どれくらい傍にいけば
「あの時は、ごめんなさい」
『何故、あなたが謝るんです?』
黒子さんは、人からどう思われているのか分かっていて、それでも私や母を咎めようとはしなかった。
「母が悪かったのに…母の言葉がアナタを傷つけてしまったのに謝ることもできなくて」
『そんなことをずっと悩んでいたんですか?』
「そんなことじゃないです…全然、そんなことなんかじゃない」
私だったら傷ついてしまうと思う。怪我を肩代わりだけさせておいて、神社以外で一緒にいることも認めてもらえないなんて。…そんなんじゃ友達になることすらできないじゃない。
「私は、ずっと一緒に居たかったのに」
それは、友達としてずっと一緒にいたい。という気持ち以上の想いなんだと思う。
「私は、アナタのことが!」
告白をしようとして、黒子さんが私の前に手を出したので、勢いを止められてしまった。
『ボクと貴女では、生きている世界が違いすぎる』
「そんなものは関係ない!」
呆れたようなため息と、私をどうしたらいいのか考えて黒子さんは、また空を見上げる。
『それでは…一度コチラ側へ来てもらってもいいですか……?』
「コチラ側?」
黒子さんの言うコチラ側というのが、どこなのか分からなくて聞き返した。
『そう、ボク達が住む世界へ…』
「それは、どうしたら行けるの?」
少しの沈黙の後に黒子さんが口を開く。
『もっと…ボクのほうへ寄ってください』
「え…」
私は、座っていた位置を少し黒子さんのほうへと近づいてみた。
『もっとです。もっとコチラに…』
もっとと言われ、私は黒子さんの座っている真横まできた。黒子さんの手が私の手に重なる。
『もっとです』
もう、これ以上つめる距離がなくて戸惑ってしまう。私の体が黒子さんの体に触れそうになって、その瞬間に頭を1回転させたような衝撃が走って、私は目眩を起こしたように倒れた。




