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第十七章 イージス・シールド王国

一方、同じ家の中では…


温めた夕食。はあ、そうかい。


ピアーズの視線はテーブル向かいのスティクスに釘付けだった。彼女は頬を膨らませ、ゴミ箱を漁るアライグマのように食事を貪っている。


何千回も見た光景だ。それでもまだ気持ち悪い…


テーブルの奥では、両親が異様に寄り添い――またもやささやき合っている。


まったく。また秘密か。今度は何だ? いつも何かしら問題を起こす親父親母だ。


いつもあの見えない壁――口にしないことの数々。

だが今夜…ピアーズの瞳の奥で小さな火花が散った。


もしかして…もしかしたら…


彼の「鑑定」スキル——両親には決して使う勇気がなかった。今まで。今こそ答えが必要だ。


彼らの顔も声も、微笑み方やひるみ方、嘘をつく様子まで正確に知っている。だが真実まではわからない。


胃がざわついた。

緊張。興奮。恐怖。


よし。幕の裏を覗く時だ。

彼は集中した。


深く息を吸い込み、目を細めて母を見つめた。キシリア・アルゴス。


隠された真実を見せろ。

彼女の周囲の世界が一瞬きらめくと、言葉と映像がピアーズの脳裏に溢れ出した。

鑑定:

キシリア・アルゴス・ネオクレウス

種族:悪魔 — 魔女王の娘

年齢:???

称号:マルチマウル

生来の才能:暗黒マナ操作、継承された肉体強度

階級 - 初期シュラ

現状:憂慮

詳細鑑定:

深淵を秘めた厳かな気品を持つ女性。平静な外見の下には戦略家の頭脳が潜む——絶えず計算し、絶えず計画を練る。

過去の影に苛まれる:ある悲劇が彼女の野心を駆り立てる。喪失の重荷を背負い、いかなる犠牲を払っても家族を守ろうとする原動力となっている。

秘める秘密:ピアスの政略結婚を画策しているが、彼の反応を恐れている。

沈黙。

空白。

宇宙そのものが、彼が衝撃を吸収する間だけ停止したかのようだった。

……

悪魔…?

魔女王の娘…?

魔女王の娘だと!?

その言葉は神聖なフライパンで殴られたように彼の意識を打ちのめした。

視界が揺らぐ。

幼い幼児の脳——すでに魔力と記憶、そして軽度の哲学的トラウマで過負荷状態——が停止した。

瞳孔が拡大する。息が詰まる。目がわずかに上を向き、まるで会話から逃れようとしているかのようだった。

「な、何だって——俺の母さんが!?

悪魔だって?

とがった角、光る目、爪――悪魔?!」

なんで年齢が「???」になってるんだ?!

彼女は不老なのか?!

頭が――

部屋がぐるぐる回っている。

こ、これは現実じゃない。

自分の母親が?

ついさっきまで優しく頬の粥を拭いてくれた優雅で物静かな女性が、今やハイヒールを履いた神話上の戦争犯罪者のように彼の脳裏に立っていた。

指がぴくぴく動いた。

肩がこわばった。

柔らかな骨とミルクの匂いだけの赤ん坊の体は、このレベルの現実崩壊に耐えられるようにはできていなかった。

喉を詰まらせたような喘ぎが唇から漏れた。

息を呑む音でもなく、しゃっくりでもなく。むしろ、アヒルが交通事故を目撃した時に発する音に近かった。

周りを見回した。

沈黙。

死んだような、無関心の沈黙。

スティクスは相変わらず、食卓の乱闘に狂った戦士のようにミートボールを噛みしめていた。

「父:馬鹿げたメロディを口ずさみ、こんな風に紅茶を注ぐ行為が幼児の現実の終わりではなかった」

だがピアーズの世界では?

全てが傾いた。

私が知っていたと思っていた全て…嘘?私の家族?私の存在?

そして母は政略結婚を計画している――

俺に?誰に?何のために?!

俺の「反応」を心配してるって?

冗談だろ!!おばさん、俺まだおむつを脱いだばかりなのに——もう結婚相手を決めようってのか?!

俺が何だと思ってるんだ——国債でいっぱいのベルベットのブリーフケースか?!

彼は彼女から目をそらそうとした。

できなかった。

彼女は今、微笑んでいた——柔らかく、輝きに満ち、母性的な優しさの完璧な姿だった。

「ミルクを飲みなさい、坊や」と言いながら、陰で帝国を再編するような微笑みだ。

彼の手はテーブルの下で震える小さな拳に握りしめられた。

母は悪魔だ。

おそらく永遠にシワ一つないだろう!!

父はもっとひどいかもしれない。

どうやら俺は呪われた王族間の取引らしい。

そして今——今この状況をうまく乗り切らなければ、キラキラしたポケモンカードみたいに結婚させられるかもしれない。

汗の一滴が頬を伝った。

彼は瞬きをした。一度。二度。

ゆっくり。機械的に。

まるで呪われた赤ん坊のOSを再起動するかのように。

大丈夫だ。

全ては順調だ。

俺は赤ん坊だ。

吐きそうだ。.


.

.

意識的な努力、精神的な格闘が必要だった。

ピアスは思考を締め上げ、渦巻く思考を無理やり減速させた。

よし。深呼吸。もうパニックになるな。ただ観察しろ。評価しろ。反応するな。声を出さない。

見られるな。

彼は震えるような精神的な息を吸い込み、焦点を移した。注意をテーブルの向こう側にいる男へと引きずり寄せる。

よし、父さん…その笑顔とスープをすくう仕草の奥に、何を隠しているんだ?

評価:


リガス・アルゴス

種族:半人間、元英雄


年齢:不明


称号:霜の王


生来の才能:神聖なる力


質量 - ミオト


現状:警戒態勢。


詳細評価:


静かなる巨像:

人間の限界を超越した強さを秘め、それを慎重に抑制している。その一挙手一投足には制御された力が宿り、鉄の意志によって封じ込められた力を物語っている。


忘れ去られた戦争の生存者:

この世界とは隔絶した領域で戦った傷跡を、目に見える形と見えない形で背負っている。彼はそれらの経験の重みを抱え、その過去が今日の彼を形作った。


秘める真実:ピアースの真の力の大きさを知っている。リガスは、自らの強力な障壁を無意識に溶かした者がピアースであることを理解している。そしてただ…ピアースが自らの能力を完全に自覚する時を待っているのだ。

再び…

沈黙。

重く、恐ろしい沈黙。

今回の評価は、以前とは違った響きを帯びていた。

母が悪魔の王国の後継者だと知った時の衝撃とは違った――いや、これはもっと冷たい。

もっと深い。

凍った湖に落ちて、闇がどこまで続いているか気づくような感覚だ。

半人。

霜の王。

元英雄。


そして彼は障壁のことを知っていた。

ピアーズは瞬きした。

彼の顔は無表情になった。

彼の心は?

叫び声をあげていた。

「…え…?」

それだけしか声が出なかった。

瞳孔は虚空を凝視し

口はわずかに開いたまま

彼は動かなかった

息もせず

まばたきすらしなかった

フルパワーで起動したまま…完全にオフライン状態だった

鋭い観察眼のキシリアは即座に変化を察知した

眉をひそめ、表情を引き締めた。一瞬の警戒が彼女の顔をかすめた――素早く鋭く。

リガスに呟いていた言葉は――忘れ去られた。

彼女の態度が一変した。

優雅で威厳ある動作で椅子から立ち上がり――突然の緊迫感に包まれた優美さ――ピアーズへと歩み寄った。慌てず、焦らず。ただ何かがおかしいと悟った母親の、確かな確信に満ちた動きで。

「ピアーズ、大丈夫?」

彼女の声は柔らかかった――しかし緊張がにじんでいた。本物の心配、不安の境界線。

彼女は彼のそばにしゃがみ込み、片手を顔の近くに浮かべた――触れるか触れないか。確かめるように。落ち着かせるように。すぐに行動できる態勢で。

空気が変わった。

彼女のオーラ――普段は洗練され、距離を置いたもの――が、ほんのわずかにひび割れた。

その下に広がる何かを、十分に露わにするほどに。

力。本能。取り返しのつかない何かを失うかもしれない母親の、静かな恐怖。

ピアーズはわずかに身震いした。

突然の接近、彼女の探るような視線——それは深すぎるほどに突き刺さった。心臓はまだ激しく鼓動し、頭の中ではまだ『霜の王』…悪魔…結婚…という言葉が反響していた。

彼は無理に笑みを浮かべた。

歪んだ、弱々しい、生存本能の笑み。

「僕…大丈夫だよ、ママ」彼は嘘をつき、声は震えていた。

そして、彼女の注意をそらすためなら何でもいい――何でもいい――と必死に探り、混乱した脳が思いついた最も愚かな言葉を吐き出した。

「実は…考えてたんだけど…ずっとミルクだけって、ちょっと飽きてきてさ」

彼は咳払いし、肩をすくめた。

「たまには…普通の食べ物、食べてみてもいいかな?」

その言葉が宙に浮いた――幼児の未熟な反抗が、実存的パニックに包まれたまま。

一瞬、誰も動かなかった。

すると――

スティクスが咀嚼中に鼻を鳴らし、ミートボールの塊が口から飛び出し、拒絶された砲弾のようにテーブルに跳ね返った。

リガスは低く、かすかに聞こえる笑い声を漏らした。表情はほとんど変わらなかったが、口元の端が――ほんの少しだけ――彼を裏切った。

キシリアは瞬きした。張り詰めた表情がほころぶ。ピアースを見やり、次にスティクスのミートボール弾を……

そして笑った。

気取った笑いではない。礼儀正しい笑いでもない。

本物の笑い――軽やかで、驚きに満ち、安堵に満ちていた。

脳みそが溶けそうな情報量の多さにまだ混乱していたピアースも瞬き……そして笑った。

面白さというより疲労からだったが、それでも本物の笑いだった。

緊張は食器の音が響く中、バラバラの笑い声に溶けていった。

彼らは秘密以上の存在だった。

彼の家族だった。

そして彼は彼らを愛していた――何があっても。.

.

.

.



神秘の声

見慣れた洞窟の奥深くを冷たく幽玄な風が蛇行する中、何かが動いた。

ささやき。

柔らかく。女性的で。

ほとんど聞こえないほど静かだった。

「見つけたわ…」

その言葉は響いた――大きくはないが鋭く。待ち構えていたかのように。

はるか遠くで、洞窟が霜を吐き出した。

戦いに疲れ、両親の真実でまだ動揺しているピアーズは気づかなかった。

まだ気づいていない。

影の中で、かすかな光る霧が見えぬまま凝縮し…そして消えた。

その神秘的な声は、忘れ去られた息のように空気に漂い続けた――疲れ果てた少年の耳には届かずに。.

.

.

.


盾の王国エイジス、王宮の広間において、オベロン王が最も信頼する部下の一人が玉座の前に跪いていた。

「陛下」

家臣は恭しく、抑えた声で報告した。

「四人の大祭司による神託が、使節団と共にお見えになりました」

民衆の目に賢明で慈悲深い王、オベロンは華麗な玉座に鎮座し、静謐なる権威の象徴であった。しかしその優しい瞳の裏には、より冷たい真実が燃えていた――計算尽くされた野望である。

その傍らには、無数の戦いで磨き上げられた鎧をまとった老騎士が立っていた。彼の最も印象的な特徴は鎧ではなく、その眼差しだった。鋭く、揺るぎない。嘘を古い塗料のように剥がすような視線。

オベロンの唇に微かな笑みが浮かんだ。

「承知した」オベロンの指が一度、意図的で鋭く叩いた。「大謁見の間を準備せよ。我々は彼らを…直ちに」

彼は上級顧問たちと静かに視線を交わした。言葉は交わさなかった。ただ理解があった。

この会合は単なる儀式ではなかった。神託者の到来は、オベロンの秘められた計画の要石である。隠されたゲームの次の手だった。

黄金と大理石が輝く広間では、旗が微かにひらめき、高い静寂が支配していた。

オベロン王は堂々と威厳を保ち、注意深く座っていた。その傍らには老騎士が、静かな山のように佇んでいた。

玉座の向かい側、磨かれた黒曜石の儀式用椅子に腰掛けているのは、四人の大司祭からなる神託者たち――儀式用の豪華な衣をまとい、その存在は古の力に満ちていた。

騎士はオベロンの傍らに留まり、視線を固定して観察を続けていた。

オベロンが先に口を開いた。滑らかで正確な口調だ。

「尊き神託者よ」彼の抑制された声には偽りの懸念が混じっていた。「禁断の森内で検知された…異常な存在を考慮し——そして貴殿の…洞察に満ちた助言を踏まえ——我々は慎重な介入が最も賢明な行動であると合意した」

彼は間を置き、空気は含意で重く淀んだ。

「我らが精鋭の英雄部隊を派遣する。任務は――その人物を特定し、方程式から排除すること…密かに。これは以前協議した我々の利益に沿うものと確信する」

筆頭神託者は頷いた。「その通り、オベロン王。聖王国ハグノスは…御決断を大いに歓迎する。かくも予測不能な潜在力は…対処せねばならぬ」

別の神託者が一歩前に進み出た。声は低く、期待を帯びている。「禁断の森はその秘密を容易には明かさない。貴方の英雄たちが…その価値を証明することを願おう」

騎士の表情は変わらなかったが、眼差しは鋭くなった。観察し、測っている。

オベロンは手を組んだ。声の調子が、ほんのわずかに鋭くなった。

「ご安心を――盾王国は見た目以上の…資源を有している。この件は迅速に処理される」

神託者は暗く慎重な口調で頷いた。

「では我々の見解は一致した。努力が…望ましい結果をもたらすことを」

一瞬の間が流れた。すると神託者の視線が移る。

「善意の証として――そして成功を確実にするため――聖王国が直接協力する。我々のもっとも慎重な工作員を派遣する。潜入と…回収の専門家だ」

神託者の影から、霧のように静かに、滑らかに一人の人影が現れた。身を隠す装束を纏い、深いフードの下に顔を隠したその者は、精密さと危険を放っていた。

「これがカエルだ」と主神託者が告げた。「彼の専門知識が…均衡を保つ。貴方の英雄たちの協力を確実なものとする。彼の成功が最優先事項だ」

残る二人の聖職者は動かないまま着席した――一人は祈るように手を組み、もう一人は読めない表情でケールを見つめていた。


オベロンの目がわずかに細まった。これは予想外だ。だが手にした武器は、たとえ借り物でも武器であることに変わりはない。「承知した」引き締まった、洗練された笑み。「我々の英雄たちは彼の指示に従うよう指示する」

傍らで騎士が身構え、姿勢を硬くした。その視線は刃のようにケールを貫き、本能で生きる者同士の間で無言の警告が交わされた。


神託者は頷いた。「では、この同盟がどんな実を結ぶか見てみよう」



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