2:謎の二人と戦車
新世界に降り立った宮道光は周辺に一つだけあった崩れた建物を探索する。そこで起こった事とはいったい?
光になって新世界に飛ばされた俺が最初に見た光景は、草原のど真ん中にポツンと崩落しきった建物が一つ
という景色だった。
「何故ここに飛ばされたんだか分からないが、とりあえずあの崩落した建物を探索してみるか。」
持ち物はバックの中に財布とライト、あと何故かサバイバルナイフとロープ。
あの神らしき人がここに飛ばす際に用意してくれたのだろう。
建物は3階建てで縦横おおよそ50m位あるだろう。
崩れ方的に何かの爆撃でやられたような崩れ方をしていた。何よりこの崩れた建物の中心に直径20mの大きな穴があいていたのだから…
全ての部屋の探索で手に入れたものはM1911、45ACP弾が19発、M1911の空マガジン3つと謎の鍵。
この鍵の特徴としては乗用車用の物とは違ってのブレード部分の幅が大雑把に作られている事。
だがここで謎が3つ。
一つ目。建物周辺には倉庫が何一つなかった事。
二つ目。すべての部屋は鍵穴がない事。
三つ目。この鍵はこの建物から見つかった事。
これらの推測からして、謎の解明は直径20mの大穴がカギを握ってると考えられた。だがもう暗くなってきたので探索の方は明日にしよう。
こうして新世界1日目は崩落した建物の探索という荒廃した世界みたいな終わり方をした。
???視点
宮道光がこの世界に落ちてくる3日前の出来事。
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???「早くしろ!上空に爆撃機がいるんだぞ!」
???「わかってる!でも鍵が見つからないんだよぉ!」
???「だからあれほど落とすなと注意しただろ!このおまぬけさん!」
???「ごめんなさいってばー!」
???「おい!急いでこっちにこい!」
???「ヒェッ!」
二人のちょっと高めの声が響く。
その瞬間。
轟音を立てて建物全体が揺れ、二人が逃げ込んだところには蓋がされた。
一人は緑に茶色のまだら模様が入った戦闘服を着ており、方には黄色い3本線があるので軍曹だろう。もう一人は青い横しま模様が入った服にジーパン、ぐるぐる眼鏡をかけており白衣を着ている。おそらく科学者であろう。
科学者「危なかったぁ~…」
軍曹「探索しに来たのにあのカギを落とす間抜けがどこにいるんだよ!明らかにその辺の鍵とは違うじゃ ないか!それに落としたら”こいつ”が動かせないだろ!」
軍曹がぶちぶち文句を言いながら何か厚いものをたたく。明らかに装甲板らしきものだ。
科学者「許してくださぁい!この研究所の大事なものは全部回収したからぁ!」と泣きながら叫んでる。
どうやら彼女らはこの研究所に用があったようだ。
軍曹「所で…逃げ込んだのは良いがどうやって出る?”こいつ”は鍵がないから動かせないし、出口はふさがれてるし…幸い食料と水があるからどうにかなるが…」
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宮道光視点
二日目になった。「おそらく1階のどこかに何かの入り口があるだろう。」そう推測をした俺は、1階をくまなく探索していた。見つかるものはどれも45ACP弾が多いが中にはこの世界の通貨であろう銅の硬貨や金色の穴の開いた硬貨であったりと地道な拾い物探しになっていた。
だが、拾ってるうちに硬貨がある場所の前で曲がるように落ちていた。20mの大穴から右に行った所には瓦礫が積もっていた場所があった。この瓦礫は爆風の衝撃でここに飛んだだけだろと思っていたが瓦礫のうしろにはコンクリートでできた斜めの何かがあった。
直感で瓦礫をどかしてみようと思った俺は瓦礫を少しずつどかしていった。
30分ほどでどかし終わった。するとまだ探索してない通路があった。
だいぶ暗いのでライトを点けながら恐る恐る中に入っていくと、そこには何かのハンガーみたいなところに通じていた。
声がする。
「誰かいるのか?」そう思い、降りてきた通路に身を潜めた。
陰から見ると緑に茶色まだら模様が入った服を着てる人が科学者らしき人に向かって文句を言いながら何かを探している。
軍曹「そっちに鍵はあったか?」
科学者「あるわけないでしょ!何回このハンガーの中を探したと思ってるのよ!5回目よ!それにこれだけ探しても出てこないんだしあるわけないでしょ!」
高めの声がハンガーに響く。
鍵?あれ?これ俺が持っているパターン?
バックの中から鍵を出してどうしようか考えた。急に行ったら何されるか分からないがこっちにはハンドガンがある。応戦ぐらいはできるだろう。
空のマガジン2つに弾を込め、ズボンの右ポケットに突っ込む。ハンドガンのセーフティーを掛け左ポケットにいれ、覚悟を決め陰から歩み寄り話しかけた。
宮道光「すいません。この鍵をお探しですか?」
軍曹「誰だお前は!」
科学者「誰?」
銃を突き付けられた俺はビビりながら自分の名前と、どうやってこのハンガーに入ったのかを言った。
軍曹「すまないな。突然銃を向けてしまって。」
科学者「あんた失礼過ぎない?」
宮道光「私は宮道光といいます。ところでお二方のお名前は?」
軍曹「私はレイト連邦国第1機甲師団所属、軍曹のアリア・レイスだ。よろしく。私の事はアリアと呼んでくれ。」
科学者「同じくレイト連邦国、化学、工学、技術開発機関所属、所長のリエナ・ハイラです。リエナと呼んでください。」
アリア「ところで宮道殿。なぜあなたがそのカギを?」
アリアから質問をされたので俺は元の世界で死んだ事、そして神らしき人にこの世界へ飛ばされた事について説明した。
アリア「なるほど。つまり転生ですか。」
リエナ「面白いわね。でも飛ばされたけどこの先どうする?私たちと一緒にくる?」
宮道光「いいのですか?では宜しくお願いします。」
リエナからついてくるか?と提案されたので、面白そうだしついてくことにした。
アリア「じゃあ決定だな。鍵も見つかったしこれで国へ帰れる。こっちに来てくれ。」
アリアとリエナの後をついていくと大きな車両が見えた。
宮道光「こいつは!?IS-7!?」
”IS-7”
旧ソビエト連邦共和国が開発した戦車。対ティーガーⅡ対策で130mmの艦砲を運べる器に半自動装填装置を用いた装填システムによって毎分6から8発を発射する。機銃が合計で8門あり、対歩兵対策もきちんとされており、同型式のISシリーズの中では居住性も良好の方であった。装甲は自車の砲弾を受けても全く被害を受けないほど堅牢に作られていた。試作車両でエンジン火災の事故があったり重量が68tと重すぎたりしたため、生産されなかったらしいが…。
宮道光「なんでIS-7なんかが存在するんだ!」
アリア「IS-7?聞いたことないな。こいつはRE-7。うちの軍ではこいつは補助戦力として使われてるんだ。主戦力はRE-18だ。すまないが乗るところが少ないので砲塔の方に乗ってくれ。」
宮道光「おおう。わかった。」
驚きを隠せない状態で返事して砲塔内部に入ったが内部は電子制御化されていた。主砲はレールガンの射撃システムらしい何かと車長席には大量のスイッチ、わかることといえばこいつは俺が覚えてる戦車とは全く違うことだ。
アリア「全員乗ったか?エンジン始動!」
ヒュィィィィィィン!!!!!
ガスタービンエンジンのようなエンジン音をたててゆっくりとハンガー内を進み始めたIS-7と俺達はレイト連邦国へと向かい始めた。
読んでくださりありがとうございます。作者のわたもてぃです。
1話の方はどうでしたか?これからも皆無レベルな文章力で頑張っていきますので応援のお言葉待っております。
次回の投稿は新世界のことについてです!