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アリエル、喜ぶ

なかなか評価とかつかないですね……読みにくいのをどうやって改善するか悩んでます。

それから、2週間後のことだった。毎日たくさんのダークウルフと戦っていると、僕の見回りに変化が起きた。

街で僕を見た人がヒソヒソと話しをするようになってきたのだ。

「あの、エフィーさん、私何か悪いことしましたかね……?」

僕は自分の担当受付についてくれたお姉さん、もといエフィーさんに話しかけた。

彼女は、僕がこの街で初めてダークウルフを倒した後、直後に名前を教えてくれたのだ。それから僕とエフィーさんはすぐに仲良くなって、僕が受付によるたびに世間話をするお友達になっていた。

「違うと思うよ。アリエルちゃんは活躍が目覚ましいから、強い事で噂になってるんだ思う。最近、A級冒険者に飛び級で昇格するって話が出てるくらいだから」

「ええっ!!もうA級に昇格できるかもしれないんですか?!」

A級冒険者と言えば、街どころか、主要な都市なら誰でも知っているくらいに有名な人達だ。

それ故に、まだ冒険者として駆け出しの僕がA級になれるかもしれない、というのは普通では考えられない事だった。

この階級には、強さを表す意味がある。下はD級から始まり、C級、B級、A級、S級、そしてその頂点にレジェンドの名を持つL級がある。

S級になると王国中にその存在が知れ渡っており、L級ともなると、国を超えて活動していて、世界中にその存在を知らしめている。生きた伝説、と言われているほどだ。

そして、この階級は魔物も同様で、人間と魔物との階級が同じなら、その人間と魔物は大体互角と言えるらしい。

そうする事で、この魔物は強い、とか、この魔物なら勝てる、と言うことが依頼だけでわかるようになるからだ。

「私、まだD級なんですけど……いいんですかね?」

「あはは、アリエルちゃんがD級なのはギルドの形式上、すぐには階級を上げられないからだよ。今まで、アリエルちゃんみたいに最初から強い人はいなかったからね。あなたの実力は王都にいる人ならみんな知ってるわよ?ダークウルフ殺しのアリエルって通り名でね」

だ、ダークウルフ殺しのアリエル?!

なんだろう、その残酷な通り名は……可愛くない!

思わず眉をひそめた。

「あんまり可愛くない通り名ですけど、ヒソヒソと話されていたのが悪口じゃ無いようであればいいです。」

僕は安堵の息を吐いた。

「あれ?アリエルちゃん、もしかして私と話すため、その確認のためだけにここに来たの?」

何かに期待している様子のエフィーさん。なんだろう、彼女の目が凄く輝いてる気がする。

「まさか。しっかりとダークウルフは倒してますよ」

僕は背負ったカバンから地図を取り出してある一点を指した。

魔物を倒した時を見た証人がいない場合、その魔物をギルドに持っていく必要がある。が、僕の場合はその数が多すぎて運ぶ事が出来ないので、1つの場所に集めているのだ。今指示した場所が、今回ダークウルフの山ができている所だ。

「まぁ、そうよね。そうだと思ったわ」

すると、今度はすごく残念そうな顔をするエファさん。

なんか最近、毎回この質問されてる気がする。なんでそんなことを聞いてくるのかわからない。

「はぁ、私に会いに来るためだけに来てくれたら、即お持ち帰りしちゃうんだけどなぁ…………まぁ、こんな可愛い子に限ってそれは無い、か」

何か、僕に聞こえない声でボソッと呟くエファさん。

「すいません、よく聞こえませんでした。もう一度言ってもらえませんか?」

「ううん、なんでも無いの。はい、今回はこの地点ね。派遣隊を回してダークウルフを確認でき次第、いつもの報酬額を渡すわね」

「いつも、本当にありがとうございます!私としては、こうして個人依頼でダークウルフの依頼をして頂けるだけで助かってますから、報酬額はもっと下げてもらってもいいんですよ?」

僕が1人で100匹のダークウルフを蹴散らして以降、増えすぎて森の生態系を壊していたダークウルフの対処に困っていたギルドが僕個人に依頼をくれるようになったのだ。

そのおかげで、今のところはそれなりにいい宿に泊まっても、当分お金には困りそうになかった。

「やめてよ、アリエルちゃん。これ以上ダークウルフを安値で売られるとこっちの面子が立たなくなっちゃうわ。もう十分すぎるくらいアリエルちゃんには助けられてるから、もういいのよ」

「そうですか、ならありがたく頂くことにします。でも、お金に困ったら言ってくださいね?」

「ふふっ、甘く見てもらっちゃ困るわね。これでも、王都のギルドよ?お金周りはかなりいいから、万が一にも大丈夫よ。でも、気持ちだけ受け取っておくね」

そう言うと、ニコッと微笑むエフィーさん。僕の頭をよしよし、と撫でてくれる。

それが気持ちよくて、目を細めた。

やがてその手が僕の頭から離れる。

「他に何か用はある?」

エフィーさんは僕に聞いてくる。

ふと、僕は自分が女神騎士様に追われている身であることを思い出し、情報収集をすることを思いついた。

後ろに並んでいる人もいないみたいだし、ちょっとくらい私情で時間を使ってもいいよね。

「じゃあ、仕事とは関係ない話なんですけど少しだけ世間話を。そういえば、最近女神騎士様の婿候補の人の話聞きませんよね?」

あくまでもさりげなく、さりげな〜く話す。

「…………」

すると、なぜか沈黙される。

「あ、あれ?私、何か間違ってますかね?!」

もしや自分の正体がバラているのではないかと、心配になる。

まぁ、今の僕は女の子だし、万が一にも、そんなことは無いと思うんだけど。

「い、いえ、間違ってはいないわよ?確かに、最近そっちの(・・・・)アリエルちゃんの話は聞かない、うん」

僕はそう言われて、ひとまず胸をなでおろす。

よかった、僕の事はもうバレていないようだ。

でも、少し引っかかる事があるから訂正しておかないと。

「そっちの、だなんて!エフィーさん。そんな言い方だと、まるで私と噂のアリエル君が同一人物だ、って言うみたいに聞こえますよ〜!あくまでも、私は、名前と歳が一致していて、素手でダークウルフが倒せる、っていうところが一致しているだけで、女神騎士様が探してるような男の子(・・・)じゃないんですよー!」

僕は冗談めかして、自分が女神騎士様の探している男の子ではない事を伝える。

日常会話に混ぜ込んで、自分の存在を隠す、我ながらいい判断だと思う。

「ア、アリエルちゃん?それ、ほぼ自白しているようなものよ……」

目も当てられない、と言いたげに顔に手を当てるエフィーさん。

「自白って、何のことですか?」

ついさっき、僕が女神騎士様の探し人じゃない事は伝えたから、自白するような事はないと思うんだけど……

キョトンとする僕を見て、これはダメね、と言いたげな顔のエフィーさん。

「アリエルちゃん以外は、みんな気づいてるんだけど……まぁいいわ、私はアリエルちゃんが幸せならそれでいいから」

「え??ますます話がわからないですよ、エフィーさん」

僕の幸せって、急に何の話だろう。

「まぁいいわ、気にしないで。そこまで大したことじゃないから」

笑顔で言うエフィーさん。彼女がそう言うなら、きっとそうなのだろう。

「そうですか、なら気にしないことにします。」

僕も笑顔を返した。

「では、これでギルドに用はなくなったので私は帰りますね。さようなら、エフィーさん!」

「あ、もう帰っちゃうの?」

「あれ、まだ何かありました?」

すごく寂しそうな顔をされる。どうしてそんな顔をするんだろうか?

エフィーさんの思考は相変わらず読めない。

「いえ、特には何も無いけど……って、あれ?何かを忘れているような」

するとここで、いきなり頭に手を当てて悩み出すエファさん。

「どうかしました?」

「いえ、何か、すごく、すごく大事な事をアリエルちゃんに伝え忘れているような……」

「えっ?!教えてください!」

「ちょっと待ってね………」

そのまま、しばらく悶々と悩み続けるエファさん。

3分ほど悩んだ後、大きく目を見開いて、こう言った。

「そうだっ、女神騎士様が、アリエルちゃんの事呼んでたんだった!!」

「………………え?」

エフィーさんの口から言われた事は、とても衝撃的なものだった。

僕の頭の中に稲妻が走るのを感じて、しばらく思考が回らなかった。

「ごめんね、アリエルちゃんと話してると、私楽しくなっちゃって……すっかり忘れてた!」

両手を合わせて謝ってくるエフィーさん。

僕の頭の中の思考が止まる。

「……ですか?」

「え?」

「それ、本当なんですかっ?!」

僕は思いっきり受付の机に手をついて、エフィーさんに顔を近づけていた。

「ほ、本当、だけど……確か、時間ができたらすぐに女神騎士城に来て欲しいって、伝えて欲しいって言われていたらしいわ……」

エフィーさんは、僕の肩を抑えて、前のめりになった僕を抑えた。

「勇者に。勇者に、なれるかも……」

僕はだんだんとこみ上げて来た喜びに、打ち震えた。

「エフィーさん、私が呼ばれたのって、何ででしょうか?もしかして、ダークウルフを素手で倒していたことがうまく認められて、勇者になれるかもしれないんでしょうか?!」

「……そ、そうね。その可能性もあるわね」

興奮する僕を前にして、少し冷めた様子のエファさん。

「どうしよう、どうしよう!!勇者になれるかも!なれるかもしれないですっ!!」

「はいはい、わかったから、アリエルちゃんはひとまず落ち着きましょうか。」

「落ち着いてなんていられませんよ!!自分の夢が叶うかもしれないんですよ?!」

興奮して、つい声が大きくなってしまう。

「本当にそうだったら、いいんだけど……多分………」

何故か思いつめた顔をするエフィーさん。

「まぁいいわ、そんなに嬉しいなら、今から女神騎士城に行って来たら?いつでも来ていいって事みたいだし」

「あっ、そうですね!じゃあそうします!!!!」

「道は……まぁ城はどこからでも見えるから平気よね」

「はい!それじゃ、私行って来ますね」

それだけ言うと、僕は急いで女神騎士城に向かった。

エフィーさんの言う通り、どこからでもよく見える大きなお城があったので、おそらくそこが女神騎士城なんだろう。

僕は期待で胸がいっぱいだった。

城へ行くと、大きな門が僕を出迎えた。

「近くで見ると、もっと大っきいなぁ〜」

城の大きさに圧倒されて、しばらくその場に立ち尽くしていると、城の中から白髪のおじいさんが出て来た。

「アリエル様ですね?」

「あ、はい!」

「女神騎士様がお待ちです」

その佇まいから、執事なのだろうことが推測できた。

「どうぞ、こちらへ」

すると、門が大きな音を立てて開く。

僕は内股を意識してその人の後をついて行った。

城の中は意外と質素な感じで、シャンデリアが吊るされている程度で、壁や床はそこまで豪華絢爛、と言う感じではなかった。

「こちらの部屋です」

執事みたいな人が立ち止まってその先の扉を向いた。

「女神騎士様は2人だけで話したいそうですので、ここからはお一人でお向かいください」

「分かりました。案内ありがとうございました」

僕は執事のような人に一礼すると、廊下の先にある部屋に向かった。

僕はコンコンと二回ノックする。

「入って構わないわよ」

「……失礼します」

少し緊張しながら扉を開ける。

まず最初に目に入り込んで来たのは、青い空の色だった。

どうやら、この部屋はバルコニーのような作りになっているらしく、手すりの外側には王都の街並みが広がっていた。

そして、手前には白い丸机があり、ティーセットのようなものが置いてあった。

その丸机を挟んで向かい合うように並べられた二つの椅子。

一つの椅子は空けられており、もう一つの椅子の方には、髪の長い女の人が椅子に座って景色を眺めている。

「待っていたわ、アリエル・ナーキシードさん」

言いながら振り向くその人の顔は、見覚えがあった。

「………」

予想通りとはいっても、驚くものは驚く。だって、自分の助けた人が女神騎士様だったのだから。

そう、そこにはティアさんがいた。

文書くの難しいです〜!!

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