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ランクアップ

冒険者ギルドに向かい、空いている受付窓口に行く。


最初の冒険者登録のときにに受付してもらった藍色セミロングの美人のお姉さんだ。キリッとした表情とちょっとキツイ感じの目元が素敵だ。


「依頼完了の報告と素材の買取をお願いします」


依頼票と一緒に依頼対象のキノコ、一緒に採ってきた常時依頼の薬草類を取り出す。


「はい。査定を行いますので少々お待ちください」


手早く作業を始め、慣れた手つきで次々と素材の内容と品質をチェックしていく。


美人で仕事も速いのに何でいつも列が短いんだろうな?

表情が硬いせいかな?それとも胸がいやなんでもないゲフンゲフン。

俺はどちらかと言うと貧乳派なので気にしない。

まだ見たこと無いけどこの世界のエルフがテンプレ通りの貧乳種ならドストライクだ。今から楽しみである。

おっと、思考が横道に逸れたな。


「あとついでに聞くんですが、ゴブリンの討伐証明部位とか買取素材を教えてもらえますか?」


「ゴブリンですね。討伐部位は右耳です。買取素材は魔石のみになります」


「魔石があるのか」


女神様が地球を参考にしたと言ってたけど、ラノベとかゲームとかのサブカルチャーも参考にしてるんじゃないだろうか?

地球の神様とコンパしてるとか言ってたし、神様の実態は結構はっちゃけてる気がするぞ。


「魔物にはすべて魔石があると言われており、魔石のあるなしが魔物と獣の区別とされております」


「なるほど。ちなみに買取価格は?解体と言うか魔石の取り出しとかってお願いできますか?」


「討伐報酬が大銅貨1枚、魔石の買取が大銅貨1枚と銅貨5枚です。ギルドに解体を依頼する場合は手数料として銅貨5枚がかかります。なお、解体の手数料は魔物によって異なります」


「差し引きで大銅貨2枚か。あとでゴブリンの買取もお願いできますか?」


「ゴブリンの買取ですね。死体はアイテムボックスですか?」


「はい。70匹ほどあります」


「え?7体ではなく70体ですか?」


「ええ。ちょっと、森の中でゴブリンの群れに遭遇しまして」


「お一人でですか?」


「ひとりなら面倒なんで逃げたんですけどね。子供が襲われていたので仕方なく殲滅しました。昨日買ったばかりの剣が1日で折れちゃいましたよ。ははは」


「子供がいたんですか?森の中に?」


「Gランクの冒険者ではなく孤児院の子供が薬草を探しに行ってたみたいで。あ、子供は戦わせてませんよ。木の上に退避させて俺ひとりで戦いましたから」


「ゴブリンとは言え70体をひとりで…もしかしてケンイチさんは魔法が使えるのですか?」


「魔法ですか?素質はあると言われたのですがまだ習っていなくて、使えるのは今のところ身体強化ぐらいですね」


「本当にFランクですか?」


「先日お姉さんに登録してもらったばかりのFランクですよ」


「はぁ、わかりました。こちらの採取依頼の手続きが終わったら解体場へご案内しますので少々お待ちください」


そう言うとそれまでも話しながら行っていた査定作業をスピードアップさせ、ものの数分で査定を終わらせる。

昨日と違って受付カウンターで受入れ可能な量だが、それでも結構な量を採ってきたんだけどな。ホント優秀だなこの人。


「こちらが採取依頼の報酬と常時依頼の薬草買取で合計銀貨2枚と大銅貨9枚です。では、解体場に案内しますので着いて来てください」


買取カウンターの脇のドアを開け建物の奥へと向かうお姉さんの後について解体場に向かう。。


ギルドの解体場は体育館の様な広くて天井の高い部屋だった。

床は板ではなく石畳で、広さは体育館の2倍ぐらいある。

解体用の机があちこちに並べられ、天井にはクレーンの様な装置や大小様々な滑車がぶら下がっている。

解体場の各所に色々な魔物や獣が積まれ、職員が解体作業を行っていた。


解体場に入ると職員の1人がやってきた。


「リシャルさん、どうされました?」


「ゴブリンの持込よ。70体」


「70体?」


「ええ、彼、アイテムボックス持ちだから」


職員の男が訝しげな目で見てくるが、受付のお姉さんの前だからか何も言わない。

それよりもお姉さんの名前はリシャルさんらしい。心のノートにメモしておこう。


「どこに出せば良いですか?」


「あ、ああ、そうだな。こっちだ」


職員の男が解体場の一角へと移動する。


「この辺りに適当に並べてくれ」


「わかりました」


異空間収納(アイテムボックス)からゴブリンの死体を出し並べていく。


「これ、坊主ひとりで倒したのか?」


「ええ、倒しても倒しても減らないんで大変でしたよ。明日は筋肉痛ですかね」


「ゴブリンとは言え、これだけの数に襲われて筋肉痛で済めば御の字だろうよ」


ゴブリンを全部出し終わる。帰り道でゴブリンも含めて76匹分の死体である。


「こいつとこいつは切り傷が見当たらねえな」


「途中で剣が折れたので何匹かは素手で倒しましたから」


「マジかよ。ホントよく生きてたな」


「さて、解体を待っている間にゴブリンに襲われた際の状況を詳しく聞きたいのですがよろしいですか?」


「ええ、構いませんよ」


リシャルさんに聞かれ、ミアを助けたときの状況を話す。


ゴブリンは元々群れる習性があり、大体3~5匹で群れていることが多い。

のだが、やはり70匹以上が同時にと言うのは異常で、ゴブリンを統率する上位種や特殊固体が発生して集落を作っている可能性があるらしい。

俺が戦った中に特に強いと感じるゴブリンはいなかったが、数から考えると偶々かもしれない。


ゴブリンと言えど上位種や特殊固体はゴブリンとは思えないほど強いものが多く、集落を作るのでかなり危険らしい。

仮に上位種や特殊個体がいなくても数が多ければそれだけで危険であることに変わりは無い。

戦いは数だよ兄貴、と言う奴である。自分がするのは良いがされるのは実に面倒である。

もっとも前世では1対複数人で戦うことも少なくなかったが。


今後も複数を相手に戦うことを考えると使える手は多い方が良い。

創造神の加護で魔法の全属性適性があるのだから、そろそろ魔法を覚えても良いかもしれない。

問題はどこで習えるのかと言うことだな。ゲームみたいに魔法屋とかあれば楽なんだが。


そうこする間にゴブリンの処理が終わる。

ゴブリンは素材となる部位がなく魔石を取り出すだけなので解体も買取手続きも早い。

その分安いのだが。

解体手数料を差し引いて1匹大銅貨2枚

76匹で大銅貨152枚。金貨1枚と銀貨5枚、大銅貨1枚で受け取る。


さすがに76匹も倒せばそれなりの金額になったが、そう何度もやりはたくない。


あと、ギルドランクがEに上がった。



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