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台風一過。束の間の日常

 今年の台風は6日で過ぎ去り、テミンには人々が待ちわびた太陽が顔を出していた。

「ん~!やっぱりお日様の光は気持ち良いですね!」

 シャルロットと洗濯物を干しながら、シエナは体中で太陽の光を浴びる。


「洗濯物もようやく外に干せてホッとします」

 部屋干しでも、シエナが温風魔法を使って早く乾かしていたので問題はなかったが、シャルロットとしては、やはり洗濯物は外に干すのが一番だと感じている。

「その気持ちはわかります」

 シエナも、それに同意して頷く。


 街の人々も、ようやく外を出歩けるようになった事で、それまでできなかった鬱憤を晴らすように街の中を練り歩いている。

 ずっと冒険に出かけられずに連泊をする羽目になってしまった冒険者も、その分を取り戻すべく張り切って冒険に出かけようとしている。充分に休めたので、体力は有り余っているのだから。

 おそらく、今ギルドに行くと依頼の奪い合いになっているだろう。


「では、私は部屋の清掃、その後は大浴場の掃除に行ってまいります。お手伝いありがとうございました」

 シャルロットは淑女らしく振る舞い、シエナにお礼を言ってからその場を離れていく。掃除をしている時のシャルロットは、元メイドとしての仕事モードの癖が残っているのである。

「さて、私はロベルトさんと食材の買い出しにでも行ってきますか」

 洗濯物を干し終わったシエナは、空になった籠を持ちあげてそう呟く。

 

 台風が過ぎ去った今日のこの1日は、皆の手伝いをして満喫する予定である。

 港町ヴィッツへ出発するのは明日であり、その打ち合わせも今日の昼に行われるが、基本的にはこの日1日は、宿屋シエナの皆といようと考えていた。

 シエナとしては、なるべく早く帰って来ようとは思っているが、初めて行く町なので、色々見て周りたいという気持ちと、新鮮な海の幸を堪能したいと言う気持ちが大きいので、もしかすると帰りが遅くなるかもしれない。

 その為、台風が過ぎ去ってまともな営業が再開できたこの日を、いつもより皆の手伝いをして、一緒に過ごしたいのであった。



「ガストンさん。コーザさん。足りそうにない食材、傷んでしまった食材のリストは纏まりましたか?」

 洗濯籠を片づけたシエナは、厨房へと向かうと、そこで料理の仕込み作業と食材の在庫を確認していたガストンとコーザにそう訊ねた。

「はい、今回はあまり被害はないですね。冷蔵庫のおかげです」

 そう言って、ガストンは補充をお願いしたい食材をメモした紙をシエナに渡す。

 メモに載っているリストには、主に冷蔵庫で保存してても傷みやすい生ものが多かったが、それでも去年に比べると遥かに少なく、今回メインで購入しないといけないのは、じゃがいもであった。


「やっぱり冷蔵庫は作って正解でした。また、料理関係で便利そうな道具を思いついたら作りますね」

 シエナが嬉しそうにそう言うと、コーザも嬉しそうに「楽しみにしてます」と笑った。


「おはようございます。ちょっと早いですけど、手伝いに来ました」

 シエナが厨房を出ようとした時、エトナが厨房へと入ってきた。

 普段だったらまだ寝ている時間であるが、流石に台風の6日間は深夜の食材の仕込みがなかった為に早くに就寝できていた。

 その為、普段よりも早起きになっているのである。

 そして、当然エトナも6日間働いていなかった為、働きたくてうずうずしているのであった。


「おはよ、エトナ。今日も一緒に頑張ろうな!」

 コーザは、少しでも早くエトナの顔が見れた事を喜び、更に張り切りだす。

 エトナも嬉しそうな表情をして、コーザと肩を並べて一緒に食材の仕込みを開始する。

 それを見ていたシエナとガストンは、心の中で「うんうん、青春してますねぇ」と呟くのであった。



「ロベルトさん。お待たせしました」

 シエナは、受付でメリッサと雑談をしながら待っていたロベルトに話しかける。

 雑談の内容は、今現在、テミンでおそらく一番話題となっている「台風の間、何してた?」である。


 メリッサとリアラは、自宅通いな為、台風の間は出勤できずにずっと休みであった。

 そして、当然出かけられないので、自宅で暇を持て余していたはずである。宿屋シエナに住み込んでいる皆ですら、暇をしていたのだから。


「お!よし、行くか」

 ロベルトも、久しぶりの力仕事ができる機会であり、張り切っている。

 宿屋内の基本業務はある程度はこなす事は出来るのだが、他の者達がそれぞれの分野において優秀すぎる為、ロベルトは主に力仕事がメインの雑用担当となっている。


 ただ、雑用と言うのは、それだけ色々な事をある程度こなせられる人物でないと役に立たない。

 逆に、器用に色々な事をこなせられる人物は、かなり役に立つという事であり、ロベルトは後者である。


 肝心のロベルトが、1つの分野において優秀すぎる皆の足を引っ張ってしまっていると、少し後ろ向きな感情を持ってしまっている為、「自分は役に立ててなく唯一役に立てるのは力仕事だけだ」と、勘違いをしているが、実際には力仕事を含めると、実はエルクよりも役に立っている人物なのであった。


 エルクも、調理以外の全ての業務に携わっているが、総支配人としての仕事は主に事務作業である。

 日々の売り上げを管理し、食材の在庫や消耗品の在庫、それらにどのくらい費用を使用したかを毎日確認しなければならない。

 なので、手伝える事はほんの少しの事であり、エルクは短剣を使った護身術を習った程度の、あまり力の強くない貴族であった為、本当になんでも器用にこなせるロベルトの方が、実は優秀なのである。

 ただ、残念な事に、ロベルトは観察眼は優れていても、頭はそこまで良くないのであった。

 ちなみに、エルクが済ませた事務作業の書類を最終確認するのが、経営者であるシエナの本当の仕事である。


「ロベルトさん、頑張ってくださいね。また後でお話ししましょう」

 メリッサは微笑んでロベルトを応援する。

 ロベルトも笑顔でメリッサに「じゃあ、また後で」と返し、シエナと共に宿屋を出る。



 食材の買い出しでは、やはり台風が通り過ぎたばかりであり、宿屋シエナ近くの小さな商店街にはあまり食材の在庫は残っていなかった。仕入れも少し遅くなってしまうだろう。

 ここで宿屋シエナが残りを買い占めてしまうと、近隣の住民が食材が買えずに困る事になってしまう。なので、シエナは三番街区の商店街では何も買わない事にした。

「ごめんなさい、二番街区まで行きましょう」

 シエナの言葉にロベルトは頷き、2人は二番街区へと足を運ぶ。


 二番街区でも、同様な事は発生していたが、三番街区の商店街に比べると軽度の物であり、ある程度大量購入しても問題のない程であった。

 それでも、迷惑にならない程度の量に抑え、他の食堂が食材の仕入れが出来なくて困る、と言った事がないように配慮をするシエナ。

 世の中は競争社会であるのに、何とも甘い考えである。


 とは言っても、宿屋シエナはそこまで食材に困っている訳ではない。

 冷蔵庫のおかげでかなりの食材が日持ちするようになったので、他の食堂と違って食材が全くないという訳ではないのであった。

 今回仕入れをするのは、あくまでも足りそうにない食材の補充である。


 一番在庫が足りそうにないじゃがいもも、やたらとじゃがいも料理が注文されない限りは底をつく事はない。

 下手に大量に入れると、今度は余りに余ってしまう可能性だってあるのだ。


「ふむ、じゃがいもだけはガストンさんの見積もりを信じますか」

 普段の買い出しと違い、台風一過時はどのようになるかが予測もつかない為、シエナは自分よりもこの世界の人生経験豊富なガストンの見積もりを信じ、その分のじゃがいもの在庫を揃える事にする。

 他の食材は、ガストンの見積もりよりも少なめにしていた。



「もうちょい多くても、俺は全然平気ですけど?」

 それなりの量の食材を入れた木箱を抱えたロベルトは、それでも全然余裕そうにしていた。

 縦と横と高さの合計が140センチ程ある、重量が中身を併せて25キログラム程の木箱。成人男性であるならば、普通に持ちあげる事のできる重量ではあるが、それを持って30分近く歩くとなるとそれなりにきつい重量ではある。

 それでも、ロベルトにとってはそれは苦でもなんでもなく、文字通り軽い物であった。


「いえ、在庫はそれだけあるのでしたら、無理に揃えなくても大丈夫です。余らせる方が問題になってしまうので」

 シエナは、ロベルトにそう説明をして納得させる。

 ロベルトは力仕事だけが自分の取柄だと思っている為、それすらない時は落ち込んでしまいやすいのである。なので、フォローは大事なのであった。


「さ、帰りましょうか」

 必要な物は全て買い揃えたので、シエナとロベルトは宿へと帰るのであった。



「では、俺はガストンさんにこれを渡してきます」

 宿に戻ると、ロベルトは木箱をガストンへ届ける為に厨房へと向かう。

「私はどうしようかな?エルクさんはどこにいるんだろう…?」

 手の空いたシエナは、時間的に手伝える人がシャルロットの掃除かエルクの手伝いしかなくなってしまう。

 ひとまずエルクの姿を探し、場合によってはシャルロットを手伝おう。そう考えたシエナはエルクを探して宿屋内を探索し始めた。


「あ、いました。エルクさん、何か手伝える事はありますか?」

 2階の客室のドアが1部屋だけ空きっぱなしになっていた為、そこを覗き込んだシエナは、そこでエルクの姿を発見する。

「いえ、特にはございません。台風の間で私の仕事は全部片づけてましたので、今はそれぞれの客室の消耗品のチェックをしているところです」

 台風による湿気の影響で消耗品にカビが生えてたりしないかのチェックをしていて、今のところ全ての部屋に異常は見られないとの事。エルクは、この後はメリッサと交代をして、セリーヌが来るまで受付業務をする予定だと語った。


「ん~…やっぱりこの時間帯は私にできる事って少ないなぁ…」

 シエナがそう呟くと、エルクは苦笑しながら答える。

「シエナさんは経営者なのですから、無理に手伝わなくても大丈夫ですよ。明日からヴィッツに向かわれるのでしょ?準備は大丈夫なのですか?」


 その点は抜かりなかった。

 ヴィッツへ行くと決めた次の日から、シエナは大型のクーラーボックスを作成していて、既に完成させている。その中に海産物を入れて持ち帰る気満々なのである。

 他の準備もきちんと終わらせていて、完成させていたのに未だに未使用であったリアカーに全ての荷物を積み込んで、準備万端であった。


「準備はばっちりです!」

 そう言って、シエナはブイサインをする。

「では、そろそろお昼ですし、ルクス様達も来られるのですよね?上でアンリエットが昼食を作ってる頃だと思いますよ」

 エルクがそう言った瞬間、シエナのお腹がきゅ~…っと可愛く鳴った。

 シエナは「えへへ」と照れながら笑い、お腹を擦る。


「じゃあ、私は上に行ってきますね」

「はい、私はセリーヌが降りてきましたら交代して昼食にします」

 そうして、シエナは共有部屋へと戻る。


 共有部屋では、アンリエットが皆の分の昼食を作っているところであった。

 他にいるのはアルバだけであり、セリーヌとミリアの姿が見当たらなかった。


「2人は?」

「今は自分の部屋です。もうそろそろ来るのでは?」

 丁度その時、セリーヌとミリアが共有部屋へと入ってきた。


「あ、良い匂い」

 アンリエットが作っている昼食のラーメンの匂いを嗅ぎ、思わずそう口出すミリア。

 ちなみに、ラーメンの種類は醤油ラーメンとなっていて、シエナは本当はとんこつラーメンを作りたいと思っている。

 しかし、この世界に豚が存在していなく、豚の代わりのオークは骨を煮込むと物凄い異臭を放つので、とんこつラーメンは断念せざるを得なかったのだった。


(皆が味噌を受け入れてくれたら、味噌ラーメンも作るのになぁ…)

 そんな事を考えながら、シエナはアンリエットの手伝いをする。

 とは言っても、薬味はアンリエットが既に切り終えていて、後は麺を茹でるだけなので、手伝える事は器を出す事くらいであった。


 そんな時、共有部屋のドアをノックする音が聞こえてくる。

「はーい。どうぞー」

 宿屋シエナの従業員は共有部屋に入る時にノックはしない。そして、通常の客は3階には基本的に来る事はない。

 なので、ノックした相手は必然的にわかるのであった。


「いらっしゃいませ。今、昼食ができるところなので、良かったら食べていってください」

 共有部屋に入ってきたのはルクス達であった。

 明日のヴィッツへの出立の為の最後の打ち合わせに来たのである。


「ありがとう。良い匂いだな」

 醤油ラーメンのスープの香ばしい匂いに、思わずルクスはごくりと喉を鳴らす。

 そして麺が茹で上がる頃には、ロベルト、ガストン、コーザ、エトナが戻ってきて、その少し後にメリッサがやってきた。

「シャルロットはもう少しだけ掃除をしてから来るそうです」

 メリッサが伝言を伝えると、シエナは「じゃあ先に食べましょうか」と言って、食卓に着く。


「いただきます」

 合掌をしてそう呟くと、シエナはレンゲを使ってまずは一口スープを飲み、箸で麺を掴んで啜り始める。

 そして、やはりと言うか、皆はフォークであった。


 ほんの少しの量を食べたシエナは、思い出したかのように調味料を置いてる場所へと向かい、そこからある調味料を持ってくる。

 そして、その調味料をほんの数滴ラーメンに垂らすと、途端に何とも言えない香ばしい香りが部屋の中に充満した。


「なんだ?この匂い。かなり香ばしい匂いだな」

 シエナの様子を見ながらラーメンを食べていたルクスは思わず言葉を漏らす。

「ごま油ですです」

 何故か語尾を繰り返すシエナの手には、茶色の液体が入った瓶が握られている。


「使ってみます?ほんの数滴だけで風味がかなり変わりますよ」

 そう言って、シエナはルクスにごま油を手渡す。

 ルクスはシエナに倣って、ほんの数滴のごま油をラーメンに垂らし、ちょっとだけ混ぜてからスープを一口含んだ。

「ん!たったこれだけで風味が全然違う!さっきまでも美味しかったけど、これはこれで美味い!」


 ルクスの反応に、ティレルとケイトも思わずごま油に手を伸ばす。

 そして、同じように風味がガラリと変わった事を驚いていた。


「これどうやって作るの?この料理以外にも使える?」

 ごま油を気に入ったらしいケイトは、作り方をシエナに訊ねる。

「簡単ですです。焙煎(ばいせん)したごまを圧搾(あっさく)して、ろ過して熟成させるだけですです。炒め物を作る時に油の代わりに使うと、通常の炒め物と違って香ばしいのができるのですです」

 まるでどこぞの(いのしし)の神様のように、シエナはごま油の素晴らしさを語りだす。


「で、その語尾は何なんだ?」

 誰もがツッコミたかったけど、言えなかった事をルクスがツッコんだ。

(さすが王子!私達に言えない事を平然と言ってのける!そこに痺れる憧れる!)

 共有部屋にいた全員が、ルクスをある意味尊敬の眼差しで見つめた。


「いえ、ごま油を語るのでしたらこの語尾でないと」

 そんなルールはどの世界にも存在しない。しかも、シエナの見た目はどちらかと言えば、亥の方よりも、(ねこ)の方に似ているのである。



 その後、皆は昼食を食べて少し休憩をし、シエナとルクス達は明日の出立の打ち合わせをし、セリーヌは受付業務へと向かう。

 シャルロットとエルクがほぼ同時に戻ってきて、2人が昼食を食べ始める頃、ガストン達料理人は残りの食材の仕込みの為に厨房へと向かった。


「それでは、今日はもう帰りますね」

 それからしばらく経ってからメリッサが立ち上がり、皆に挨拶をしてから自宅へと帰る。

 入れ替わるように、同じく自宅通いのリアラがやってきて、「おはようございます」と挨拶をしてから、まかないの昼食を食べ始めた。


「皆、台風の間は何をしてました?」

 ラーメンを食べながら、リアラはその場に残っている全員に質問をし、何故、この部屋にルクス達がいるのだろうかと少しだけ疑問を持った。


「全員暇してたよ。3日目にシエナがルクス様達をこの部屋に招いてからは、それなりに楽しく過ごせたけど…やっぱり仕事してないと、時間の経ちが遅いよね」

 なんというか、皆、仕事中毒(ワーカーホリック)なのであった。


 シエナは、明日の打ち合わせをしながらその会話を聞いていて、何か良い暇つぶしの遊び道具でも作らないとなぁ…、と考える。

 厚手の紙に、絵柄を描いてトランプだったり別のカードゲームだったりを作れば、それなりに暇は潰せるだろう。


 特に、トランプは色んなルールで遊ぶ事ができるので、作っても損は絶対にない。

 その他にも、ボードゲームを作るのが良いだろうとシエナは考えた。


 将棋と囲碁はある程度ルールを知ってるのだが、詳しいルールは知らない。

 チェスに関しては全くルールを知らない。せいぜい駒の名前を覚えてる程度である。

(と、なるとやっぱりオセロかな。作るのも簡単ですし)

 シエナは打ちあわせの途中だったにも関わらず、その事をメモしようとしてメモ帳を取り出してメモをし始め、メモに書かれていた「刀の名前」という文字を見て「あ、忘れてた…」とつい呟くのであった。



 それからルクス達は、馬車を準備する為に領主館へと戻り、シエナはリアラと一緒に食堂の営業準備を始める。

 リアラも久しぶりの仕事に張り切っていて、シエナが「途中でバテないようにね」と笑うほど機敏に動いていた。


 大浴場も、久しぶりにお風呂に入れると考えたのか、大勢の女性客が営業開始前から並んでいて大行列となっていた。

 セリーヌとエルクとで大浴場の利用客を捌いていき、食堂の営業開始前になると、ミリアとシャルロットが応援に駆けつけてきた。

 この日は、忙しくなりそうである。


「じゃあ、食堂の営業を開始しますね」

 リアラとミリアがそれぞれの出入り口のドアを開けると、まるで待ってましたと言わんばかりに大勢の街の住人や冒険者が訪れ、次々と料理を注文していく。


 目の回るような忙しさとなっていたが、やる気で満ち溢れているシエナ達は、皆笑顔で接客をし、それらを苦ともせずに捌いていき、通り過ぎたばかりの台風が、まるで客として戻ってきたかのような1日を過ごすのであった。

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