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神さまは なんでも知っている  作者: HAYATO
人並みに生きたい
2/6

くだされる判決




   「 ちょっと待って下さい! 」



今まで沈黙を保っていた女神さんが口が開いた。




   「 なんじゃ女神よ、なんかあるのか? 」




   「 神様、この者の判決はどうか、私のご意見も聞いてもらって頂けますでしょうか? 」




   「 かまわんが、女神の意見ってなんじゃ 」




   「 分かりませんか? ハナさんが本当に何を望んでいるのか 」



神様の隣にいる死神さんが、


   「 女神よ、何を望むって自殺以外何を望んでいるんだ? 」   



   「 死神さん、確かに彼女は、大罪である自殺を選択しました 許されないことです 」

   「 天国の案内人この女神ですが、天国への道はないでしょう 」   

   「 しかし、死神さんが決めている 地獄という判決はいいかがなものでしょうか 」



   「 オレは地獄の案内人死神だ 自殺を選んだ時点で地獄確定。例外はないぞ 」

   「 最終判決人神様も望んでおられる 」


 

   「 ハナさんは今までの自殺志願者ではありません 」

   「 私たち神々は、人間の心を感じることが出来るはずです 」

   「 感じ取れば、本当の判決を下せるはずなのではないでしょうか 」

   


神様は、

   「 つまり女神は 続生か、転生か、二つのを判決を望んでいるんだな 」 


   「 女神と死神の言ってることは、よーく分かった 」

   「 だが、最終判決はワシ神様の権限である 」



ここの世界って、下界の裁判を簡単にした感じだな。


死神さんは私を地獄行きを、女神さんは「続生」か、「転生」を下そうとしている。


頂点に立つ神様は、どのような判決を下そうとしているのか?



しばらくすると、神様は


また、持っている杖を天に大きく掲げ、



   「 判決を下す 」


   「 名前 大地 葉菜ハナ


   「 罪状 生後から5歳まで 微罪 1件 」


   「 5歳から10歳まで、微罪、小罪、中罪、大罪とも無し 」


   「 そして、10歳から15歳まで 大罪 1件 」


   「 その大罪は、自殺 」



私は思わず、女神さんに聞いた。

   「 なに?私が今までやってきたことまで、わかるんですか? 」




   「 シッ―! 人間の過去を読み取れなければ、神とは名乗れません 」




   「 でも、私が小さなときに微罪を1件って、なにをしたのかしら 」



   「 それは、ハナさんが3歳のころ、禁止区域に鳩に餌をあげたところが 微罪なんでしょうね 」



   「 そんことまで、分かるんですか? 」 



   「 成人だと、小罪ですけど 幼かったことも考慮し、微罪なったんでしょうね 」


  

   「 凄いですね、確かに警備員の人に注意されたの わずかに覚えているわ 」


    


そして、神様はまた


   「 このオナゴに・・   」



いよいよ、判決をくだされる・・



はたして 天国か、地獄か、続生か、そして転生なのか?




神様が持っている杖から、不気味に妖く光る。



ピカッーーーーー!



   「 まぶしい!! 」



そして、綿飴のような雲が筒抜け、黒い渦巻きに吸い込まれていく。






   「 キャーーーーーーーー!! 」











   「 ・・・・ 」











   「 ん!? 」









   「 ここは? 」







   「 天国? 地獄? 」





   「 もう一度生きることなったのか? 」





   「 もしかして、別の生きモノに生まれ変わったのか? 」





  

私は閉じていた目を静かに開けた。





一面 青空・・・





鳥?  自由に舞う鳥の群れが見える。





そうか、私は鳥になれなかったんだね・・。





   「 ハナ!! 」




   「 誰? 」





そこにいた人は?





   「 ママ・・・? 」





   「 やっと気付いたみたいだね 」




あれ?私は生きていたの?飛び降りたのに




   「 びっくりしたわよ、ここの芝生で倒れてるんだから 」




私は このビルの5階の屋上で飛び降りたのに、傷一つついていない、どうして?





   「 ママ・・何で私がここにいるって分かったの? 」



   「 ここ一カ月 ハナが思い詰めてみたいだから、ずーっと様子を見てたんだよ 」

   「 追ってみたら、こんなところに倒れているんだもの 」




やっぱり、ママは気付いていたんだな・・。




   「 ピローン♪♪♪ 」



私のスマホが鳴った。


メールが数十件届いている。あれ?ラインも、



  

   「 今日学校休んだでしょう、クラスメイトがみんな心配したんでしょ 」

   「 ハナは中学の頃から休んだことがないから、驚いたんでしょ 」



確かにメールやラインの内容には、



   < ハナ、今日はどうしたの? >


   < 遊ぼうよ >


   < 昨日は元気なかったけど、心配です >




などなど、そこには私を気遣う言葉があった。


知らなかった、苛められた私が、こんなに心配してくれるなんて、そんなことってあるのかしら。


もしかしたら 女神さんの神の力で、運命を変えたのかな・・。


まさか・・!夢でも見てたんだな。



   「 ハナ、さぁお家に帰って夕飯の準備手伝ってね 」


   「 うん わかった 」



でも、ママは私が自殺しようとするところまでは、見てなかったみたい。




   「 ママ、帰ろう 」





次の日



   「 いってきまーす 」




今日は晴れて気持ちがいい朝だな。


昨日まで学校なんて行きたくなかったけど、


今日はなぜか足が軽い。




   「 ハナ! おはよ 」



昨日まであまり口をきいたことがない、友達が私に声を掛けてくれた。



あれから、クラスメイトから仲良くなり、


学校も楽しくなってきた。





今まで神様なんて、考えていなかったけど、


急にこんなに学校が楽しくなるなんて、奇跡だよね。


やっぱり神様はいるんだね。



そう信じて、これからも生きていきます。




 

   「 続生つまり、生まれ変わりを下したんだな・・」   

   「 女神よ、あの小娘が何で地獄を望んでいないって、わかったんだ? 」



   「 死神さんは気付きませんでしたか? 」

   「 ハナさんは色々と、この世界のこと聞いてきました 」



   「 確かに、死に急ぐ奴は地獄がどうか何て、知ったことねえもんな 」



   「 そうです、しかもハナさんの罪状ですが、覚えていますか? 」



   「 ああ、あの小娘15歳まで、微罪1件、大罪1件だろ 」

   「 普通、この歳だと小罪、中罪 10から20件ぐらいあるもんな 」

   「 今時、珍しいよな 」 



   「 10歳から15歳は多感な年頃です 」

   「 あの年だと、少なからず罪は犯します 」



   「 人間界ここ50年の若いやつは、ウソ、妬み、いじめ、校内暴力、親の反抗など、何かしら罪を犯すもんな 」




   「 その上彼女は、親孝行したり、動物を可愛がったり、絵に描いたような善人です 」

   「 どんなに苛められても、人を恨むことはなく一生懸命友達になろうとしていました 」

   「 神様も知っていたんじゃないですか? 」



   「 そうじゃ、あのハナという娘は、中学生まで確かにイジメに受けてた 」

   「 今は卒業し高校入学したばっかりだからな 」

   「 生活環境が変わるとイジメはなくなると あの娘は気付かなかったんじゃな 」



   「 神様、小娘の中身が変わらなければ、環境が変わってもイジメは無くならないじゃないんスか? 」



   「 最近死神になったばかりの、お前じゃ分からんのは無理ないな 」

   「 ワシら神のチカラは人間の環境を変えることもできるんじゃ 」

   「 ハナという娘をかすり傷も無く無事に生かしたのも、女神の力で変えたんじゃろ? 」

   


   「 いいえ、元々ハナさんの今のクラスメイトは、優しい心を元々知っていまして 」

   「 最近元気がないハナさんを見て、いつも心配をしていました 」

   


   「 なるほど、神のチカラを使わなくても、環境は変わっていたんだな 」

   「 そこで、ハナという娘が飛び降りることを、女神のチカラで周りの生徒たちに、気付かせたというわけじゃな 」



   「 そうです、それでクラスメイト全員で、クッション代わりに学校にあるトランポリン用意してかすり傷なく、命を救ったんです 」



   「 死神のオレでも、人間の環境を変えるチカラなんてあるんだな・・知らなかった 」

   「 でもよー、小娘が飛び降りる前に、気付かせなかったんだ? 」



   「 生徒さんは言葉で説得するより、みんなで体を張って救うことを選んだでしょう 」



   「 なるほどな、自殺する奴は思い込んだら言葉で説得しても無駄だからな 」




   「 そうなんです、ハナさんの通う高校は、過去にイジメを経験のある生徒ばかりの学校なんです 」

   「 だから、ハナさんの気持ちがよーく分かるんですよ 」



   「 それで、無事を知った周りの奴は、気を失っている小娘に気付かれないように 」

   「 クッション代わりの、トランポリンを抜いたんだな 」

   「 自殺しようとしたなんて、思われたくないもんな 」



   「 楽しくなれば、ハナさんも死に急ぐことはないでしょう 」



   「 ・・ったく、女神は善人には優しすぎるよな 」

   「 下界の人間を、神のチカラで考えを変えちゃうんだもんな 」



   「 いいえ、チカラを使ったのは、気付かせたところだけで 」

   「 あとは、周りの生徒さんの思いだけで動いたんですよ 」




   「 死神よ、女神よ そろそろ次の裁かれ人が来るぞ 」



   




   

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