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第2話 出会い

パライバが宮廷の門をくぐり、案内されたのは、息をのむほどの大広間だった。

天井からは金と銀の細工が施された巨大なシャンデリアが飾られ、床は大理石で磨き上げられている。ロージア村の広場しか知らなかったパライバの瞳には、全てが有り得ないほどに眩しく映った。


「ここが、私の踊る場所…」


パライバは緊張と同時に胸が高鳴るのを感じた。


「そこで立ち尽くしているのは誰だ。」


冷たく、威厳のある声が響いた。

声の主は鮮やかな赤の衣装に身を包み、短く艶やかな髪を持つ少女。

彼女の衣装には凄まじい量の豪華な宝石が散りばめられ、その立ち姿はまさに「宮廷の女王」という肩書きを背負っているように見えた。

パライバの村の素朴な衣装とは対照的に、ルビィの装飾品一つ一つが、彼女の揺るぎない地位とプライドを物語っていた。

ルビィはパライバを一瞥すると、宝石のネックレスに指を這わせた。


「お前が、あの型破りな舞で一位を獲ったという田舎娘か。...やはり期待しない方が良かったな(苦笑)

お前は本当にみすぼらしい、見るに堪えないやつだ。私の眼が腐る。」


彼女の一言一言がパライバの胸に突き刺さる。


「ああ、紹介が遅れたな。私はルビィ。舞踏の頂点に立つ者だ。私の前では、その薄っぺらい才能も塵にすぎない

。よく覚えておくことだな」


パライバの「幸福のオーラ」という才能は、ルビィの「努力と技術の結晶」という信念にとって許しがたい不純物だった。


「あなたの気分を私が害してしまったのであれば、ここで謝ります。...ですが、初対面でその態度は少しあらためた方が良いのでは?必ずしも皆が不快になるとは限りませんが...『泥を打てば面へはねる』と言うでしょう?」


パライバの言葉にルビィは舌打ちをする。彼女の瞳に憎悪が渦巻いていく。


「ルビィ様、ご挨拶はそこまでにしてくださいな。あまり新入りを怖がらせてはいけませんよ。

パライバさん、私はフレイヤ。よろしくね」


白とターコイズの清らかな衣装を纏ったフレイヤは、パライバに優しく微笑みかけた。彼女の衣装は、ルビィのように高価ではなかったが、細部まで丁寧に縫製されていた。


「パライバさんの舞、本当に素敵だったわ。私、とても感動したのよ。

私もあんなふうに皆が笑顔になれるような舞を捧げたいな、って」


フレイヤの言葉に、パライバはホッと安堵する。彼女は宮廷で初めて、安心できる存在を見つけた気がした。

しかし、ルビィは鼻で笑った。


「くだらない干渉だな。舞は技術、そして地位の証明だ。お前たちのような『愛』や『平和』などという、疎く曖昧なものに頼る者はすぐに消える。本当に惨めだな。反吐が出る」


ルビィの言葉の冷たさには、彼女の孤独なプライドが、パライバの純粋さとフレイヤの献身さという自分に欠けているものを無意識に拒絶しているように思えた。


(本当に惨めで愚かなのはあなたでしょう...)


その時、宮廷の伝令が厳粛な声で告げた。


「王命! 年に一度の祭典、『太陽と月の祝祭』に向けた、舞姫選抜の最終準備を開始する! 三人の舞姫は、直ちに練習を開始せよ!」


《祝祭の舞姫の座は一つ》

パライバは賞金のために、ルビィは最高の地位のために、そしてフレイヤは王国の平和のために。


三人の少女の間に火花が散るような緊張が走った。

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