コント「銀行強盗」
客:銀行に来た男性客、ツッコミ
強盗:強盗に来た女性、ボケ
客「待ってる客多いな。時間かかるかも」
強盗「動くなー! 強盗だー!」
客「うわっ!? なんだ危ない! 女が覆面もつけずに包丁を振り回してる」
強盗「動くなー! 撃ち殺されたいのかー!?」
客「それ銃持ってるやつの言葉! お前包丁振り回してるだけだろ!」
強盗「動くなー! 動かないでください! あ、待って! そこのお兄さん逃げないで!」
客「腰が低い!? 迫力皆無だぞ!?」
強盗「あ、警備員さん来るのが早いです! 待ってください、こっち来ないで。取り押さえようとしないで! わたし怪しい者じゃないです!」
客「十分怪しいからな! 警備員は普通に仕事してるだけだからな!」
強盗「あ、警備員さんよく見たらかっこいいですね。連絡先教えてもらっていいですか!?」
客「え、なに? こいつ強盗しながらナンパしてるの!?」
強盗「って、なんだ指輪はめてるじゃないですか相手いるじゃないですか! あなたに用はないです! あっち行ってください! しっし!」
客「マジでナンパだったの!? いや警備員そんなことでいなくなったりしないから!」
強盗「むう。仕方ないですね。ええい警備員さん。それ以上近づくとわたし、自分にこの包丁刺しますよ!」
客「脅し方が斬新すぎる!」
強盗「強盗に入られて怪我人が出るのは困りますけど、強盗に死なれるのもめちゃくちゃ面倒ですよね! というわけで、おとなしくしてください!」
客「確かに面倒だけど! どんな脅し方だよ自分を人質にするって」
強盗「よし、みんな動いてないですね。よし、そこのお兄さん」
客「え? 俺?」
強盗「そうですお兄さんです。ちょっと悪人顔であんまりモテなさそうで当然指輪なんかしてない、あなたです!」
客「余計なお世話だよ! なんだよ、持ってきたバッグに金を詰めろとかか?」
強盗「いいえ違います! お兄さんにはこの包丁を握ってもらって、わたしを人質にしてほしいんです!」
客「意味がわからない!」
強盗「お兄さんは悪人顔ですし、強盗をやるにはぴったりかと」
客「うるせえ! だいたい、なんで俺が強盗やらなきゃいけないんだよ!」
強盗「えー? それ訊いちゃいます? えへへ」
客「なんで照れてる!? とにかく説明しろ! いや説明されてもやらないけどな!」
強盗「仕方ないですねー。実はですね、わたしってこんなに可愛いのに、全然モテなくて彼氏できないんですよ」
客「自分で可愛いって言う所含めて、モテない理由はよくわかった」
強盗「なんでかなーって自分でもわからないんですけど、友達が言うには性格がぶっ飛んでるからだって」
客「言いにくいことを素直に言ってくれる友達、大事にしろよ」
強盗「なので考えました! 彼氏を作る効率のいい方法は、強盗だと」
客「意味がわからない! てか彼氏作るのに効率とか考えるな!」
強盗「つまりですね。誰かが強盗役をやって、わたしを人質に取るんです。そして誰かが助けてくれる。その助けてくれた相手とわたしが恋に落ちるって計画です!」
客「うん。得意げに説明されても意味がわからない」
強盗「吊り橋効果ってやつですよ! わたし、物知りで頭いいので!」
客「吊り橋効果程度で物知りって顔されても困るし、お前はどう考えても馬鹿だ」
強盗「というわけで、お兄さん強盗やってください」
客「絶対やらない」
強盗「なんでですかー!? わたし今日のために、必死に強盗役の練習してきたんですよ! こうやって注目を集めるために!」
客「せめて人質役の練習しろよ!」
強盗「だって! 最初にわたしが強盗をしっかりしないと、注目が集まらないんですよ! 助けてくれる人も集まらないんです! 計画は細部が大事なんです!」
客「こんな茶番に細部を求めるな! ……おい。サイレン聞こえてきたぞ。警察来たんじゃないか?」
強盗「そんな! 早いですよ! これじゃ、わたしたち捕まっちゃいますよ!?」
客「いや! 捕まるのはお前だけだけどな!」
強盗「こうなったら仕方ありません……」
客「どうするんだよ」
強盗「ふたりで捕まって、取り調べしてくる刑事さんを口説きましょう! お兄さんはそれを手伝ってください!」
客「いや俺は捕まらないからな!」