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試験直前

話しが進みませーん。進めたいのに……悔しいので、明日も頑張って更新します。

もうすぐ1日が終わる、11時過ぎ。

「う〜〜ん」

深夜、どこまでも続いていそうな大浴場の中でたった1人、僕は考えていた。

王立学園に通うかどうか。いや、正確には途中編入試験を受けるかどうかと言う話なんだけど。

お姉ちゃん曰く、僕の戦闘力をもってすれば、例え筆記が0点でも合格できるらしい。まぁ、実際0点だと合格できるかは微妙な所だと思うけど、凄く低い点数っていうくらいならまず間違いなく合格できるって事らしい。

「どうも、過大評価な気がするなぁ……」

僕は鼻のあたりまで水に浸かり、口から息を吐いてブクブクと音を立てた。

というか、そもそも僕は勇者になるために王都に来たのに、学院に通ったらその意味が無くなると思う。

でも、友達と一緒に学院で勉強する、とかもやってみたいなぁ。休日には友達と出掛けたりとか、楽しそうだなぁ。

「何か、悩んでるのか?」

声が聞こえてきた方を見ると、大浴場の入り口に、腰にタオルを巻いたアークさんがいた。

「よ、アリエル。今日は助けれくれてありがとな」

「アークさん、こんばんは。僕の方こそ、お姉ちゃんから庇ってくれたり、女子生徒の人達に囲まれた僕を助けようとしてくれて、ありがとうございました。」

「いや、気にすんなって。女子に囲まれてたのはどうにもできなかったし、あのままアリエルが来なかったら、俺は死んでただろうから、庇う程度、当たり前だって」

そう言って、笑いながら体を洗うアークさん。

なんか、アークさんの態度が凄く男らしい。かっこいいなぁ。僕も見習わないとね。

「それで、何に悩んでるんだ?俺でよければ、話聞くぜ」

「それじゃあ、お言葉に甘えて。実は……」

僕はアークさんに、学院に入るための試験を受けないのか、お姉ちゃんに聞かれている事を話した。

ついでに、勇者になろうとしている経緯とか、これまでに何があったかとかも。

「と、いうわけでA級になったんですけど。その直後にお姉ちゃんに学院に入らないか聞かれてしまって……」

「そ、そうか。事情は大体わかった。なんかこれまでの経緯についてが衝撃的すぎて、相談の方がちっぽけに思えてならないんだけど……まぁいいか」

体を洗い終え、僕の隣にやって来て湯に浸かるアークさん。

少し顔が引きつっているのは気のせいかな?

「アリエルは、学院に入ってみたいけど、そうなると勇者になるっていう夢が遠のくって思ってるから悩んでるんだろ?」

「はい。勇者になろうとしている人は沢山いますから、僕が学院に行っている間に勇者が選ばれちゃったら王都に来た意味がなくなると思うんですよね」

「ぷっ、あはははっ」

僕がそう言うと、アークさんは軽く笑った。その様子からして、僕を馬鹿にするような感じでないんだけど、なんで笑うのかわからない。

「えっ?なんで笑うんですか?!」

「いや、ごめんごめん。アリエルって、普通じゃないくらいに強いのに、そんな普通の事で悩むんだなぁって。あと、アリエルの世間知らずさがわかったからさ、つい」

世間、知らず?僕のどこが世間知らずなんだろう?確かに、田舎に住んでたけど、この2週間で大分都会慣れしたと思ったんだけどなぁ。

僕がそう思って首をかしげると、アークさんは微笑んで答えてくれる。

「実はな、俺も勇者目指してるんだよ」

「ええっ?!そうなんですか!」

驚いた。アークさんが勇者を目指している事に驚いたのもそうだけど、勇者を目指す人が学院に入っている事の方が驚きだった。

「勇者になりたいって言う俺が、なんで学院に入っているのか不思議か?」

「はい!」

「それはな、学院にいた方が勇者になれる確率が上がるからだ」

アークさんの説明によると、こう言う事だった。

王立学院では、戦闘から、座学や魔法まで、幅広く色々な事を教えてもらえるらしい。そして、それは戦闘力の向上にもつながる。放課後、つまり四時以降は基本的に自由に活動できるから、ギルドに行く事も普通にできるそうだ。

「つまり、だ。アリエルは今まで通りギルドに通える。その上、普通の勉強から、魔法に戦闘技術まで学べる。あ、アリエルなら友達もできるだろうな」

僕を見て、楽しそうに話すアークさん。

「それが、アークさんが学院に行く理由ですか?」

僕は確認するように呟いた。

「ああ!………って言っても、これ一般常識なんだけどな」

知らない方が珍しいよ、と付け足されるが、今の僕にはそんな事はどうでもよくなっていた。

友達ができるかもしれない。それも、同年代の友達が。その上、戦闘技術が教えてもらえる。魔法や座学も。勇者になるためにギルドで活動する事もできる?

そんなの、そんなの……!!

気づかないうちに、自分の口角が上がっていたらしい。

「どうしたんだよ、そんなに嬉しそうに笑ったりして」

いたずらっぽく聞いてくるアークさん。きっと、僕が何を考えているかわかって聞いているんだろう。

「今決めました。僕、学院に入ります!」

僕はその場でニコッと笑ってみせる。

「ただでさえ倍率高い学院だ。編入試験はなおさら倍率が高いぞ?」

「問題ありません。僕、強いですし。勉強は嫌いじゃないので」

お姉ちゃんは、あと1週間したら試験があるって言ってた。

時間としては心許ないけど、試験範囲は村で勉強した内容から大してズレてないだろうし。

「ま、A級のアリエルなんだ。そのままでも、合格は間違い無いと思うけどな」

アークさんがそう言うなら、お姉ちゃんが言っていた事も、たぶん家族贔屓の過大評価じゃない。

決意をした僕は、立ち上がって湯船から出た。

「もう上がるのか?」

「今からでも勉強したいので!」

「そっか、根詰めすぎずに頑張れよ」

「はい!!」

大浴場を出た直後の僕は、お姉ちゃんに王立中等学院への編入試験を受ける事を決めた事を伝えた。

お姉ちゃん曰く、試験は約7日後に迫って来ているらしい。

今日はもう遅いから、と言う事でお姉ちゃんに寝るように言われて眠りについた。

翌日の朝、僕はお姉ちゃんに試験範囲の載った本と、勉強道具を貸してもらい、あとはひたすら勉強した。もちろん、実技試験もあるので鍛錬も忘れない。

その日から、僕のスケジュールはこう。朝6時に起きてから、魔物の森へとジョギングで行き、森の中でしばらく鍛錬する。ダークウルフでは相手にならないので、1人で素振りと筋トレをひたすらやる。

7時までに寮に戻ったらば、一度大浴場に行き汗を流したら、朝食を取る。

その後は、食事する時以外はひたすら机と向かい合って勉強をする。

お姉ちゃんがやたらと僕を心配してたけど、この程度は問題ないと答えて、勉強を続けた。

そした、その生活を続ける事6日。就寝前、明かりを消して暗くなった部屋の中、ベッドの上で僕とお姉ちゃんは会話していた。

「いよいよ明日は、試験当日ね。一応聞くけど、準備は大丈夫?」

「うん。勉強は復習しかなかったし、鍛錬もしっかりしてるから大丈夫」

「鍛錬は必要ないと思うんだけど……というか、勉強が復習しかないってどれだけ村で勉強してたのよ。お姉ちゃん、こっち来てから新しい範囲多すぎて苦労したんだけど。アリエル、勉強の必要すらないと思うんだけど」

「何言ってるの、お姉ちゃん。王立中等学院は倍率高いんだから。知ってるでしょ?」

「いや、まぁそうだけどね。それをたった1週間で試験の準備を完了したって言えるアリエルは異常ね。普通は一年がかりでやるんだけど……まぁいいわ」

こんなやり取りをした後、僕は十分な睡眠を取る。

そして、試験当日。会場は当然王立中等学院。この日、中等学院はお休みらしい。

そして僕は、お姉ちゃんから借りている、筆記具が入ったケースを持って寮を出ると、辺りは人で埋め尽くされていた。

「アリエル、試験頑張ってね!」

「うん、頑張るよ」

見送りに来てくれたお姉ちゃんとも別れて、試験を受ける人向けの誘導を受ける。

「試験を受ける方は受付へどうぞ〜」

僕は声に誘導されるまま受付へと進んで行く。

すると、校舎の前に大きなテントのようなものが臨時設置されていた。

そのテントの前に試験を受ける人達が並んでいる列があるので、僕も並ぶ。

王立学院の試験は特殊だ。事前申し込み制ではない。そのため、他の学校のように、受験票を取る必要がない。

こうする事で、何人でも参加できるようになっているそうだ。

これは、王立学院の大きな校舎が成せる技だ。

試験日に筆記具と身分を証明できるものを持ってきたら、誰でも受けられるらしい。もっとも、誕生年度別制限はあるけどね。

ちなみに、身分証明書が生誕時に作られない程の田舎に住んでいたお姉ちゃんは、試験を受ける前に役所で身分証明書を発行してもらったらしい。

身分証明書は調査に魔法による基づいて行われるため、時間がかかる。一ヶ月程かかってしまい、試験3日前に発行された時はヒヤヒヤしたそうだ。

お姉ちゃんから聞いていた事を思い出していると、列が進んでいて、気がつけば僕の番がやってきていた。

「はい、次の人〜」

「あ、はい」

女の人に呼ばれたので一歩前に出て用意された机の前に出る。

その人の腕には、学院教師と書かれていた。

「お名前と、身分を証明できる物の提示をお願いします」

「アリエル・ナーキシードです」

その言葉と共に、ギルドに発行してもらったA級を証明する、銀でできたカードのようなものをとり出す。

このカードのようなものもしっかりとした調査の元に発行されているので、身分を証明する力があるそうだ。

おかげで、僕は役所で身分証明書を発行してもらわなくても良かった。

これからはこれを見せれば身分証明ができるから、便利だよね。

と、僕が呑気に考えていた時。

「うわぁぁぁぁあっ!!!」

突然目の前にいる学院の先生が叫んだ。

「えっ、えええ、A級ぅう?!」

そのあまりの声の大きさに、僕は仰け反り、周りの人も驚いている様子だ。

すると、その教師の人は軽く僕を睨みつける感じで見てくる。

「このギルドガードは、偽造ですか?!」

「えぇっ!?」

どうやら、このカードのようなものはギルドカードと言うらしい。

へぇ、初めて知ったなぁ。

いや、もちろんそんな事に驚いたわけじゃないんだけど。僕が驚いたのは、この身分証明ができるギルドカードを偽物と言われた事。

身分証明として見せてるのに、まさか偽物と呼ばれるとは思わなかったよ……

「偽物じゃないですよ!本物ですよ!!」

「では、あなたは自分がA級のギルドハンターだと?」

じいっと僕を睨みつける女の人。なんで初対面の人に睨まれてるの、僕?

周囲の人の注目が僕に集まってきて、治ってきていた人見知りが出てきて、徐々にその場から逃げ出したくなって来る。

「そう、ですけど……」

「いいですか、A級ギルドハンターなんてそうそうはいませんよ?しかも、13歳で!そんなの、今王都で噂の超絶美少女の女の子くらいなものですよ。もっとも、その噂も審議は定かではないですがね」

王都で噂になっている女の子、それはつまり僕の事だろう。超絶美少女、と言うところに関しては褒め言葉として受け取っておこう。

「えっと、それ多分僕なんですけど……」

僕は自分でもわかるほどに弱々しく喋った。

「何言ってるんですか?確かに、あなたの見た目は超絶可愛いい女の子ですが、ショートカットですよね?その噂の子は長髪なのだです。そもそも、この偽造ギルドカードには男、と記されているじゃないですか!なのになんで噂の女の子が自分と言えるんですか!!」

うぅ、どうしよう。この先生、本当に噂の事あんまり知らないんだ。エフィーさんは、僕が本当は男だって事とか、諸々の事情とかの色んなことは王都で有名って言ってたのに。

あっでも。そう言えば、お姉ちゃんが学院の生徒は噂に鈍いって言ってた気がする。もしかしたら、この先生もそうなのかも。

ここで門前払いを食らうと、試験すら受けられない……それは何としても避けなくちゃ!!

「あ、あのそれには事情がありまして。実は、逆転の腕時計と言うものがありまして」

仕方がないので、僕はこの場で逆転の腕時計の説明をする事にした。

「はい?逆転の腕時計?それは一代前の女神騎士様の所有物だったはずですが。確かに、それがあれば今までの話に筋は通りますが。いくら女神騎士様の遊びで作られた物だとはいえ、そんな大層なものを子供が持っているはず……」

「ええっ?!これ、女神騎士様の所有物だったんですか!!………僕、おばあちゃんにもらっただけで。詳しい事はわかんないんですけど、一応これが、逆転の腕時計です」

僕は腕につけた腕時計を見せた。

女神騎士様の所有物だったって、初めて聞いたんだけどな……おばあちゃん、どうやって手に入れたんだろう?

僕はこの人が逆転の腕時計の事を知ってくれていて、助かったと思い、安心する。

知ってるなら、これを見れば本物だってわかるもんね。

「太陽の面が描かれた面に、裏返るような機構。まさか、いえ。これは、レプリカですね?そうなんですね?!」

「ええっ、レプリカじゃないですけど?!」

うぅ。この人、何が何でも僕を試験に向かわせたくないのかなぁ……

「じゃあ、裏返してみて下さい。そうすれば、審議がわかるはずです」

「で、でも!今は女の子用の服じゃないですし」

「出来ないんですね?」

女の先生は大きなため息をつく。そんな事だと思った、と聞こえてきそうだ。

あぁ、もう……どうせなら着飾りたいとか、そんな事を言っている余裕はないので見たいだね。幸い、今はこの前に誕生日プレゼントで貰った服を着てるから女の子モードでも不自然にはならないし。

「分かりましたっ、やりますよ!やれば試験を受けさせてもらえるんですよね?!」

「はい。もしもできるのなら、ですが。」

僕は半ば自棄気味に腕時計の太陽が描かれた面を裏返して、月が描かれた面を面にする。瞬間、辺りが光に包まれる。

そして、僕の身体が女の子へと変わる。

「ま、まさか……本当に?!」

「そうです、これで信じて頂けましたか?」

サラッと、長く伸びた髪を指ですいてみせる。

そして、くるっとその場で一回転して身体が女の子になっている事を示す。

「そ、そんな、まさか本当に?こんな小さな子がA級で、逆転の腕時計を所持している……?」

はぁ、やっと信じてもらえたぁ。

もう、なんで公衆の面前で女の子モードに変わらなくちゃいけないのかなぁ。

僕は呆れ気味に周りを見渡すと、いろんな人が口をあんぐりと開いて、僕を見ていた。

うう、視線は苦手なんだけどなぁ。

「あの子、すごく可愛い。なのに、A級?嘘でしょ?」

「やばい、何あの子?可愛いすぎる!」

「この試験に来てよかったぜあんな可愛い子に出会えるなんてなぁ」

周りからは、ざわざわと声が聞こえてくる。

……まぁ視線も悪くないかもしれないけど。

僕は改めて女の先生を見つめた。すると、その先生は少し考える素振りしてから、こう言った。

「魔法を、使ってるんですよね?この場にいる誰か、外の大人とかに魔法をかけて貰ってるんですよね?」

「なっ……!!」

そんな、嘘でしょ?ここまでして?ここまでしてダメなの?良い加減、信じてくれても良いと思うんだけど……

これじゃあ、目の前でダークウルフ倒したりしない限り信じてくれない気がする。

「ほら、そうなんですよね?」

一体どうしたら、どうしたら良いんだろう?何をしたらこの先生は僕を信じてくれるのかな?

出る言葉もなく、僕は呆然と立ち尽くした。

「あなたみたいな子がA級なわけないんだから、嘘はよくないと思いまふべらっ?!」

その時、その先生の頭に鋭い拳骨が落ちた。

「騒ぎができているから来てみれば、何をやっているんですか?……レールズ先生に害意が無いのは分かっていますが、天然もその辺にしてもらえませんか?私の弟が困ってますから」

そこに立っていたのは、女の子モードの僕に良く似ている、美しい少女。

よく知っている、僕が困ると、いつも助けに来てくれる人。

「お姉ちゃん!!」

「アリエル、遅くなってごめんね。人を掻き分けるのが大変で」

「ナ、ナーキシードさん?なんでここに……ていうか、先生の頭になんの躊躇いもなく拳骨落とさないで下さい!」

お姉ちゃんに抗議する女の先生。

が、お姉ちゃんは全く悪びれていない。それどころか、呆れた表情で先生を見ている。

「先生、13歳の少年がA級のギルドハンターだというのが疑わしいのは分かります。しかし、これだけの証拠を見せられて納得しないのはどうかと思います」

「でも、王都中で噂の子が、こんなところにいるなんて、そんな滅多な事がるわけないと思うんです!」

「事実、ここにその噂の子がいるんです。諦めて下さい」

お姉ちゃんは先生と会話している。どうやら、この人を説得しに来てくれたようだ。

「で、でも!明確な証拠が」

「散々目の前で見せて来たのでは?」

「で、でも、やっぱり13歳でA級のギルドハンターなんて」

何を言っても通じない先生に対して、お姉ちゃんは大きなため息をついた。

「アリエルは私の弟ですよ。レールズ先生」

「……………………………え?」

直後、僕とお姉ちゃんを見比べる先生。

どうせ見比べるなら男姿の方がいいと思い、僕は腕時計を裏返して男に戻る。

「アリエル、私が姉だって伝えようと思わなかったの?」

「ええと。論点が僕が噂の少女がどうかってところだったから、その手は考えつかなかったよ」

「やっぱり、アリエルって少し抜けてるわね」

僕とお姉ちゃんが会話していると、女の先生が小刻みに震えだした。

「あ、あぁっ……ナーキシードさんの、弟?!」

そして、僕の渡したギルドカードを見てナーキシードという家名を確認した女の先生は、一気に顔を青くしていく。

「ごめんなさいっ!!!」

地面に頭が付くんじゃないかというくらい頭を下げる女の先生。

「いえ、気にしないで下さい。先生に悪気はないみたいですし」

というか、在校生のお姉ちゃんがいるって言えば、疑り深いこの先生も全部納得したんだ……さすがお姉ちゃん、先生にも信用されてるなぁ。凄いや。

お姉ちゃん曰くこの女の人、エスプリ・レールズ先生は、ちょっと天然が入った、とても真面目な人なのだが、その天然さと、真面目過ぎる性格ゆえにミスをしたり、偶然を信じなかったりするらしい。今回もその性格のせいで偶然を信じられなかったんだとか。

丸縁の眼鏡を掛けて、後ろで髪を束ねたポニーテールスタイルの、なんだか憎めない感じの人だ。お姉ちゃんも気安く話掛けてた感じだし、きっと生徒からも人気がある人なんだろう。

「どうぞ、これが受験番号です。無くさないで下さいね」

「はい」

こうして、少しの災難に遭いながらも、僕は受験票を持って筆記試験の会場へと足を運ぶ事が出来たのだった。

次回は試験の内容に移ります。やっとの事で学園モノが描けますね。今後も気ままに更新していきますので、評価・ブックマーク等よろしくお願いします。

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