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リンゴ右折

作者: 出雲 寛人

リンゴ右折、という現象があるらしい。


そのリンゴは木に成っていて、そのリンゴが目に入ると右に曲がってしまうらしい。


つまりなかなかそのリンゴへは辿り着けない。


目隠しして近づこうにも、その木は何故かトゲトゲがあり、当たると痛そうだ。


ドローンを遠隔操作して試した人もいたが、ドローンも右折してしまう。


スナイパーが遠距離から狙っても、球は直前で右折する。


しかしある時、嗅覚が鋭い猿が現れ、たまたまリンゴを見ずに手に取って食べてしまった。


時は流れ、その猿がした糞から木が生え、何個もリンゴが成っていた。


今度はその木に近づいた人は、右に行ったり、左に行ったり、後ろに下がったり、ジャンプしたり、しゃがんだり、様々な方向に強制的に動かされた。


リンゴ右折がパワーアップして、リンゴ左折、リンゴバック、リンゴジャンプ、リンゴしゃがみなど現象に多様性が出てきたのだ。


一度に複数のリンゴを見てしまった人は、側から見るとダンスを踊っているように見えた。


そのダンスの動きが予測不能で面白みがあるため、人気スポットとなった。


時は流れ、リンゴは誰にも取られることなく、重力に従って地面に落ちた。


右折リンゴが落ちると、地球は公転軌道から右に逸れた。


左折リンゴが落ちると地球は左折した。


そして次々とリンゴが落ち、地球の軌道はもはやめちゃくちゃで、踊っているようだった。


地球が出鱈目な軌道で動いているため、太陽系の万有引力のバランスが狂ってしまった。


その状態に激怒した太陽は、地球に近づき、燃やしてしまった。


しかし太陽も地球に当たったため、太陽自体も予測不能な動きをするようになった。


こうしてカオスは広がっていき、まるで星たちの最後の晩餐が行われているようだった。

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