読者のあなたは会話文の最後に句点があったら即ブラバしますか?
ここは小説家になろうで、決してプロが書いてるわけじゃございません。
例えばですけど、
「王女エスリーン、おまえとの婚約を破棄する。」
と書いてあったら即ブラバします?
正しくは、
「王女エスリーン、おまえとの婚約を破棄する」
ですよね。
ちょっと聞いてみたいんですよね。
1:内容が面白ければ文芸作法なんて関係ないよ
2:文芸作法の基本も身に付いてない奴の小説なんて読みたくない
どっちなんでしょうね?
ちなみにこういう選択肢文だと句読点は要らないんだ。
勝手な独断ですけど3:7ぐらいでブラバはせずにそのまま読んでそうな気がする。「なんとなく」だけど。
それでも約三十%の読者はこの序章の時点で失ってるのでやっぱり文芸作法は身に着けた方がいいよ。
ちなみに実は読書感想文では、
「僕は今日カブトムシを採りました。」
が正しいんだ!
そうでしょう?読書感想文の時はそうだったでしょうに。
つまり文芸作法と国語教育ではまるで正反対の教育をしてるからこんな悲劇がいつまでも続くんだ。
ちなみに論文はどうかって?そもそも会話文自体が無いよ。引用ならあるが。
でも例外は必ずあって……。
『昇ってゆくエレベーターの箱の中で雄一が言った。
「やっぱり、関係あるんでしょ。」
「なにが?」
「すごく月がきれいなのを見た、とかって料理の出来に響くんでしょ。月見うどん作るとかそういう間接的なことじゃなくてさ。」
チン、とエレベーターが止まり、私の心が瞬間、真空になった。歩きながら私は言った。
「もっと、本質的に?」
「そうそう。人間的にね。」
「あるの。絶対にあるわ。」
私はすぐさま言った。』
(吉本ばなな 『キッチン』p85.より)
と実は現代作家にもこのように句点会話文作家が居るには居るんだ!
つまり句点会話文って百%間違いではないんだ!
だからと言って句点会話文を使っていいってわけじゃなくてたぶんこれは吉本ばなな氏という文豪だから特別に許された表現であってたぶんそこらの文士だとNGのはずなんだ。
ややこしいな。
なのでやっぱり句点会話文はNGなんだよ。文芸の世界では。
句点会話文は読書感想文ではOKで文芸やラノベではNG。でも文豪は句点会話文を使ってもOK。
納得出来ないだろ?でも公募を突破する「無言のルール」だと思ってくれ。
では次だ。
「王女エスリーン、おまえを、」
となってたらどうする?
ブラバする?
「王女エスリーン、おまえを……」
↑にしろとか言います?
文芸作法的にはそうだ。下の文章が正しい。
でももういい加減に表現を狭めるの止めないか。もちろんルールを覚えたうえでわざとこのような表現があってもいいのではないか。ただし、君が文豪になってからの話だが……。
ではもうちょっと高度な事を言おう。
「学校に行ってから、言って」
↑これなんで文芸作法的に間違いだと思う?
発音が一緒だからなんだってさ。
つまりね、純文学ではいいんだけど「大衆文芸以下」ではNGで特にラノベではNGなんだ。アニメ化、脚本化するにあたって音読に不向きな文章はNGなんだ。まるで絵本作法のような世界なんだ。
「学校に着いてから、言って」
なんだと。
では、次。
"This is a pen."
「田中、なんだその発音は!」
これはどうでしょうか?
まさかと思いますけど「This is a pen.」とか恥ずかしいことしてませんよね。絶対止めましょうね。英語の会話文は"~"です。一番最悪なのは「This is a pen。」とやることです。そうだね、英語は句点じゃないよね。ピリオドだよね。
そして、
I said, "This is a pen.".
となんと二個ピリオドが付きます。引用文は二個付く。「私は~と言った」という場合はピリオド二個。
しかし会話文だけならピリオドは一個でしかも会話文の内側にピリオドが付くのです。ここ重要です。ピリオドの位置が変化するんです。
だから、
"This is a pen."
が正解です。
英語は英語でルールが違うんです。
いかがでしたか?奥が深いでしょ?
なお「大衆文芸作法」という言葉自体が直木さんという文豪の言葉だから「小説作法だろ」とか突っ込むのは無しでお願いしますね。