表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ArmorsWar ”機甲師団の戦い”  作者: わたもてぃ
5/13

5:専用車両

射撃試験を無事に終了して見事合格した宮道、そこにリエナが来て言われたこととは?


登場人物

宮道光:Age27 階級:伍長

アリア・レイス:Age25 階級:軍曹

リエナ・ハイラ:Age22 研究所 所長

ルーク・レイス:Age45 階級:司令官

宮道「リエナ…話が早くないか?」

リエナ「だって、試験合格の連絡はうちの研究所内の電光掲示板に即座に連絡が来るもの。だからついでということでさ。」

宮道「ついでで愛車のライセンスを司令官に提出することないだろ。」

リエナ「いつもは司令部から指定されている車両を生産ラインに指示しているけど特別車という試作車両リストから好きな車両を選らんでもいいのよ?」

宮道「じゃあその特別車から選ばせてもらおうか。」

リエナ「そうと決まれば早速行こうか。」

アリア「宮道殿…目が輝いておるぞ…」

何故特別車の方に俺は選択をしたのかって?それは俺が転生する前の世界で一度乗ってみたい車両があるからだ。もちろんその車両が試作車両リストに載っているのか不安なところがあるけれど…


研究所内にて


???「そういえば所長はどこに行ったの?!また冒険心でも擽られて車両データや試作兵器実験所にでも行ったのか?」

所長書記「いえ。今はある人材の事を詳しく知りたいと言って第73番車両車庫に行きましたが…」

???「早く連れ戻してよ!あの人は常にうろついてないと生きていけないのか?」

レイトのオレンジカラーの作業服を着た小さな女の子が所長を探してる。胸には砲兵科と書かれたバッジをしている。


研究所は司令部のすぐ隣にある大きな建物だ。他の部署が入ってないため建物自体が研究棟となっている。その正門に向けてリエナと二人で歩いてると何やら研究棟が慌ただしい。

やがて正門から出てきたオレンジカラーの作業服を着た小さな女の子がこちらを見た瞬間走ってきた。

???「リエナ所長!どこ行ってたんだい!」

リエナ「アイラ、何かあったの?あ、紹介するね。砲兵科のアイラ・バトラーよ。」

アイラ「ちょっときてくれ!面白いものを見つけたんだ!」

リエナはアイラというオレンジカラーの作業服を着た小さな女の子と共に防壁の方向に走っていった。どうすればいいのかわからない俺は、とりあえずリエナの後を付いていった。


レイト東側防壁地から75km離れたところにある無数の窪地にて

リエナとアイラと俺は無数にある窪地の一つで作業している様子をのぞき込んでいた。ここにある無数の窪地は防壁に備えてある榴弾砲があけたものだという。その窪地の奥深くに戦車の砲塔らしき部分が見える。

宮道「こういう残骸はよく見つかるものなのか?」

アイラ「あまり見ないよ。だからこそ珍しいのだよ!」

リエナ「これは良い研究対象ね!帰ったら研究が楽しみだわ!」

採掘作業が進むたびに、その砲塔部分はどこかで見覚えのある形をしていた。被弾経始の思想が随所に見られる設計となっているため上から見ると笹かまぼこみたいな形をして、正面から見るとかまぼこ型をしている。防盾には砲身付け根から少し上のあたりに二つ穴が開いていて砲手用の標準口と機銃口がついている。

さらに採掘作業は進む。

細身の砲身の中間地点には排煙器が付いているが、そこから先は折れて曲がっていた。

車体は前面が鋭角になっているが原型が残っていて少し大きめな転輪と履帯が右側に残っているだけであった。


宮道「こいつは74式戦車じゃないか!何でこの世界にあるんだ!」

リエナ「ナナヨン?初めて聞くわね。」

アイラ「ナナヨン?そいつは強いのか?」

宮道「この車両をベースに俺の車両を作ってくれないか?頼む!」

リエナ「じっくりと研究した後になるけどいいかしら?」

アイラ「じゃあまずはこいつを運ばないとな。」


レイトの研究棟地下4階にて

ここでは掘り出し物を研究、解析、モックアップ化する特別設備がある。掘り出し物は”オーパーツ„と呼ばれ、大切に保管される。だが特別な場合は車両をベースとして使用可能状態にすることもできる。


ついさっき掘り出された74式は早速研究、解析対象となった。装甲厚、主砲口径、乗員配置や車載装置など、ありとあらゆる部分を研究したのちに、モックアップ化に取り掛かった。


出来上がったモックアップはまさに74式そのままであった。


アリア「解析した結果としてこの戦車は主砲口径105mm、装甲厚は砲塔部分で正面190mm、側面で35mm、背面25mmよ。流石に薄いわね。車体は正面上部で189mm、正面下部で139mm、側面、背面は砲塔と同じ数値よ。乗員は4名で、砲塔に付いてる機銃はリモコン式機銃ね。エンジン出力は2200rpmね。あと面白い機能としてサスペンションを油圧で動かすことができるみたいね。」


宮道「じゃあ主砲は105mm自動装填装置付き電磁コイルガンとEPAをのせて、装甲は砲塔正面を200mm、車体正面を砲塔正面と同じ数値で、油圧サスペンションを復元して、エンジンを小型核融合炉エンジンに換装してくれないか?」


リエナ「任せなさいな。工場長に連絡を取って今すぐ取りに来てもらうように伝えたよ。出来上がりには…そうね、3日間位掛かるわ。」


アイラ「やあ!宮道君よ!私をそのナナヨンに乗せてくれないか?」


宮道「乗るのは構わないけど…兵科違うんじゃない?」


リエナ「あー。アイラはね、一応陸軍の試験も受けているから平気じゃなかったっけ…階級いくつよ。」


アイラ「伍長だぞ!」


宮道「同じか。じゃあアイラには砲手をやってもらいたいな。」


アイラ「当てるのは任せろ!」


こうして、俺の車両と砲手としてアイラ・バトラー伍長が決定した。



軍属になったので宿舎が決まるが、基本的に自由なので6階の右端っこの部屋にした。手荷物と帰り道に街で寄った服屋で買った服を持ち込み、腰につけてたM1911をラックにしまうとドアをたたく音がした。誰だろうと出てみると、アイラがいた。


アイラ「宮道ー!私も一緒になってもよろしいかい?」


一人でいるのは寂しいからどうぞどうぞと声をかけて、室内に入れた。


アイラ「いやー。ここに来るのに迷っちゃってさ。砲兵科の宿舎から移動するのも大変だったよ。」


しばらく話をしていると、また扉をたたく音がした。今度は誰だろうと出てみたら、アリアがいた。


アリア「私もご一緒させてもらってm…ってアイラじゃないか!」


アイラ「やあやあ、アリア。久しぶり。」


どうやら知り合いだったらしい。アリアに車両の事とアイラが砲手になったことを伝えると、私は操縦手になりたいのだがいいかな?と聞かれたのでぜひとも。と返事をしておいた。



3日後…


レイト製74式戦車もとい74式戦車の試運転をすることになった。場所はレイト西部に位置する第6演習場だ。主に射撃試験と走破試験を行って正常動作すれば実戦配備決定だ。


宮道「全員乗り込んだか?」

アリア・アイラ「搭乗確認!よし。」

宮道「これより74式戦車の射撃試験及び、走破試験を開始する。戦車前進!」

アリア「了解!エンジン始動、第一戦速、TE113地点よりTE90へ移動開始!」

軽快な起動と共に響き渡るエネルギー音によって74式は移動を開始し始めた。

宮道「砲手用意!敵方向15時、距離3000、仰角調整、弾種AP」

アイラ「了解!弾種AP用意、射撃準備完了!」

宮道「撃て!」

105mmコイルガンから放たれたAP弾は目標の中心を射抜き、弾受けとなる土嚢に突き刺さった。


所で、なぜコイルガンにしたのだろうか。

レールガンは莫大なエネルギーを使用して弾体を高速移動させているが、74式の砲塔はアメリカやドイツの戦車みたいに砲塔が大きくない。なので少エネルギーで弾速もそこそこ出るし、占有スペースの少ないコイルガンを選んだ。それにコイルガンのほうが射撃時のブラストがレールガンみたいに出ないので射撃位置を特定されにくい。


宮道「続いてハルダウンにおける射撃と電磁防御装甲の試験を行う!稜線位置に移動開始!」

アイラ「了解!左方向の稜線に移動をする。」

宮道「EPA始動!」


74式戦車は油圧サスペンションによってハルダウン時は最大の防御を誇る。そしてこの世界特有のEPAを始動させることにより、レイト製74式は砲塔装甲200mm+EPA装甲400mmで最大装甲厚600mmに達する。


試験装置から放たれたAP弾はその装甲厚によって鈍い音を立ててその場に落ちた。



宮道「試験終了!おそらく実戦配備できるレベルには仕上がったと思うぞ。」


試験が終わって74式を車両倉庫にまで運んでいる最中に警報が鳴った。

「西門方向にて敵車両10台を発見!距離27000m!繰り返す!西門方向にて敵車両10台を発見!距離27000m!」

宮道「急げ!車両準備をしてくれ!」

アリア「だがこいつはついさっき試験をしたばかりだぞ!」

宮道「俺達が一番近いんだ!用意をしてくれ!」

アリア「了解。」

アイラ「搭載弾数を確認したが実弾でAPが2発、APFSDSが3発しかないぞ!うちAPはさっき1発撃ったから残弾数が合計で4発だ!」

宮道「砲兵隊の準備が終わるまで時間稼ぎできればいい!いくぞ!」


西門から2000m離れた窪地にて着弾観測装置を展開しつつハルダウンの態勢で待機していたら敵車両を確認した。


宮道「距離20000m、正面、11時方向に敵3、12時方向に敵4、14時方向に敵3か…しかもしっかりとフォーメーション組んでやってくるな。12時方向の4両は他とは違う車種だ。」


アイラ「12時の4両を相手したほうがいいかな。弾種はAPでいいか?」

宮道「そうだな。初弾AP用意。あとアリアは着弾観測してくれ。」

アリア・アイラ「了解。」


宮道「砲兵隊準備の方はどうだ?」

砲兵隊「宮道伍長。こちらはいつでもいけるぞ。」

宮道「では11方向の3両と14時方向の3両をお願いします。」

砲兵隊「了解。」


アリア「距離19000、そろそろ射程に入るぞ。」


砲兵隊による155mm榴弾砲による射撃が開始した。着弾地点には7mほどの土柱が次々と上がった。


砲兵隊「こちら砲兵隊。指定された6両に命中、撃破。」

宮道「了解。支援を感謝する。アイラ、EPAを展開後に自由射撃。外すなよ。」

アイラ「了解。」


比較的小さな射撃音を響かせながら74式の105mm砲が火を噴く。着弾と同時に敵車両は金属音を響かせ、正面装甲に空いた弾痕から火を噴き爆散していく。なかには弾薬庫誘爆で砲塔が吹っ飛ぶ姿を確認した。(ロシアのT-7〇かな?)


約1時間ほどで決着がついた。

宮道「戦闘終了。主目標殲滅完了。」


車両を車庫に戻している時に思ったが車長に渡されたマニュアルには撃破車両の調査をすること。と記載してあった。

宮道「はあ…撃破車両の調査と車両性能を本部にレポートで出さねばな…。」

アリア「お疲れ様。じゃあ宿舎に帰るか。」

アイラ「宮道お疲れ~。アリアと宮道はこの後暇?暇なら酒場に飲みに行こうよ。」

アリア「じゃあ行こうかな。」

宮道「いいねぇ。っというか酒場あるのか。」


異世界酒場か。ちょっと楽しみだな…。


いつも読んでいただきありがとうございます。筆者のわたもてぃです。

ここの所、私の方が諸事情にて忙しくなりますので投稿間隔にずれが生じる場合がありますので何卒宜しくお願い致します。

今回は書きたいことが多くあってついつい追加で書いた結果がこうなりました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ