表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

エッセイ

漢字を開くか、開かないか

 小説等を書いていて、よく悩むことがあります。



『向こうから彼が手を振りながら、走ってやってきた』


 この『きた』ですね。

 人によっては『やって来た』と漢字にすることと思いますが……

 私はなんとなく『やってきた』のほうが好きなんですよ。軽い足取りでやってくるみたいな感じがして。


『そんな気がしてきた』『やがて冬がやってくる』


 こんな感じで、私はひらがなにするのです……



 が!



 場合によっては漢字にしたほうがしっくりすることもあります。

 たとえば……


『来る日も来る日も……』


 これをひらがなにしちゃうと、なんだかおかしいんですよね。くるくるなっちゃう。


『あいつがここに来ていたはずだ』


 これもひらがなにしちゃうと、なんかおかしい。全部ひらがなになっちゃって、読みにくい感じがする。


『大物アーティストが来日した。合わせて彼も日本に帰って来る』


 最後の『帰って来る』をひらがなにしちゃうと、『来日』とのバランスが取れない……。なんで『来日』は漢字なのに、あとのほうはひらがななんだ! って言われそう……。


 また、『やってきた』『わかってきた』みたいに『きた』の前に何かがつく場合はいいけど、『彼がきた』はなんか落ち着かない。『彼が来た』にして、はっきりさせてあげたい。


『私がきた!』ならへんな感じしないのに……不思議。






 また、私は『大きい』という言葉を書く時、ひらがなにして『おおきい』と書くほうが好きです。

 なんだかゆったりとおおきな感じがして、怖くなさそうなのがいいかな、と。



 でも、これも悩むことになるんですね。



『彼は体がおおきい上に大物だ』


 また、なんであとのほうはひらがななんだ! って言われそう……。


『おおきに、おおきいひと』


 関西弁で『ありがとう、おおきいひと』を言うと、なんだか重複みたいになる!


『大口を叩くな』


 これを『おお口を叩くな』にすると、明らかに変……。


 ただ、『おおきな大学の建物』とか書く時には私、平気でひらがなにします。

『大きな大学の建物』って、なんだか目にうるさくて、やだ。





『ひと』


 これも私はひらがなが好きです。


『好きなひと』『あのひと』『どんなひと?』


 ただ、使い分けはしています。

 具体的なひとを指す場合はひらがなにしますが、抽象的に使う場合、あるいは不特定多数の人間を指す場合には漢字にしています。


『人がいるかもしれない』『人気ひとけのない場所へ行こう』『そんな人、いるかいな』


 また、種としての人間を指す場合なんかはまた違って、その時はカタカナの『ヒト』を使います。


『ヒトは原始よりそうしてきたのだ』『なんかあの岩、ヒトっぽい』


 そして『誰か』みたいな意味で使う時には『他人ひと』とかします。


他人ひとの噂は止められない』『ちょっと他人ひとから聞いたんだけど……』




 でも、こんなことしてたら『表記の不統一に気をつけましょう』とか言われそう。


 自分でも、ここは漢字にするか、ひらがなにするか? と悩むことも多いし……。


 皆さんははっきりと『くるは来る』『おおきいは大きい』『ひとは人』とか決めてらっしゃるんでしょうか?






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 自分もとても気にしてますし気になってました! [一言] 「来」に関しては作者様と全く同じ感じで使い分けてますね。 私が特に気になっているのは「分かる」ですかね。「分ける」は漢字じゃないとダ…
[一言] 『大きな大学の建物』が気持ち悪いのは大学が大きいか建物が大きいかわからないせいだと思う。
2023/12/01 19:42 通りすがり
[一言] シーンだったり喋ってるキャラだったりとか色々な条件で変わりますね。何を表現したいかによって決まるかな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ