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カタる傍  作者: 金艮
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あしなし

 暮らす人のほとんどが顔見知りなほどの田舎があった。そんな場所でも例のウイルスが蔓延したときには、誰もが感染しないよう気を付け生活した。


 ウイルスが落ち着き、ほとんどの人がマスクなしで出歩くようになっても、「感染が怖い」と家から出ない人がいた。それを面白がった者が、外を出歩かない様子から「足無し」と呼びはじめた。娯楽の少ない田舎だったことも相まって、今日は家から出るのではないか、いや死んでも外出しないのではないかと、日々ギャンブルのようなことをする者もいた。


 ある日、「足無し」がマスクもなしに外に出たという話題が広まった。本人は嬉しそうに「もう絶対に感染しない」と言ったらしい。疑念を抱き、後をつける者もいたが、時が経つと忘れられていった。


 その後、「足無し」が変死した。遺体は四肢が退化しており、刑事事件の関与も疑われ、解剖された。その結果、肺がかなり前から存在していなかったことがわかった。





アシナシイモリの仲間には肺が無くても陸上で生きられる種がいるそうです

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