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とりあえずお礼のメッセージを送らなきゃ。
“お疲れ様(ニコニコ顔文字)さっき美穂が送ってくれた小包が届いたよ(小包絵文字)
あまりの豪華さにビックリしたよ~(ビックリ絵文字)
なんだか気を使わせて申し訳ないわ(申し訳ない顔文字)
みんなで美味しくいただくね(ハート)
本当にありがとう(ハート)
帰ってきたらまたランチ行こ~!(ナイフフォーク、ニコニコ、ハート絵文字)”
はぁ~。とどめに感謝スタンプとハートスタンプと…。
お礼のメッセージ&スタンプを送ってとりあえず安心したところで、すぐに既読が付いた。
“お礼なんていいのよ~(顔文字)
ほんの気持ちなんだからぁ~(汗文字)
本当は海外に行こうと思っていたんだけど、真凛が長時間飛行機に乗るの嫌だって言うもんだから北海道にしたの。でも、国内も捨てたもんじゃないわね~(汗文字)
ホテルも思ったより全然良かったし
(ホテルの外観内装の写真連投)
温泉もいいのよ~、美魔女になれるかしら?(キラキラ絵文字)
食べ物も美味しいし。
あ、そうだ!
今度ママ友グループで一緒に行かない?
国内だから気軽に行けるし。
子供たちも一緒だったら大丈夫でしょ?
私幹事するよ~!(ニコニコ顔文字)
(一緒に行きましょうスタンプ)
(ハートスタンプ)
…はぁ~…
溜息しか出ない。この豪華な贈り物のお返しですら頭を悩ませているのに、子連れでママ友と北海道旅行なんて冗談じゃない! 大体、佐伯家とうちとじゃ経済格差がありすぎるのだ。
「ママー、できたよ~!」
リコが呼ぶのでダイニングへと向かった。
「美味しいね」
「うまいな~。」
二人は手放しで喜んでいる。
「おまえまだそんなつまんない事で悩んでんの? ありがとうって言っとけばいいだろ? こっちもどこかに行ったときにお土産買ってくればいいじゃん。」
「どこかに行く予定なんてあるの? そんな余裕うちにはないじゃん! このマンションだって買ったばかりだし、車だって今度車検が来るんだよ!」
「はぁー、せっかくのご馳走もまずくなるな…」
夫はそれきり私と会話をしなくなった。
他のママ友はどう思ってるのかな…。