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第二十三章 ケンク同盟

禁断の森の低空に月が浮かび、その淡い光が幽霊のようなリボンのように樹冠を透かして差し込んでいた。ケンク族の領地の中心部で、隠された村が静かに動き出していた。


カラスの民であるケンク族は、地面すれすれの低さに住居を築いていた。暗い木と編んだ葦で造られた家は、影に溶け込むように形作られている。ほんの数歩離れた場所からでも、通りかかる森の獣は、この村を手つかずの野生のままの場所と間違えるだろう。


中央の小屋の中では、張り詰めた予感の空気が重く垂れ込めていた。


ケンクの首長タロンは葦のマットに胡坐をかき、薄暗い火の光が彼の鋭い黒曜石の瞳を照らしながら、使い古された巻物のページを追っていた。


その装いは質素だが機能的――体にフィットした魚の皮と硬化させた革を、腱の紐できつく縛り上げた。余分な縁も、光る部分も、引っかかるものも一切ない。一着一着が静寂と速度のために作られており、影や沼地に跡形もなく消え去る者の装いだった。


扉のカーテンが一度さっと揺れた――そしてルークが入ってきた…


深い不安を物語る落ち着きのない動きで。心配そうな表情の若いケンクで、羽根には埃が付き、隅々まで目を走らせてから、低く切迫した囁きで父に話しかけた。


「父上、これはおやめください」ルークは心配そうに懇願する。「考え直してください。近くの人間の地域に助けを求めましょう。きっと彼らは喜んで協力してくれるはずです」


タロンは息子を見つめ、眼差しを和らげたが、決意は揺るがなかった。「落ち着け、ルーク」低く安定した、かすれた声で言う。「ここには他に選択肢はない。さもなくば我々の民は生き延びられない」


ルークの羽が焦燥で震えた。


「だが父上、彼らと手を組むとは?ラミアの女王とハーピーの王だと?彼らは…気まぐれな連中だ!どうして信用できる?」


タロンはため息をついた。決断の重みが彼を押しつぶしそうだった。「信用などしている場合ではない、ルーク――生き延びる必要性だけがあるのだ」 大災害が迫っている。我々の民は単独で立ち向かう力を持たない。我々は追い詰められている」


「別の方法があるはずだ」ルークは声を少し強めて主張する。「我々は常に自力で生き延びてきた。常に道を見つけてきた」


タロンの視線は遠くへ向けられ、その年齢を裏切るような倦怠感に満ちていた。

「世界は変わりつつある、ルーク。

古いやり方ではもう通用しない。

人間たち…お前は人間の本性を理解していない、我が子よ」タロンは苦々しげな口調で付け加えた。


「彼らは、お前が見ているような存在ではない。我々を対等とは見なしておらず、見返りを求めずに援助を差し伸べることもない…我々が与える余裕のない代償を」


ルークは拳を握りしめ、苛立ちを露わにした。

「だから我々は気まぐれな者たちに魂を売るのか?それが君の計画か?自由を一時的な猶予と引き換えに?」


タロンは立ち上がり、声を固くした。「選択の問題ではない。必要に迫られているのだ。我々の生存を確保するために必要なことは何でもする」

「我々の名誉は?伝統は?」ルークが問い詰める。その声には必死の嘆願が込められていた。


タロンは背を向け、苦痛に歪んだ顔で言った。「滅びゆく民にとって、名誉も伝統も取るに足らぬものだ、ルーク。この重荷は私が背負う。お前が背負わなくていいように」


重い沈黙が二人の間に降り注ぎ、


暖炉の火のパチパチという音だけがそれを破った。


「ラミアの女王とハーピーの王が向かっている」タロンはついに諦めの混じった声で言った。「間もなく到着する。この同盟こそ…我々の進むべき唯一の道だ」


ルークは小屋から飛び出した。外では三人のケンクが月明かりの下で待機していた――鋭い目つきの雌スクリー、そしてクラクとラピ。彼らはルークの信頼する部下であり友人だ。


だが彼らだけではなかった。開けた場所の周囲には、他のケンクたちが静かに集まっていた。戦士、偵察兵、長老たちが、松明の灯る小道近くに緊張した輪を形成している。槍は地面に突き立てられ、警戒する眼差しは暗い樹林帯に向けられ、異例の客人の到着を待っていた。これは単なる会合ではない――生存をかけた評議会だった。


スクリーが前に進み出た。彼女の声は静かな支えとなった。

「ルーク…一人で背負わないで。お父様の決断が何であれ、我々は君と共に立つ」


クラクが鋭く頷いた。「スクリーの言う通りだ。君に味方がいないわけではない」


ラピはくちばしを短く、力強くカチッと鳴らした。「我々はこれまで幾多の苦難を乗り越えてきた。今回も共に道を見出そう」


ルークの羽が微かに逆立った――怒りではなく、押し寄せる重圧を振り払おうとするかのように。


彼らが話す間にも、村に影が走り抜けた――月明かりに浮かぶ長く、揺らめく形。


上空から翼が夜空を切り裂いた。ハーピーの王、エアロンが群れの先頭に立って降下してきた。彼らは風と羽根の嵐と共に着地した。上半身は人間の形を留めつつも戦いで鍛え抜かれ、下半身は力強い鷲の爪へと続いていた。一挙手一投足に捕食者の優雅さと正確さが宿っていた。


その瞬間、森の縁がざわめいた。暗がりの下草から第二の集団が現れ、空気を重くするほどの静寂を伴って滑るように進んだ。先頭にはラミアの女王レシアがいた――上半身は人間に似ているが、下半身は蛇のように長く鱗に覆われている。目を閉じたままのその姿は、静謐な神秘を漂わせていた。


タロンは小屋から一歩踏み出した。表情は平静を装い——顔には外交の仮面が刻まれていた。到着した指導者たちに向かい、彼は落ち着いた声で語りかけた。


「エアロン王、レシア女王」敬意を込めた声で言った。「ご招待にお応えいただき感謝申し上げます」


エアロンは頷いて応えた。松明の光に鋭い目がきらめく。


レシアも同様に礼を返し、短い網目のかぶとを深くかぶり、穏やかな表情を保っていた。


タロンは入り口で炎が揺らめく最も大きな小屋を指さした。「どうぞ。中へお入りください。話し合うべきことが山ほどあります」


ラミアの女王とハーピーの王は、等しく抑制の効いた礼儀正しさで招待を受け入れた。二人が中へ入り席に着くと、タロンは即座にそれを感じ取った――彼らの存在を。それは重く垂れ込めた霧のように空気を圧迫し、ほぼ物理的な力として部屋全体に張り詰めていた。膨大でかろうじて封じ込められた力が、沈黙の下で第二の鼓動のように脈打っていた。


威圧的な体躯と鋭い眼差しを持つエアロンは、特に威圧的だった。タロンは微かな圧迫感を感じた。意図的な支配力の誇示だ。


対照的に、レシアは落ち着いた静けさの中に座っていた。


彼女の声は滑らかで穏やかだった。


「エアロン」彼女は目を閉じたまま言った。「もう十分よ。私たちは彼らの力を感じている――彼らも私たちの力を感じている。見せびらかすためにここに来たのではない」


エアロンの姿勢は緩んだが、その視線に宿る鋭い刃は残っていた。「失礼した」彼の声は低く唸るように響いた。「単なる…潜在的な同盟者の力量を測っていたまでだ」


エアロンの右には、最も信頼する戦士、ストライフという名のハーピーが立っていた。羽はつややかで目は鋭く、警戒心の化身そのものだった。レシアの左には、娘であり後継者であるラミアのセラフィナが、静かな威厳を帯びて佇んでいた。


タロンが同盟の条件を説明し始めたその時、戸口から声が割り込んだ。


「お前の助けなど必要ない」ルークが前に進み出て宣言した。


その声には生々しい反抗が響き、視線は集まった支配者たちに向けられていた。


「我々は自力で戦える」


彼は父を一瞥し、再びエアロンとレシアを見た。その瞳には疑念がちらついた。


「お前のことは知らない。信用もできない。お前の意図が…誠実だとどうして確信できよう?」


タロンが前に進み出て、息子の肩に手を置いた。


「この愚かな息子の軽率をお許しください」と彼は謝罪の言葉を口にした。


しかしエアロンは手を挙げた。いや、


「彼の言うことは真実だ」


その声は冷静で理性的だった。

「我々は互いを真に理解していない。信頼は軽々しく与えられるものではない──与えるべきでもない。だがもはや選択の余地はない。必然に縛られているのだ」


彼はルークに向き直った。


「子よ、警戒するのは正しい。信じるか信じないかは君の選択だ。だが我々は皆、部族の存続のためにここにいる。この災厄を単独で乗り切れるはずがない」


レシアは頷いた。


「その通り。教えてくれ――我々に立ち向かう軍勢の規模を把握しているか?」


タロンが落ち着いた声で答えた。


「偵察隊の報告によれば、敵兵力は約五千と推計している。強固な同盟、慎重な戦略、周到な準備があれば、壊滅的な損失を被ることなく勝利を収められる」


レシアの口調が暗くなった。


「ならば見誤っている、ケンク族長。お前の情報は古すぎる」


彼女は間を置き、声を鋭くした。


「エルフの村が陥落する前なら、おそらく五千だった。それ以来、彼らの勢力は増している。我々の推計では、その戦力は一万八千——あるいはそれ以上だ」


タロンの顔から血の気が引いた。「一万八千?」その声はかすれ、その数字は口にするのもはばかられるほど膨大だった。

「そんな大軍を……どうやって打ち倒せというのだ?同盟を結んだとしても……到底無理だろう」


ルークの羽が逆立つ。かすれた声で呟く。「つまり……我々は終わりか」それは疑問形ではなかった。


エアロンが前に進み出た。決意に満ちた鋭い眼差しで。


「もしそう思っていたら、若造、我々はここに来たりはしない」


彼はストライフに合図を送ると、ストライフが前に進み出て、細長い装飾の施されたケースを差し出した。


中には六つの石が収められていた――柔らかな内なる光を放ちながら:白が二つ、黒が二つ、青が二つ。


エアロンの声は揺るぎなかった。


「我々には希望がある。これが…我々の希望だ」


タロンの目が大きく見開かれた。「まさか…そんなはずはない。あれが…デカコア・ハートストーンなのか?」


レシアはゆっくりと頷いた。


「そうです、ケンク族長。あれがなければ…我々に希望は全くありません」


沈黙が訪れた。


タロンは息子の方を向き、表情は固いが優しい口調で言った。


「ルーク…出て行け。この話は君の理解を超える」


ルークは抗議したい様子だったが、一瞬の重い沈黙の後、軽く頭を下げると小屋を後にした。


エアロンは彼を見送りながら、尊敬と憐れみが入り混じった奇妙な眼差しを向けた。


「お前の息子は勇敢だ、タロン」声は柔らかくなった。


「よく育てたな。この暗き時代に、我々は皆希望にすがっている…それが我々がここにいる理由だ。だが希望とは──」彼は言葉を切り、重い眼差しで続けた。「──時に犠牲を必要とする。我々は道を選ばねばならない…民のために」


タロンはゆっくりと頷き、悲しみに歪んだ顔をした。


「はい、エアロン王。結果については承知しております」


「使用者の生命力は…数分以内に枯渇する」


彼は息を吐いた。


「だがその代償として、我々の力を増幅できる…最大で二十倍だと?」


次にレシアが口を開いた。緊張を縫うように低く厳かな声が響く。


「最低でも二十倍です。熟練の戦士の手にかかれば、ハートストーンは戦局を一変させます。単なる強さだけでなく――精度、速度、耐久力… 限界まで研ぎ澄まされるのだ」


彼女は膝の上で手を組んだ。


「だが代償は――」


「――絶対的なものだ」エアロンが続けた。


「これは賭けだ、タロン。絶望的な賭けだ。だが我々が取るべき道だ」


一瞬の沈黙が流れた後、三人の指導者は地図に身を乗り出した。炎の光に影が溶け合う中、彼らは戦略を語り始めた。


最初に口を開いたのはエアロン。自らの兵力を説明した。


「ハーピーを六千近く集結させられる」と宣言した声には、熟練指揮官の自信が響いていた。


「我々が先鋒だ――比類なき速度と空中優位性を武器に。空から襲い掛かる。爪と怒りの旋風となって」


次にレシアが続いた。絹のような囁きには静かな威厳が宿っていた。


「ラミアは数は少ないが、別の強みを持つ。四千八百を率いる。我々が地上戦線を固める――我らの耐久力、我らの力…


決して屈しない。持ちこたえ、敵の陣形を崩す」


最後にタロンが加わった。その声には重責の重みがのっていた。


「そして私は二千二百のケンク戦士を提供できる。我々は……特に夜戦に長けている。影とならせよ――敵が見ぬ隙を突く」


エアロンは頷き、その瞳には厳しい満足の色が浮かんでいた。


「ならば決まりだ。我々は力を結集する」


彼は一瞬、沈黙した。その瞬間が迫っていた。


「戦いは半年後に訪れる。準備に全力を注がねばならぬ――訓練し、信頼を築き、結束を固めるために」


その小屋の外、テラスにルークが影に潜み、内部の声を聞いていた。


顔を両手で覆い、恐るべき取引が交わされる中、頬を伝う一筋の涙。

同胞の運命は、とっくに決まっていたのだと彼は知っていた。


* * *





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