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神さまは なんでも知っている  作者: HAYATO
小さな命の大きな思い
6/6

永遠の幸せ

   

   「 神様、やっぱり女神はガキに手こずっていますぜ 」



   「 死神よ、悪人ヅラしたお前が出たら、怖がって余計面倒くさいことになるぞ 」

   「 子供相手は、ワシや死神より、女の女神の方が適任じゃ 」




   「 女神はガキに天国行きを下そうとしていますが ガキは嫌がっていますね 」

   「 でも、ガキの望み通りに 続生にすればいいんじゃないんスか? 」




   「 確かにあの子供は、4年で生涯を閉じようとしている 」

   「 天国行きを下されると、本人の希望で転生行きでも続生行きでも許されるんじゃが… 」

   「 続生、つまりそのまま現世で生き続けても、また母親から虐待されることを、女神は読んでるんじゃ 」



   「 でも…あの方法が・・ん・・・なんだっけ? 」

   「 そうそう、以前続生を下した…、あの自殺希望者の小娘の… 」




   「 あの女子高生の葉菜はな、いじめられっ子だった、オナゴじゃな 」

   「 あの案件も、女神が中心に下した判決だったな 」




   「 あれは、女神のチカラで自殺をなかったことにしたんじゃないんスすか? 」




   「 神のチカラでも、自殺を無かったことにすることはできん 」

   「 出来ることは、葉菜はなというオナゴが自殺しようと、周りの人間が気付かせることだけじゃ 」

   「 つまり、人間そのもの考えや思いを、変えることは出来んのじゃ 」




   「 そうなんですか、女神のチカラで親の考えを変えることは無理なのか… 」






母親のそばにいたい大輝くん。


天国行きを下そうとしている女神。 

  

神界ではしばらく、沈黙が続いた。


そして、女神は、


   「 ……分かりました、母親のそばに連れってあげましょう 」



   「 おねーさん、ママに会えるんだね 」



女神は大輝くんに頬笑みながら


   「 ええ 」



   「 大輝くん、ついて来てください 」



しばらく行くと、天に続く階段があった。



  「 さあ、あの階段を昇ると、大輝くんのママがいます 」

  「 行きなさい 」



大輝くんは喜びながら階段を昇った。




  「 ママーー!!ママ――!! 」




  「 大輝・・・・ 」




  「 ママなの? 」




階段を昇った大輝くんは、青空が広がる草原にたどり着いた。

そこにいたのは、大輝くんの母親がいた。




   「 大輝…、ごめんね…つらい思いをさせてしまって 」




   「 ママなんだね!ボクこそ いい子なれなくてごめんなさい 」



 

   「 大輝、字を書けるようになったんだね えらいね 」




母親は大輝くんを抱きかかえ、ずっと一緒になることが出来た。



そう、虐待もなく年もとることもないこの場所で・・・。



永遠に・・・。


 









   「 女神よ、結局天国を下したんじゃな 」



   「 はい、神様、少し私のチカラをつかいました 」




   「 雲ばっかりの、殺風景の天国で 」

   「 女神のチカラで、現世とそっくりな景色を再現させたじゃろ? 」



死神は

   「 神様!!神のチカラで天国の景色も変えることも出来るんスか? 」



   「 死神も神を名乗っているんなら、それぐらい知っとけ! 」

   「 最近死神になったばかりだからといって、言い訳にならんぞ 」



そして、女神は

   「 天国行きを許されたものは、本人の思い通りになるのが基本ですから 」




   「 でも、あの子供は、優しい母親の姿は幻を見てるんじゃろ? 」

   「 本当の母親は、下界では、虐待容疑で捕まっている…これは罪深いんじゃないか? 」



   「 …はい、神様… 」

   「 確かに大輝くんにウソをついていることになります 」

   「 天国の案内人として、私は女神と名乗ることはできません 」

   「 神がウソついたことは、大罪、無条件で地獄行きは覚悟しております 」




   「 死神よ、お前に女神を地獄行きの判決下せるか? 」




   「 ちょっと待ってください、神が神を判決下すことなんて出来るんスか? 」




   「 ここ1万年間、神が神を下すこと事例はないな 」

   「 でも、女神も生きモノだ、地獄行きを下すのも可能じゃ 」




   「 死神さん、貴方の手で私を地獄に送ってください 」

  



   「 バーカ!地獄に行ったら、永久に無の世界なのは知ってるだろ 」

   「 神になったばかりの死神のオレが、女神に下せるわけないだろ 」

   「 退屈な神界に、神様とオレだけじゃ辛気くせぇじゃねーか 」



   

   「 死神さん、罪は罪です 」




   「 いちいちうるせぇーな、」

   「 結果、あのガキは幸せになんだからよ 」

   「 それに、あの母親も改心すれば、下界に戻すこともできるんだろ? 」



   「 肉体は戻すことは出来ませんが、転生 つまり生まれ変わって母親のそばに行くことは出来ます 」   



   「 それによ、女神から教えてもらいたいことがあるからな 」




   「 …… 」

   「 フフフッ… 」

   「 まずは死神さんは、品のある言葉を使わないといけないですね 」




   「 うるせーー品のある言葉じゃ悪党になめられるじゃねーか! 」




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