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37.勇者であり男の仲間には成りたくはありませんわ。赤髪のが割って入って……

「何をいっているのですか?勇者の加護も従者3人までですわ」

「ああ、そうだ」

「それでは、もう仲間にできませんわ」

「わかっている」

「そうでしたら、先ほどの言葉は冗談だったって言うことですわ」

「冗談ではない」

「何をいっているので――――」

 

 無限ループに陥るところでしたわ、なにこのナルシスト男。顔色1つ変えずに決めた顔を見せて来ていますわ。それにずっと視線を動かさないのは何故?これがアイリスでしたら、いつでも無限ループに浸かりますわ。

 青の勇者ソラの言葉に駆け寄る女3人は、焦りを色をみせている。騎士ラピスの真剣な眼差しでソラは私から目を離した。

 

「どういうことですか。ソラ?」

「それは……」

 

 まぁどうでも良いです。絶対に仲間になりませんから、それに私は勇者であるならアイリス以外とは組みません。アイリスと2人旅っていいですわ。その時にはナディアも幸せ掴んでいることですから、私から離れていますし。

 

「ナディア」

「まさか、魔障の発生する瞬間がみれるとは。原因は幾つかあると言われているけど」

 

 放置していたら危なかったのでしょう。私たちが倒さなければ発生しなかったとも考えられますが、まぁ良い結果に終わって良かったですわ。それにしても、あちらはまだ言い争いを――――終わっていましたか。長かったら強制的に終わらせようとしてましたが、まぁ良かったです。

 

「なにか、悪巧みな顔をしているぞ。お前」

 

 青の勇者ソラの不機嫌な顔に、周りの女も私への視線が鋭い。簡単に言えば誰か1人解雇されそうになっているのですもの、私が邪魔だとおもっているのでしょうけど、さきの戦いで無力な自分を恨んで欲しいですわ。

 

「いいえ、話はまとまったのでしたら早く街に戻ることを提案させていただきますわ。後見人さまがた」

 

 同じ時間を要して来た道を戻るなか、なにやらあちらの馬車が騒がしいが、帰路は静かに帰りたいものですわ。ですが、こちらの馬車の中でもうるさいのです。目の前で淑女たる姿を斜め行った大きな口をあけてながらの寝ているナディアのいびきが酷すぎて目に余る光景。

 まぁ、今回の依頼で私は1つランクがあがった事でしょう。ランクがあがれは上質な冒険者として貴族達の耳にも入りますし、一目置かれますわ。目の前にいるB+の冒険者でさえ青の勇者ソラや赤の勇者グレンでさえナディアにはつっかかっていませんでしたし。

 まぁ、はやくホクカムライに着いたらアイリスの居場所を突き止めなくてはいけませんわ。

 

 

 ◇◇◇◇

 

 

 冒険者組合のカウンターで依頼報告をしているのですけど、私たちの背後に青の勇者ソラと満面に笑みでいる女3人。先ほどまで騒がしかったのは何なんですか?ナディアが受付嬢となにか話してるみたいですが、後ろの浮かれた声に私は不快ですわ。

 

「どうした。俺がきになるか?」

「あなたの仲間のお三方の声や動きに眼が余りますわ」

「そうか――――仕方ないだろう」

「そうです。マリベルさん、ソラはそれはもう――――格好いい」

「マリン、それを言うなら美に勝る素敵さだ」

「ラピスもマリンもダメ。ソラはまさに神」

「な。わかっただろ」

 

 いや、わからんて。全く何が言いたいが全くわかりませんわ。周りの女性から賞美の声に髪をかきわけ微笑とキメた顔に、全身悪寒がはしりましたわ。

 

「まぁ、マリベルさん。私たちの仲間のゲストとして入ってくださるのですか?」

「はい?」

 

 優しい顔の治癒術士マリンが嬉しそうな口調で尋ねてくる事に驚いてしまいました。ですが、わたしは低くキリッとした眼を突き付け。

 

「いいえ、わたしはお断りさせていただきますわ」

「ふん、ゲストということだ。勇者の加護はあたえれんが情報は入ってくるぞ」

 

 私の目を見開く、受付嬢と話しているナディアが固まる。『情報』それは武器。アイリスの居場所を知るのに、冒険者組合を色々当たって探すよりも貴族界隈での情報が強い。勇者は全員貴族の者であり、経験済み。悩む私に青の勇者ソラの口角が緩み始めている。

 わたしにとってコイツの策にハマるとは、もしや赤の勇者グレンから何か聞いていた?

 だが、そんな戸惑っている私のよこでナディアが「私とマリベルをゲストとしてなら」といつの間にか私の横にいる。

 

「君は、冒険者ランクは?」

「B+だ」

 

 目を閉じ考えている青の勇者ソラに女3人はうっとりとしている。考えているのですわよね?行動いちいちがキザで痛々しい動きをするものだからそんな目でみてしまいますわ。

 

「よし、わかった……」

「それ、ちょっと待った!!」

 

 透き通るような男性の声が青の勇者ソラの笑顔を曇らせる。

 青の勇者ソラと仲間がその声の方へ振り向く。私の眼に入ってきたのは、赤い髪をなびかせ少し豪華な法衣を着た背の高い男が立っていた。突如介入してきた男に眉間をよせている私。振り向きざまに手の平を前に出している青の勇者ソラが、赤い髪お法衣男に大声を上げる。

 

「だれだ?」

「そうですね。私は教会の者です。名前はラファエルと言います」

「教会の者が、なぜ止める?」

「勇者様の加護は仲間3人まで。ですが、ゲストをいれるのは何らの要件がある場合」

 

 そう、例えば先ほどフロストフィアスウルフ討伐に同行する等依頼内容が被ってしまったり、旅の途中で帰還や移動が困難なときなど助けを求めたときだ。何の意味も無くゲスト同行とし人数制限もなければそれは小規模の軍隊であり騎士団相当のもの。

 

「ですが、ラファエル卿」

「きみは。ナディアさんだね」

「ええ、私たちは困っているのです。それに青の勇者ソラ様は情報を集めて教えて下さると、その間同行し戦闘などの共有ができればとの」

「そうか、でも情報ならこの私ラファエル。教会でも上の方にいる者だ。かなりの情報なら提供できるぞ」

「それでしたら、白の勇者アイリス(・・・・・・・・)の居場所を」

「――――なっ!?……それは……」

 

 ナディアの言葉に目を見開き一瞬たじろぐラファエル。

 あぁ、やはり勇者がらみの情報は貴族から得るのがはやって言うことですわ。少し期待して損してしまいました。できたらこんないつも髪を靡いていたいキザ男と居たくはありませんでしたの。でも、アイリスに会えるなら情報がえられるなら我慢しますの。

 私は深いため息を吐きながら外に向かう。

 

「ラファエル卿。このたびはお会いできて光栄です。ですが私たちは一切あなたに興味がございませんので失礼いたします」

 

 私の言葉に唖然とするラファエル。その横を通り過ぎる私とナディア。そして青の勇者ソラとその仲間も少し困惑している様子ですが、私たちに着いてくる。冒険者組合を後にする私たちの背をみながらラファエルは立ち尽くしていた。

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