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剣闘奴隷編 6日目

すいません、今日の更新はこれで最後になります。


目が覚めると、見慣れない天井が見えた。

ふと起き上がる。フォレストウルフに嚙みつかれた自分の腕を見る。

傷もなく、痛みも全くない。


「おや、もう目が覚めたのかい?流石流れ人は傷の治りが早いねぇー。研究の遣り甲斐があるなあ。」

身体の線が細く、白衣を着た眼鏡をかけた男がにやりと笑いながらそう俺に言ってきた。


「そうそう、自己紹介がまだだったね。私の名前は・・・まあ、皆私をドクとしか言わないからドクって呼んでくれ。私は君たち剣闘士の治療を行っている医者だ。」


白衣も着ているので、言っているのは嘘ではないだろう。

良く見ると白衣も所々赤や茶色い染みが出来ている。一人でやっているのだろうか。


「あなたの名前は?」


不意にドクさんの足元からひょっこりとかわいらしい女の子が出てきた。

「おやおや、レイが自分から話しかけるなんて珍しいね・・・。」


くりくりとした大きく綺麗なエメラルドグリーンの瞳でこちらをジーっと見つめたまま動かない。

驚きつつ、少し間が空いてしまった。

朝日野竜(あさひのりゅう)。りゅうでいいよ。」


「あさひのりゅう・・・、リュー」

そう言うとテクテクとドクの足元から離れて行った。


「あぁ、ごめんね、あの子は気になったら少し変わっていてね。

 私の可愛い娘だから危害や襲おうなんて考えはしないでね・・・。」

ドクさんがグイと俺に顔を近づけて脅してくる。

そんな脅しというか顔が離れるまで俺はうんうんと首を縦に頷き続けた。


娘さんだったのか、まあ、あれだけかわいいなら過保護にもなるだろう。

というか、俺にはそんな趣味は無いから、まったく大丈夫だ。

というか、こんな所にいない方が良いような気もするが・・・。


そんな気の抜けた事を考えつつ、ドクさんの診療も終わり訓練場へと戻る。

治療室を出る際に他のベッドを見たが、色白の男の姿はなかった。


そして訓練場へと向かう。道順はドクに教えてもらったので迷わずたどり着いた。

そこには、既に短髪の男と昨日飯を一緒に食べた同じ流れ人の先輩たちとミワさんがいた。


「お前もよく生き延びたな・・・。」


残念ながらここ訓練場にも色白の男の姿は無かった。



その後、自己紹介を行った。

まず流れ人同期である短髪の男は「マサ」元大工で格闘技を少しかじっていたらしい。

ちなみにフォレストウルフを二体倒したとの事だ。



続いて先輩たち

厳ついスキンヘッドの男は「ハル」さん、ここに来て3年ほど経っており歴戦の戦士感がすごい。

ただ、その見た目でハルっていう名前はちょっと気合わない気がした・・・。

そう思った瞬間めちゃくちゃ睨まれたので冷や汗が止まらなかった。


次はキザな男、関西弁で良くしゃべる男は「アキトシ」さん

アキトシさんは、ちょうど一年ぐらい経過してようやく新人から抜けたと自分で長々と説明してくれた。

最後に前髪が目までかかっているちょっと暗めな人は「みつる」さん

基本的に無言なので情報は名前しかわからなかった。

これでここにいる流れ人はミワさん含めて6名ほど。


「おし、今日は珍しく洗礼から生きて戻って来られた奴がいたから祝いでもするか。」

ハルさんがうれしそうにそういうと、俺らもうんうんと頷いた。


「しかも二人も生きても戻ってくるのも珍しいしなぁ。」

ふと、物騒なことを軽く言うアキトシさん。


異世界でも酒が飲めるとは思わなかったが、先輩たちに連れられて、少し離れたレストランへと向かった。


既に外は暗くなっていた。

今日も綺麗な満月が二つ見える。ただ、心なしか昨日よりも明るく輝いているように見えた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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