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2 女神さまの恩恵に感謝。そして行動ですわ

 私は三日三晩寝込んでいたらしい。

 付き添いのメイドが、教えてくれた。

 だが、その3日は私にとって2年と半年の時間があった。

 私の世界とは違う魔法が無く、文明が発達した世界だったの。

 ある一部屋に意識体として閉じ込められた私が見たのは、私がいる世界の名『アヴァンラムール』を題材にしたゲームという遊戯があったわ。

 このゲームは、五部作からなる物語。

 男勇者に着きそう女を操って、勇者はもちろん貴族と恋仲になり幸せを掴む『乙女ゲーム』となるもの。

 知ったのは勇者は4人いて、男勇者は3パーティーあり後1人は、女勇者のアイリスだった。

 まさか、ここに来てアイリスに出逢えるのは運命!?

 心が激しく鼓動したけど、このテレビとなるものに映し出されたアイリスの可憐さが少し欠けているわっ!!

 そして、その部屋の女神像に似ている住人が、夢中やっていた。

 しかし、第5部を完全に終わる怒りだしスマホといつ薄く手のひらサイズの板で話し始めていたわ。そして、怒りおさまらなかった次の日、そのスマホを操作していたのよ。

 わたしもずっとそのゲームをやっているのを見ていたのよ、スマホの画面を見さしてもらった。住人が舌打ちをしたと思ったら不気味に笑っている。内容も住人と一緒に見たわ。

 すると、スマホが鳴り出す。


『おっ、見たか!! 見たと思って電話したぞ』

「まさか、こんな卑怯な」

『卑怯とは心外。 経営戦略と言って欲しいなぁ。 私たちの女神さまぁ〜』

「その呼び名を止めろ!! 昔っからそう言って」


 女神様!? あの像とそっくりとおもってたらもしかしてここは、神の世界なの?


『まぁ、でもやり込みすぎたユーザーにとってもいいと思わないか?』

「今まで獲得したヤツを使えるとなると――――」

『何も取り柄のない貴族令嬢の主人公が、旅立つまでの三年間どれだけ成長できるかが物語の進行をする上で重要になる』

「今回、乙女ゲームでは無いなぁ〜。 コレは完全に」

『そこはやはりアナタの動画でなんとかやってくれ。 クソゲーから一転、女神さまぁ〜の動画配信で大ヒットしたんだから』

「異性と恋仲になることを邪魔しつつか――――発売まで3ヶ月にどれだけやり込めるか!?」

『そうね。 アイリスに関してはレベルが上がらないけど経験値は入るもんね』

「はっ? つまりコレは……」

『そうよ、アイリスのレベルアップするわ』

「なんか――――情報くれ、配信するから」

『五部作コンプリートしてたら特典あるし、後でメールする。動画楽しみにしているわよ――――女神さまぁ〜』

「それで呼ぶなっ!!」


 怒りながらも薄ら笑いをする住人――――いえ女神様。

 なんというかアイリスは好きな人ですけど、女神様は憧憬なのでしょう。共に居た時間、その美しいスタイルを堪能していた事は口にしません。


「さぁ、早速準備に――――」


 女神様が、その言葉を口にした瞬間。

 部屋の済からじわじわと押し寄せる闇。

 少しずつ私を包んでいく闇が、私の意識を失わせていく。

 あぁ、あの時と同じ……。

 完全に意識を失うその時、私の脳裏に浮かび上がる文字。

 

 

 《継承:Newgame+発動》

 

 《セーブデータ、引き継ぎ完了》

 

 《獲得したアイテム、スキル利用可能》

 

 《魔物図鑑、人物図鑑、各国街や都市図鑑閲覧可能、時系列項目追加》

 【3年後、《継承:Newgame+》から《メニュー》に変更されます】

 

 

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 私の意識に光が入ってくる。

 目を開けると見知っている天井と雰囲気。

 そして、顔を横に向けると口を半開きにし驚くメイドがいる。


「マリベルさま、お目覚めに!!」

「――――えぇ」


 目が潤うメイドの名はアンナは、「奥様」と大声で部屋を出ようとするが、ドアノブを手にかけた途端くるりと反転し戻ってそのまま椅子に座る。


「マリベルさま、三日三晩寝込んでました。 体の調子はどうですか?」

「何ともないわ」


 その言葉を言いながら体を起こすと何故か、晴れやかな笑顔になるアンナ。

 だが、違和感を感じるアンナの顔を見つめていると、少し焦った様子のアンナ。


「そ、そうですよね」

「倒れて……」


 三日三晩寝てた!!

 倒れる前って確か――――闇に呑み込まれ……。

 いや、なぜ寝る前、部屋から出よ……って……。


「あぁぁっ!!」

「どうしました、マリベルさま!?」

「わ、わたしぃぃっ」

「……」

「ちょっとぉっ。 アンナなんでそっぽ向く?」


 私から顔を逸らすアンナは、何故か頬を赤く染め呼吸を乱し鼻息が荒くなっている。

 だが、そんな事よりも私の顔から火が出るように恥ずかしさのあまり布団で顔を隠す。


「見たの?」

「ええ、駆けつけた時はもぅ」

「あぁぁぁぁあっ!!」


 恥ずかしさで布団に潜ってしまう。

 やはり漏らすよね。

 これからは寝る前に必ずしようと心掛けようと思う私。

 

 私のギフトが、どうなったか気になったため目を閉じギフトを思う。

 相変わらず《継承:Newgame+》は変わらないが、沢山の数字が浮んでいる。

 これって減っている? 時間よね、少しずつ秒読みになってる?

 

 ギフトの事は気にせずに、私は着替えてお父様の部屋に足を運ぶ。


「やっと目覚めたか」

「お父様。 心配かけました」

「まぁ、良い。 それよりもここに来たって事はどちらにするか決まったという事か」

「いいえ、まだ私には決めかねます」

「では、なんでここに来た? 私は忙しいのだ」


 この都市の管理を担っている父親ダグラス。

 いつもは、姉のメリアも政務として動いているが、今日は領主様の所へ出掛けているらしい。


「3年間私は、しっかりと真剣に様々な事を学び成長したいのです」

「うむ、そういう事か!! 行先は決まっているのだな」

「でも、不安で」

「なんだ。 言ってみろ」

「教養もそうですが、念には念をと思い。 武術や魔法を学びたいのです」

「必要か……不安と言ってたな。 まぁそうだな、それもまた必要なのかもしれんな」


 勘違いで納得してくれてありがとうお父様。

 私はまだ、どちらにするか決まってないと言ってるのに。

 微笑ましく頷く父親ダグラスは、ペンを取り何かを書いてメイドに渡した。


「マリベルの為に家庭教師を呼ぼう。 王都にいる家庭教師だ」


 その言葉にした父親は、更に満面の笑みで仕事に取り掛かる。私は、部屋を後にし自室に戻る。

 3年間なのよ。三年間。

 女神様が会話で言っていたし書いてあった。

 成人する3年間、何を伸ばすかで成長が変わると。

 なら、私は全て成長し強くなるわ。

 3年間何処にもアイリスに会いに行く事すら、出来ないなんて……なんてもどかしいのよ。

 でも、私は必ずアイリスと――――。

 心に誓う私は、この3年間真剣に取り組むのであった。

読んでいただきありがとうございます。


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