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カタる傍  作者: 金艮
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未見の種

 砂漠に種が落ちていた。大きさはそれほどではない。しかしそれは白い砂と対を成すように黒く、いやに目を引く。その周りには何もないうえ、見渡す限り平坦で、彼方まで見通せる。少なくとも見える範囲に植物がないことが、その種の異常性を引き立てる。


 そこへ、種に引き寄せられたように一羽のハゲワシが降りてきて、くちばしに種をくわえた。瞬間、種が発芽した。じわじわと、しかし異常な速さで根が伸び、しばらくして皮膚を突き破った。ハゲワシが鳴き叫ぶ。かと思うと種から根が一気に溢れ出し、絶叫を飲み込みながら一瞬で全身を包んだ。根はそのまま砂漠に根付き、3mほどの木になった。砂漠は、最初から何もなかったかのように平静を取り戻した。




 その後、天を衝くほどの大きさになった木が、瞬く間に崩れた。木片が、かつて成長の糧にしたハゲワシの姿を模す。ハゲワシの姿をしたなにかが2度翼を動かし、飛び立った。空を翔けつつ、見据える先には街。夜を切り取ったかのように黒く、丸いものを落としながら、それは晴れ渡る空に両翼を叩きつけ、目的地を目指す。


 砂漠は、再び平静を取り戻す。白骨化したハゲワシの骸だけが、ここでなにかがあったことを物語っていた。





なかなか変な植物ですね。

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