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カタる傍  作者: 金艮
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自転車男

 私が[自転車男]の存在を知ったのはつい先日。名前の通り24時間365日常に自転車を漕いでるらしい。




 自宅警備員である目撃者は、毎日家の前を全く同じ時間に、白い半袖シャツに青いズボン、サングラスという全く同じ格好で自転車を走らせる男を見て、どういうわけか尾行しつつ掲示板で実況することに決めたそうだ。目撃者はある程度距離を開けて自転車で追いかけた。男はそこまで速くはなかったらしく、運動不足の目撃者でも十分追える速さだったそうだ。しかし男はどれだけ走っても信号機に引っかからないうえ車にも出会わず、ノンストップで漕ぎ続けたため、目撃者は見失う場所と時間を記録し、次の日にそこから尾行を続けるという手法をとった。尾行の結果、どこかに寄るわけでもなく24時間かけて同じルートを回り続けていたことがわかった。目撃者の実況は「自転車男の目の前に仁王立ちしてみるw」を最後に途絶えている。




 十中八九ガセネタだろう。出現ポイントに向かうために車を運転しながらそう考えていた。しかし、底辺動画投稿者である私はこんないかにもな噂にも飛びつく。もしかしたら実在するかもしれないし。というわけで出現ルートにいくつかカメラを仕掛けた後、目撃者の記録を参考に自転車男がいるはずの場所まできてみた。それらしい人はいない。自転車男は車に出会わないしいから、一応自転車を持参していた。これに乗って先回りしてみよう。




 先回りしてしばらくすると、キコキコと自転車の音がきこえてきた。通過予定ポイントから少し離れた物陰に身を隠す。やはり車に乗っていると出現しないのかもしれない。今回の目的は大きく3つ。1つ目、そもそも自転車男は実在するのか確かめる。2つ目、自転車男の情報は本当なのか確かめる。3つ目、進む方向に障害物があるとき、どうするのか。1つ目は前述のカメラに映っていたら検証完了。2つ目は何日か分ける必要がある。3つ目は通過予定ポイントに簡易的な障害物を置いてみた。道幅はそこそこ狭いが、それゆえ車が通れない場所だ。目立つし、どかそうと思えば簡単にどかせる。しかし情報通り24時間365日常に自転車を漕いでるならばどうするのだろうか。普通にどかせば自転車男ではないし、別の方法でどうにかするなら自転車男の可能性が高い。さて、どうする。




 ついに来た。自転車男を凝視する。止まる気配はない。そのまま速度を落とさず通過。あれ、障害物がない。最初から無かったかのように、消えている。彼は自転車男の可能性が高い。実在した!これは再生数を稼げるに違いない!




 仕掛けたカメラを回収しに行く。攻撃されるという情報は無いが、目撃者の記録を参考に、出会う心配がないところから回収する。車よりもカメラの方が近いし、このまま自転車で向かうか。




 仕掛けた1つ目のカメラを回収しようとしたとき。何か聞こえる。自転車の音?キコキコ。自転車男は遠くにいるはずだ。キコキコ。目を凝らす。キコキコ。格好が違うし、ここの住人だろう。キコキコ。それにしても取りにくいな、位置にこだわりすぎた。キコキコキコキコキコキコ。ふと近づいてくる自転車をみる。キコキコ。やばっ、このままじゃぶつかキコキコキコキコキコキコ、キコキコ、キコキコ。




























 キコキコキコキコキコキコ、キコキコ、キコキコ。





自転車男に轢かれた主人公。2つ目の自転車をこぐ音は主人公が発したものでしょうか。

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