表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カタる傍  作者: 金艮
19/23

待雪家跡

 この辺で肝試しをするなら、待雪家跡が真っ先に挙げられる。とはいっても、ここは雰囲気があるだけのただの廃墟で、今までも幽霊が出たというような噂も、心霊スポットとして紹介されるようなこともなく、たまに肝試しに地元の若者が入るような場所と化していた。だからこそ中は多少踏み荒らされている程度で、家具なども使われていた当時の姿を残している。立地面では、大きな道路からまあまあ近く、しかし人が通る場所からは上手く死角になっていて、バレないように侵入することは容易い。


 そういう理由で、暇を持て余していた私は待雪家跡に忍び込むことにした。昼間だったため、障害物に足をとられるようなこともなく、スムーズに忍び込むことができた。


 しばらく探索していると、足音に混じってギシ、ギシ、と何かが軋むような音が聞こえた。周りを見ても、人がいるような様子はない。ネズミかなんかかな、と考えつつ、洗面所まで来たとき。洗面台に設置されていた鏡に、ギシ、ギシ、という音と共に、紐が首に繋がり揺れる人が映っていた。


 一目散に待雪家跡から脱出し、なんとか自宅まで辿り着くことができた。鏡に映っていた顔は、満面の笑みを浮かべていたように見えた。これまで待雪家跡に幽霊が出たことは聞いたことがない。そのうえ、確か十数年ほど前まで住んでいた4人家族の誰かが自殺したという情報は聞いたことがない。一体あいつは何だったんだ。
















ギシ、ギシ。



 まただ。この笑顔。またあの何かが軋むような音が聞こえる。笑顔と一緒に。後ろから?それとも、右?左のような気もする。笑顔。いや、前、か?


 ………まえ。




鏡に映ったのは何だったんでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ