、俺の腕を強く強く掴む彼女。




……………狭い。




こんなに狭いのか。




つらそうだ…………………痛いに決まってる。




でも、声を出さない。





潤いは充分、思い切り力を入れれば、一気に奥までいけそうではある。




そうしたい衝動もある。




だが……………………………




ゆっくりだ、時折引いたりしながら、ゆっくり。





慌てなくていい。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー





どれくらいそうしていただろうか。




気付けば、彼女の中に、すべてが収まっていた。




「ハァっ………………ハァっ……」




「………姉ちゃん………」




「……………うん……………入ってる」




「……………うん」




「…………………大丈夫、だよ」




入れるだけで死にそうだったんだ。




動くなんてとても………




むしろギュウギュウに締め付けられている愚息は、今にも暴発する可能性もある。




さてーーーー




「………しばらくこうしてよう」




「……………うん」




彼女に体重をかけないよう、両肘をついて見つめ合う。




………………………視界が歪む。




…………………なんで。




出てくるな、嬉しいはずだろ?




なんで涙が……………………………





あっ……………………顔に落ちた……ごめん……ん?




彼女もまた、泣いていた。




「…………………どうしてだろうね」




「……………痛かったから?」




「…………………ううん、痛かったけど……それ以上に嬉しいもん……」




「………………………」




「………………きっと………」




「…………………きっと?」




「…………………なんでもない」




「………………………うん」





………………………………………わかってる。





言わなくても、わかってるよ。




この涙はきっと




俺達の




"姉弟"が流した涙だね。








「……………もう、たぶん大丈夫…」




「………ほんとに?」




「……………うん、動いて……みて」





ゆっくりと……………ぎこちなく腰を動かす。




「…………っ……………」




また耐えている………………痛いんだろう………




可哀想…………………だが……………気持ち良すぎる……




止められない……………





「………………んっ…………ぎっ……」




「………………ごめ、ごめん」




「…………………だいっ……じょぶ………っ……」





彼女の口を塞ぐように唇を覆い、腰を打ち付ける。





ダメだ、思考がままならない。




「……っ………うっ………姉ちゃ………」



「……………んっ……ハァっ…有弥………」



「………………好きだ………好きなんだ………」



「…………っ………うんっ……………私も………大好きっ……」




「………………あっ………もうっ………」





……………………………ああ………………………






彼女の顔を見つめながら、彼女の中で果てた。





「ハァっ………………ハァっ………」




スッとモノを抜き、彼女に倒れ込む。




「……………ごめん、止められなくて………」




「………ううん………痛かったけど………」




「………けど?」




「……………最後の方、なんだか……奥の方から……気持ち良くなって………」




「………そうなの?」




「…………うん……有弥は?……」




「…………そりゃ………気持ちいいに決まってる」




「そう………良かった………」




ニッコリと微笑む彼女。




思わずキスをする。




目を開けたまま、お互いの頬を手で覆い、見つめ合いながら。




「……………もう私のだからね」




「………………なに?それ」




「…………私は嫉妬深いから」




「そ、そうなの?」




「……うん………他の女の子と、こういうことしちゃダメだよ」




「………しないよ………姉ちゃんもだよ」




「………ん……私は絶対にない」




「……………どうかな………こんな可愛い女の子……男はほっとかないよ」



「……………可愛い?……」




「…………うん、この世で一番……」




「…………………ずっと一緒にいてくれる?」




「……………もちろん、離さないよ」




「……………じゃあ……いっぱいエッチさせてあげる」




「………それ目的みたいじゃん」




「……ふふっ………違うの?」




「……………違わないけど………いやいや、違うよ」




「……………あー違わないって言った……身体目的なんだ………」




「……………そうじゃないけど……男ですから……」




「………うん……いっぱい………しようね?」




「……………いいの?」




「いいよ…………もう有弥のだもん」




「………へへへ…………」




「あっ……エッチな笑い………」




「……だって………」




「………流石に今日はもう無理だからね?」




「わ、わかってる……よ」




「あっ………おっぱい見たー」





「……………だって………」




「……………まだ………したいの?」




「………い、いや………もう終わりだよ」




思わず背を向ける。




「ふふ…………無理しちゃって」




背中に胸を当てながら、耳元で彼女が囁く。




「また……明日ね」




出したばかりの愚息が再びメキメキと起き上がってくる。




このっ……………でも今のは姉ちゃんが悪いよなぁ…………




さて………………このまま寝るには……




「…………シャワー……浴びたいけど……」




「…………流石に無理だよ……怪しすぎる」




「だよね…………仕方ない、朝にしようかな」




「……うん…………2人揃って朝浴びるのも怪しいけどね………」




「…………どうしよう……」




「………クスクス………」





「………なにがおかしいの」




「………ごめんごめん………私がタオル濡らして持ってくるから、それで拭こっか」




なるほど……………その手があったか。




「じゃあ、俺行ってくるよ」




「ダメダメ、有弥はガサツだから、気付かれちゃう」



「なんだとー」




「あははっ………ほら、待ってて」




頬にチュッとキスして出て行く彼女。




…………………………………………………………




1人になると、さっきの情景が浮かぶ。




この部屋で彼女と………………………





ああ……………………幸せだ……………




手にいれた…………………………




彼女は何も変わらない。




彼女であり、姉でもいてくれる。




俺のすべてになった。






だろ?




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