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――氷の眠り姫――



 氷柱(ツララ)を染める

 夢から醒メタ 涙を流した

 痛みを抱く眠り姫


 彼女は氷の眠り姫

 夢を愛した 夢に溺れた

 孤独に生きる眠り姫


 起きたら仲間はいなかった。

 誰もが忘れてしまったのだ、彼女の名を。


 “My name is...”


 本人でさえ覚えていない名が、分かるはずもなく。


 ice-sleepy 孤独な姫君

 ice-sleepy 王子は二度と迎えにこない


(君の名は、イスリィ。)


 涙と生を司る双子の声がした。




(小人も、兎も、帽子屋も、人魚も、インディアンも、王子様もみんな、)

(私は目醒めを選んだけれど、)

(捜しに行く為に、私は)

(眠り姫の称号を棄てる。)




『名無し姫 は 歩く』









[…名無し姫→]



 歩きながら やっぱり。名無し姫はオモう


 月はないてる


 今まで空の見えない場所で、眠っていたからだめだったけど


 だけど月が星らしさを見せたことに喜んだり

 不謹慎だけど


 あとは罪悪感だけ



 名無し姫は歩く 歩いて、気付く


 私は故国(くに)に帰るべき?


 どうせ何も出来ないのなら、死んだって。



 今日は夜ばかり 真昼の月が好きだけど

 名無し姫は魔法の呪文を知らないから、簡単に夜明けは来ない



 いっそ死んだって。

 眠る幸せは知っている

 永遠の眠り。綺麗な響き


 やっぱり王子の口付けはいらなかったんだわ、

 例えばそれがfreeze-brea(雪女の吐息)thなら



 私は二度と目覚めることはなかったのに。




『ミッドナイトムーン』

(イラナイ子だと云ってみて)

(きっと飛べると思うから)









 例えばその国の王様が

 異境の地で英雄として過ごしていて

 城に殆ど帰らなかったなら

 その姫は凍り付くことなどなかったかもしれない



 王子はまた罪を重ねる

 と、

 姫はまた 罪を被せる


 美しい 優しき街に

 姫はまた 棘を敷いた



「私の名前は“名無し姫”

 この名を呼ぶ者はないでしょう」


 繰り返す 不毛な戯れ事

 その名を呼ぶ者はなし



「愛すこと 愛されること

 やっぱり少し面倒だわ

 眠るのにも もう飽きたから

 今度は姿なき姫となろう」




『月のない

 夜の窓辺で』


 愚な者。

 隣で見ていたわたしがいいました。

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