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神さまは なんでも知っている  作者: HAYATO
裁かれ人鬼畜
3/6

裁かれる外道人

ここは某拘置所。


そこに一人の男がが収監されていた。


男の名は、死刑囚 「 外道そとみち) 要磨ようま)


男は殺人、暴行、窃盗と、数多くの罪を犯し、


もちろん 反省の色などなく2か月前、死刑の判決を下された。



大体の死刑囚は、いつ執行されるのか、


何とも言えない死のプレッシャーが襲いかかると言われる。


比較的、刑務所と違って死刑囚が収監される拘置所は、


三畳ほどの独房、生活の自由がきく所ではあるが、


ほとんどの囚人は何もせず、ただ入り乱れるのが自然と言われる。



だが、今回の主人公 外道そとみちは、


拘置所では冷静で何もせず、正座で執行されるのを待っている。



そして、月曜日 午前10時のこと、遠くから足音が聞こえた。


   「 コツ・・・・・コツ・・・・コツ・・ 」


この足音はだんだん大きくなる。



囚人にとって、この音が計り知れない恐怖に包まれる。


そう、看守の足音だ。


   「 コツ・・コツ・・コツ・   ピタッ 」



外道そとみちの独房の前では言い放った。


   「 外道そとみち 要磨ようま、出房だ 煙草を吸わしてやろう 」


言い放ったのは看守。


看守の後ろには警備隊二名。 



??



煙草?



そう、死刑執行の宣告だ。


他の囚人に動揺を防ぐため、執行と言わないといわれる。


でも、何年もいる囚人は意外にもよく知っている。


外道そとみちはその時も冷静で黙ったまま、


看守たちに連れてかれ、独居房を後にした。



エレベータで地下まで乗せられたあと、


初めに連れてかれたところは、教誨室きょうかいしつ


ここには奥には祭壇と、テーブルと椅子が二つと、小奇麗な部屋だった。


そこには居たのは所長と教誨師きょうかいし


精神を安定させるためいつも接していたから、顔はよく知っている。


そこで初めて、所長の口から死刑執行を宣告される。


その時、宣告を受けた囚人は、腰を抜かし立てなくなる者、


暴れ出し抵抗する者と様々と言われる。



そこでも、外道そとみちは冷静に、祭壇のお供え物を食べていた。


煙草を吸うことも許される。



そして、教誨師きょうかいし


   「  祭壇に祈りをささげてくささげてください 」


言われるがま、外道そとみちは両手を合わせ、祭壇に祈った。



そして、所長から、


   「 最後に言いたいことはありますか? 」


外道そとみちは静かに、顔を横に振った。



そして、別室で数名の看守に囲まれ、


体の前で手錠をかけられ、アイマスクをかけられる。



視界を奪はれた外道そとみち


さっきまで冷静沈着だったのが一変、



   「 やめてくれー!! 殺さないでくれ !!」



狂ったように叫び暴れだした。


すべて見えなくなった外道そとみちは、


初めて死の恐怖を実感したんだろう。



数名の看守に取り押され、強引に四方の踏み板に乗せられる。


そして、両足を縛られ、最後に外道そとみちの首にロープを掛けられる。


   「 殺さないでくれ!!!助けてくれ!! 」


カーテンに仕切られた執行室、外道そとみちの声だけが響き渡った。



数名の看守が別室に行き、一人になり体の自由を奪われた外道そとみち


死のカウントダウンが始まる。


いつ四方の踏み板が開くのか、分からない恐怖が電光石火に頭によぎる。



別室にいる三人の看守が死のボタンを押すスタンバイが出来た。


あとは看守の責任者の合図を待つのみ。



   「 死にたくねー!! 助けてくれ!! 」



そして、看守の責任者は静かに三人の看守に合図を告げ、


三つのボタンのうち、四方の踏み板が開くのは一つのボタンだけ。


一斉に三つのボタンを押された。



踏み板が開いた瞬間、外道そとみちの声は静まり返った。




最後まで、外道要磨そとみちようまは、反省の言葉を口にすることはなかった。



   「 死神さん、今日の裁かれ人はかなり罪深い人間が来るみたいですよ 」



   「 ああ、久しぶりに地獄を案内できる奴が、来るみたいだな 」





ここは死を迎えようとする生きモノすべて、この神界に来ることになる。




そこに、奥から一人の男がやってくる。


   「 オーイ、ここは何処だよ!誰か居るのか? 」




   「 フッ!早速来たなな、今度の裁かれ人はは生きが良さそうだな 」


   「 今日は、オレが案内しよう 」




   「 待ってください 死神さん、ここは私に任せてください 」




   「 おっ、珍しいな女神が先にでるなんてよ 」





男は大声で叫ぶ


   「 オーイ!! オレは死んだのか? 」




   「 ようこそ神界へ、お待ちしておりました 」

   「 貴方が裁かれ人、外道(そとみち) 要磨(ようま)さんですね 」




   「 おおおっ!綺麗なネーチャンじゃん 」

   「 オレの名前まで知ってるなんて、ここは天国か? 」




   「 残念ですが、ここは天国ではありません 」

   「 地獄か続生か、そして転生行きか、貴方はここで裁かれるんです 」




   「 ぞくせいとか、てんせいか知らんが、何で天国がねえーんだよ 」




   「 貴方は、現世でかなりの罪を犯しているの知っています 」

   「 今回も天国行きは、まず無いでしょう 」




   「 お前さんは現世で数多くの大罪を犯し、死刑でここに来ているな 」




   「 なんだ?くそジジィ!いきなり出てきやがって、偉そうに 」




死神が持っている杖で、妖しい光を裁かれ人 外道そとみちに放った。


   「 ギャヤァァァーーー!! 」




   「 口を慎めよ、外道悪魔げどうあくま・・いや、外道要磨そとみちようまとやらよ 」




   「 そう、ワシは偉そうじゃない、一番偉い神様だ 」 




裁かれ人 外道は


   「 アチアチ・・、神様だと? ふざけんな馬鹿野郎! 」




   「 まあよい、下界人は信じられないのも無理はない 」

   「 これから、嫌でも神々の存在を知ることになる 」




女神は珍しく怖そうな表情で、問いかける。


   「 貴方は、下界で殺人罪、強制わいせつ罪、窃盗罪の罪で死刑を言い渡されていますね 」

   「 しかも、働きもせず、数多くの計画性のない窃盗を犯し、見つかり次第、人を悪戯に殺し、相手が女性だとあくどい暴行し殺人を犯しています 」




ふてぶてしい態度で、外道そとみちは笑いながら、


   「 そうだよ、死刑になりオレは罪は償ったじゃねえか、地獄なんて行くことなんてねぇーんだよ」」




   「 貴方が死刑になっても、被害者の心は永遠に傷は癒えることはありません 」

   「 ここで、更なる厳しい裁きを受けることになります 」





全くの反省の色もない 神にたてつく裁かれ人、外道そとみちは何を望むのか。


神様、死神、女神、三人の心は完全に「地獄」の判決以外頭になかった。


そして、神様は言う。


   「 お前さんは、下界で三つの大罪で、死刑を下されているか、他に余罪はなかったのか? 」

   「 答え方次第で、判決を下そう 」




   「 余罪なんて、あるわけないじゃん 」




   「 ふふふっ、神を舐めたらいかんよ、余罪を正直に答えたら、地獄行きを見送ろうと考えていたんじゃがな 」




死神は

   「 この外道は罪が多すぎて覚えていないだろ、まあ言えたところで天国行きなんて有り得ないけどな 」




   「 いいじゃろう、お前さんの本当の罪状を言ってやろう 」


   「 裁かれ人 外道要磨そとみちようま 51歳 」

   「 0歳から10歳まで、 微罪 2件、小罪 2件、中罪 4件 」

   「 10歳から20歳まで、 微罪 16件、小罪 38件、中罪 89件、大罪 2件 」

   「 20歳から30歳まで  微罪 30件、小罪 45件、中罪 71件 大罪 5件 」

   「 30歳から40歳まで、 微罪 102件 小罪 43件 中罪 73件 大罪 4件 」

   「 40歳から51歳まで、 微罪 120件 小罪 53件、中罪 90件 大罪 4件 」

   「 合計 微罪 260件、小罪 181件、中罪 327件、大罪 15件 」




すると、外道そとみちは神様に声を荒げた


   「 おいおい、待てよ!適当な数字言ってじゃねーぞ!コラ! 」




   「 適当かどうか、それぞれの罪状の詳細を教えてやる 」

   「 大罪 15件の詳細は 14歳の時に弱い者をいじめ、自殺に追い込む 16歳に強制わいせつ罪で捕まり、25歳で結婚し子供が生まれ、幼児虐待で逮捕、その後奥さんである女性も殺人・・」




   「 わかったよ!!そこまで知っていたとはな、さすが神だな 」




死神は 

   「 神様は半分も読んでないぜ、それにしても、こんなに余罪があるとは鬼畜以外何者でもねえな 」

   「 下界では隠し通した罪でも、ここじゃ通用しないってことだよ 」





   「 ちょっと待てよ、さっき言ってた、天国と地獄以外にも、てんせいとか、ぞくせいって、いったいなんだよ 」




   「 続生・・つまり生きることを許されることだが、お前さんは生き続けることはまずない 」

   「 自然死と、下界で裁かれた死刑は 神のチカラを持ったとしても生きることはできない 」




   「 神の爺さんよう、人間が、生き返ることなんて出来るのか? 」



   「 そうじゃない、生きモノすべては死を直面した時、気を失っている状態になる 」

   「 その時下界の時間はゆっくり流れ、この間 生きモノも魂はここ神界に来ることになるんじゃ 」


 

   「 人間の他、生きモノすべてここに来るのか・・、ゴキブリもここで裁かれるの想像すると、気味が悪いな 」

   「 それじゃ、オレは今気を失っているんだったら、生きているということじゃないか! 」




   「 さっきも言ったじゃろ?下界で死刑を裁かれた人間は生き続けることは不可能じゃ 」

   「 ここ最近の日本の制度は、死を確認されるまで死刑執行される 」



   「 おいおい、神とか名乗ってる割には何にも知らねえんだな 」

   「 看守が死を確認するのは二回、それでも生きていたら、戸籍、名前も変えてい無罪放免されるんだよ 」




   「 それじゃ聞くが、日本のここ50年、死刑囚が無罪放免になった人間はいるのか? 」




   「 ・・・・ 」




   「 お前さんの聞いたのは表向きの話じゃ、下界の時間であと5分で死ぬことになる 」

   「 ということは、地獄行きか、さっき正直に余罪を認めれば、転生だけじゃ 」




   「 神の爺さん!せめて、転生というやつにしてくれよ! 」




   「 お前さんの選択の余地はない 」




   「 強制労働なんて、やりたくねぇよ 」




   「 安心せい、今の地獄は強制労働もなければ、看守もいない 何もしなくていいんじゃ 」 

 



   「 よかった、オレは働いたことなんてあまりないからな 」




そして、神様はあっさりと判決を下す


   「 裁かれ人、外道要磨そとみちようまよ、お前さんを地獄行きをいいわたす 」

   「 死神、女神よ、いつもどおり 地獄に案内してくれ 」

 



こうして裁かれ人 外道そとみちは地獄行きが確定した。


地獄行きは他と違い、地獄の案内人死神と、女神、二人の神が地獄に導かれる。


天国の案内人、女神がなぜ地獄を?

     

そして、待ち受ける地獄とは?





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