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俺、王様に祈る。ひたすらに祈る

 俺、御米田ユウキ、二十八歳。

 日本の東北の僻村、もなか村ごと異世界転移してきた日本人だゾ☆


 テンションも上がるってものだ。今、俺とばあちゃんちには異世界幼女のピナレラちゃんと、異世界美少年のユキりんがいる。

 あと年の近い嫁がいれば文句なしだが、贅沢は言わん。今が充実しすぎていて。……可愛い嫁っ子がいても全然構わないぞ? 異世界よどうか……どうか……俺に力を……!


 あの次元の狭間の虹色キラキラに光る宇宙人三人組に俺は祈った。

 が、彼らから意識できるようなチートは貰っていないことに気づいて、スンッとチベットスナギツネ的な顔になった。

 冷静になって考えると、俺に力を与えてくれたのは夢の中の王様だけだ。ならば今後、祈るべき対象は王様一択!


 神棚のある部屋に大剣を立てかける台を作って、朝晩祈ることにした。


「神様仏様、俺似のイケメンな王様! 家内安全、良縁祈願! 俺は仕事はわりとできるほうだから、何はともあれ家内安全良縁祈願ー!」


「あの。あれ、何か変な宗教にハマってます……?」

「いやあ。ユキちゃんも難しい年頃だがら」

「年頃って。僕の倍生きてる人なのに。それにあの大剣、ものすごい強烈な魔力を感じるけど……」

「ユキちゃん、いつの間にかすげえもん手に入れてたんだあ。さすがおらのユキちゃん」


 居間のほうでユキりんとばあちゃんが何やら言ってるようだが、今は祈願に集中! 良縁、良縁、何とぞ良縁をよろしくお願い奉りますべ!


『私に祈ってどうする? 欲しいものは自ら掴み取るべきだ。……私だって良縁や恋愛成就のご利益なら欲しい……!』


 ――どこからか、そんな王様の声が聞こえた気がした。




 さて、俺たち、もなか村民の戸籍も作成してもらい、ど田舎村での新たな生活が本スタートした。


 ピナレラちゃんは正式に御米田家の養女となった。この世界で家族は家に紐付いてるので、御米田ピナレラになり、かつ俺の妹としての登録だ。


 ユキりんも御米田家の一員として登録して御米田ユキリーンになったが、こちらは仮登録だ。

 男爵が言うには貴族か裕福な庶民の子供なのは間違いないが、本人に実家に帰る気が見えないため、しばらくど田舎村で監察期間を置くとのことだった。

 奴隷商から逃げてきたなら、また奴らが襲撃しに来るかもしれないのに。謎のある美少年である。


 ばあちゃんは可愛い子供が二人もできて、ここ最近ずっとご機嫌だ。嬉々として二人の世話を焼き、毎日の美味しい食事の腕に磨きをかけ続けている。


 俺はといえば、もなか村側の田畑の手入れに追われている。

 住民偽装をしていただけあって、もなか村の田畑や家畜の数はそう多くなかった。農業や畜産業に従事する村民がいるのだと示すためだけの、本当に見せかけ程度の規模だ。

 牛や豚、鶏などはど田舎村の人たちに引き取ってもらっている。さすがに俺やばあちゃんだけでは手が回らないからだ。


 残りの田畑は、ど田舎村民たちに手伝ってもらって、収穫まではひとまず頑張ることを決めた。野菜類は夏で終わり。米は秋の早いうちに収穫してやはり終わり。こっちは水も抜くことになる。

 そのまま放置はもったいないので、ど田舎村の特産であるポーション原料の薬草栽培に転換していくことも決めていた。




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