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ArmorsWar ”機甲師団の戦い”  作者: わたもてぃ
11/13

11:前線基地攻撃作戦

輸送機による攻撃部隊の集結が完了し、現在は敵前哨基地から30kmほど離れた地点で陣地の構築を行っている。第49支援隊のB-4203mm榴弾砲部隊による支援を行うためだ。25km地点では第39重突撃砲部隊による車両の最終確認及び第36強襲部隊との連携の確認中だ。


現在時刻午前2時

事前に持ち込まれた砲弾を4号運搬車両を使い、輸送機から運び出す作業が行われ、構築した陣地内にある榴弾砲に運び込まれる。榴弾砲部隊を指揮するのはリビアのはずだが…何故かアイラが指揮をしている…。どうもリビアの先輩にあたるらしくウシャンカを被って榴弾砲の照準器の調節をしている。


アイラ「リィビィア!こんな甘い合わせ方してどうすんだ!これじゃ建物すら壊せないぞ!」


リビア「今回の目的はあくまで建物の破壊ではなく情報の回収目的なので直撃させる必要はないと思っているのですが…」


アイラ「最低でも基地司令部さえ残しておけばどうにかなるんだから周りの建物なんて跡形もなく破壊しろ!」


リビア「無茶言わないでくださいよ…」


これどっちが指揮してるんだ?そう思いつつ作戦の立案を行う。予定としては榴弾砲部隊のみで施設の破壊を行い、周辺に展開された敵部隊を重突撃砲隊及び強襲部隊で壊滅させて、敵の指揮官が乗った車両を捕らえる。それと同時に最新車両の存在を暴くことだ。

上手くいけばすぐに終わる予定だがうまくいく気がしない。


「まて、これでは展開された敵部隊が反撃してくる。作戦の変更を行おう。」


作戦の変更を立案した。


時刻は午前4時をさしてた。作戦開始まで残り2時間をきっていた。


「各重突撃砲は”1両のみ”のこして殲滅をしてくれ。榴弾砲部隊は合図したら司令部以外の建物を”斉射”で破壊してくれ。強襲部隊は茂みと窪地を利用して152mmガンランチャーで敵車両の足止めを行ってくれ。以上。」


大規模な陣地変更と配置の大幅な変更を行い、すべての準備が整ったのは作戦開始まで30分をきっていた。


「こちらヤークトティーガー準備よし。」

「B-4、準備よし。」

「強襲隊準備よし。」


「よし、全車攻撃開始!」


工場から出てきたのは平べったい車体の正面には傾斜があり、砲塔はおわん型をしている。おそらくだが第二世代MBTのT-62と思われる。


長砲身から放たれる高初速の128mmAPCR弾が目標車両に向けて飛翔し、鈍い音を立て、分厚い装甲を貫き、操縦系を破壊する。


気が付いた敵車両はすぐさま反撃をするが装甲厚250mm、電磁シールドによる増加装甲で560mm弱にまで強化された塊はいともたやすく砲弾を”粉砕”させた。

「第二射用意。」

「次弾装填開始、磁力を260CPMから340CPMに変更。」

「了解、変更完了。閉鎖機閉鎖完了。照準合わせ。」

「…照準完了。いつでもいけます。」

「第二射。討て!」

「Fire!」


先ほどの第一射とは違い、磁力変化によってさらに高速になった砲弾が敵砲塔基部を貫く。貫いた砲弾はエネルギー損失を意図ともせず砲塔に命中した。命中したのにもかかわらず砲塔は旋回し続ける。


「まだ生きてるのか…?また来るぞ!シールド展開いそげ!」

「間に合いません!」

「くそ!相手が射撃したタイミングでバックに入れて後退させろ!」

ヤークトティーガーの電磁シールドが展開しきってない状態に敵車両が発砲した飛翔する砲弾が遅い掛かる。鈍い音を立てて砲弾が正面装甲の端を削り取った。

「装填完了確認!撃て!」


反撃を喰らって装甲を削られたのにもかかわらず生きている鉄の怪物は相手にきついお仕置きを喰らわせた。



強襲部隊は大量に生えている茂みを片っ端からかき集めて車両の偽装をしている。茂みで偽装をしたシェリダンは定期的に疑似の茂みを形成して擬態をしつつ車両の足止めを行っている。茂みに潜む怪物はロシアが開発したミサイル自走運搬トラック(カチューシャ)のごとくガンランチャーを撃ちまくる。


相手のT-62らしき車両は直撃や至近弾で履帯を切断されて混乱している。そこに味方の鋼鉄製の怪物が狩りをするかのごとく襲い掛かる。


相手車両にとっては相当な痛手となるであろう損害だが、それでも虫のごとくやってくる車両を目にして驚きを隠せない。この状態を見る限り相手車両は搭乗員すらいない状態で稼働できるすべての車両を片っ端から展開させ、撤退する動きにしか見えない。だが味方の突撃砲部隊はやられる様子もなく一方的に撃破している。


この不毛な戦いに俺は車載無線機で榴弾砲部隊に命令をした。

「今の状態では味方の突撃砲部隊に弾薬が先につきるのが先だ。陣地に砲撃を始めてくれ。敵の指揮官をここで逃したくはない。」


「了解した。砲撃部隊より指定のポイントの砲撃を開始する。」


天に向かって伸びる太い砲身とそれを支える大型の砲架、砲の反動を抑える中退器、中退器で抑えられなかった反動を地面に逃がす砲尾のドーザー、事前に用意していた砲弾を装填台に移動させ、時限信管の設定時間を24秒に設定し、装填棒で砲身内に押し込む。次に装薬を装填台にのせ、砲弾を押し込んだ砲身に押し込んでいく。最後に閉鎖機を閉じてすべての流れを終えたのちに射撃レバーに縄をかける。砲手は再度照準器にずれがないかを確認したのちに合図する。


後方から聞こえる低い砲撃音と共に敵前哨基地に輝く閃光を確認した。


着弾した閃光を確認したのち、俺は自車の操縦手に命令した。


「着弾確認!戦車前進!」

「了解!」

敵指揮官を捕らえるべく車両は前進した。


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