呪いのブレスレット(冒頭)
おまけ2
小学校高学年くらいに書いていた長編ホラー(予定だった未完)話の一話。記法を若干現在のものに整えましたが改行と三点リーダ以外はほぼ大体原文です。リメイク予定。
ざっざっざっ……
「はぁはぁ……」
どうしてこんなことになっちゃったんだろう
「……っ!」
こんなものもらうんじゃなかった……
「ぃや……」
もうやめて
「いや……」
もうやめて
「いやぁぁぁぁぁ!」
もうやめてぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!
『呪いのブレスレット』
- 不幸の始まり -
「柚実〜何買う〜?」
「う〜ん……向こうの方行ってみない?」
はじめまして! 文月柚実です。今日は友達の麻木琴と一緒にフリーマーケットに来ています。
「そうだね。向こう行ってみようか。」
(う〜ん……あんまいい物見つかんないな〜……)
そう考えながら歩いていると琴がいいとこを見つけたらしく、
「あっ柚実。私ちょっとここの見てるから。」
といってそこにしゃがんだ。
「わかった。」
(しゃあない。てきとーに歩くか。)
「こんにちは……」
「え……?」
振り向くと茶色っぽい布の向こう側に座っている黒いはおりものをはおった瞳の色が黄色の女の人がいた。
(なんだ。フリマの人か。)
布の上を見るとブレスレットがたくさんおいてあった。
「こんにちは。ここ、ブレスレット売ってるんですか?」
「はい。ひとつ買っていきませんか?」
(う〜ん……ブレスレットか……)
とか思いながら見ているとひとつ気に入ってしまったものがあった。
私が見つけたそれはひとつ赤い石がついていてあとはすべて金色のチェーンのブレスレットだった。
「これ、いくらですか?」
私がそう聞くと女の人は少しにやっと笑って、
「ただでいいですよ。」
と言った。
「え……ただ?」
「はい。ただです。」
(ラッキー!)
そう思いながら私は
「ありがとうございます!」
と、お礼を言って琴のところへ行こうとした。でも女の人に「あなた……」と呼び止められたので振り返ると女の人はまたにやっと笑い、
「不幸に気をつけなさい。」
といってこっちをじっと見ていた。そのとき彼女の黄色だったはずの瞳の色が赤色に変わっていた。私はよく分からなかったので「はぁ……」と、変な答え方をして琴のとこに戻った。
琴は茶色の小さい紙袋を持って待っていた。
「柚実! 遅いよ!」
琴は笑顔で言ってきた。私は「ごめんごめん」と苦笑いをしてあやまった。
「何買ったの?」
そう言って琴は私の手を覗き込んだ。
「ブレスレットだよ。」
私が答えると「いいな〜綺麗だね。どこにあった? それ売ってるとこ。」と、琴がうらやましそうな顔をして聞いてきた。
「え〜っとたしかあっちの方に……」
私は指をさしながら後ろの方を向いてあの女の人を探した。でも……
(あれ……?)
いくら探してもあの人は見つからなかった。
「どうしたの?」
少しアゼンとしている私を覗き込み、琴が言った。
「あっ、うん。あのさ、もう帰ったみたい」
ぼーっとしていたところに声をかけられた私は、思わずあせったような口調で答えてしまった。それを聞くと琴は「そっかぁ……」と残念そうにつぶやいた。
「もうそろそろ帰ろっか。もうあんまいいのないし。」
と言って私の手を引っ張ってフリーマーケットを出た。
ここからだったんだ。不幸の……呪いの始まりは………
【1】不幸の始まり おわり
P.S.
当時読んでくださっていたみなさん、本当にありがとう。いつも、とても嬉しかったです。