1 出会い
これから書いていきます。よろしくお願いします!
ベネット村、人口は五十人に届くかどうかと言ったぐらいの小さな村。俺はそんなところで。毎日遊んで過ごしている。
「いってきまーす!」
そう言って今日も俺は家を飛び出した。今日は森を探検する日!
後ろからお母さんの怒鳴り声が聞こえるが、気にせずに目的地に向かって思いっきり走る。
母さんは森に入るのは危ないと言っていたが、あそこにいるのはせいぜい猪ぐらいで魔物なんていない。
ベルモンドおじさんに剣を習ってる俺の敵じゃないってことだ。
そんなことを言ってるうちに早速面白いものを見つけてしまった。なんと俺よりもデカい猪だ。
こんなの倒したらベルモンドおじさんにほめてもらえるんじゃないか?
そんな期待を胸に逃げる猪を追いかける。だけども、現実はそうも上手くいかなくて
「見失った...どこいきやがったんだ...」
あれから1時間ぐらい追いかけただろうか。全然捕まらずに結局見失ってしまった。
疲れた俺は地面に仰向けに寝転がる。
(あーあ...あんなおっきな猪なんてめったにいないのにな。)
そんなことを思いながらぼーっとしていると、俺のすぐ横の茂みの向こうから何かが走ってくる音が聞こえた。
(・・・猪か?)
俺は確認するために、音の方向へ向かった。猪かそれ以外の生き物か。魔物だったら嫌だなぁと思いながら。
だが、そこにいたのは女の子だった。
女の子は綺麗な水色の髪をした綺麗な子で、まるで人形のようだった。けれども着ている服は木の枝や葉っぱが引っかかったり、ところどころ裂けていた。
そんな彼女は何かを諦めたような、悲しそうな表情をしていた。それを見た俺は自然と声をかけていた。
「大丈夫か?」
「!?」
女の子は俺に声をかけられたことにとても驚いていた。そんなにおかしいことだろうか。
「どうしてこんなところにいるんだ?それも、女の子たった1人で」
「っ....」
俺が聞くと、女の子は泣きそうな表情になり黙り込んでしまった。よく見ると女の子の目の周りは赤くなっていて、頬には涙の跡があった。既に一度泣いていたのだろう。...親とはぐれてしまったのだろうか?
「こんなところに1人でいたら危ないぞ。一旦俺の家にくるか?」
「....いいんですか?」
女の子が初めて言葉を口にした。とても綺麗な声だった。
「当たり前だろ。ほら、立てるか?」
女の子に手を差し出すが、なかなか立ち上がれない。やはりかなり疲れているのだろう。ならばと、俺は女の子の前にしゃがむ
「ごめんなさい。なかなか立ち上がれなくて...」
「乗れよ。立てないんだろ?」
女の子は「ありがとう」一言そういって、俺の背中に乗った。彼女は思っていたよりも大分軽くて軽々と持ち上げられた。そのまま歩いているといつのまにか女の子は寝てしまっていた。...クソ可愛いな。
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