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小料理 タヌキ屋 3  作者: まんまるムーン
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4




 リコを幼稚園に送り出して駅に向かうと、里香とばったり会った。


「美咲! ちょっと時間ある? お茶していかない?」


今日の里香はどこかハイテンションだ…。何故か嫌な予感がする…。


「ちょっとさ…話したい事があって…」



運ばれてきた抹茶オレを飲みながら里香は話し始めた。


「里香はさ…その…好きな人とかいないの?」


「え?」


「気になる人とかさ?」


「そんなのいるわけないでしょ! 結婚してるのに。…まさか?」


「うん。」


「マジで? 誰なのよ?」


「…実は…」



里香の話によると、なんと相手は遥の夫なのだった!


「ダメでしょー! 友達の旦那なんて一番やっちゃダメでしょ!」


「私だってそう思ってるよ! だけどしょうがないじゃん」



遥の娘も里香のピアノ教室に通っていて、送り迎えを遥の旦那さんがすることが多く、最初は世間話程度だったのが、次第に遥の旦那さんの相談を聞くようになって、そういう関係になってしまったらしい。


遥の夫は同年代だが、見かけよりずっと若くてセンスもいいので、何も知らないと独身に見える。

遥と同じく一見人当たりもよくて爽やかだ。


幼稚園の他のお母さんたちにも秘かに人気があって、里香が惹かれるのも無理はないかも…。


だけどやっぱりどこか嘘くささを感じる…。

とにかく似た者夫婦だ。


里香が言うには、間違いを犯したのは一度だけらしい。


それにしても…それにしてもだよ!



「美咲は、正直…遥の事どう思ってる?」


「どう思ってるって…友達でしょ…」


「腹割って話せる?」


「…」


「でしょ。間違いを犯した私が言うのも悪いけど、正直前から遥には距離を感じてたんだ。こっちがぶっちゃけてんのに、あの人絶対本心言わないじゃん。てか逆にさとされるし。遥と話していると、すごくバカにされてるような気がしてたんだ。」


「確かに…。私も本当はそう思ってた。…にしても友達の旦那と浮気しちゃダメじゃない!」


「仕返しとかじゃないよ! 復讐してやりたいなんて思ってもないもん。ただ、遥の旦那の愚痴を聞いてたら、可哀そうだなって思ってきて…そこからだんだん気になっちゃって…向こうも同じ気持ちだって言ってきてさ…」


「愚痴って遥の事? 愚痴言うようなことないような感じだけどね。なんだか完璧そうだし…」




「それがさ!」


里香は前のめりになって話し始めた。





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