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みやびな仙狐の筆録譚  作者: るなめーる
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1930年4月13日 晴天

今日はよく晴れてよかった。

私は今、栃木の友人の家にお邪魔してこれを書いている。


一度、宇都宮の桜を見てみたかった。地元の方々は桜通りなんて呼んでいるらしい。

ただの桜並木ではない。およそ二キロにわたって片道五百本余ずつ、計千本程のソメイヨシノが毎年トンネルを作るのだという。

そのことを友人からの手紙で知った私は、そのまま目を瞑りその場所を思い浮かべた。

桜が散り、そこには賑わう人々がいて…。なんて想像を膨らませていたら、この目で見たくなった。

そのまま旅の支度をして、姉にいってきますとだけ伝えて出てきてしまった。



もらった手紙の情報と、地元の方の情報を頼りに例の通りまでたどり着くことができた。

この日もにぎやかで、道の両側には露店が軒を連ねていた。思った通り…否、それ以上の風景が広がっていた。そこに吹く風も、人々の声も、鳥たちの囀りもすべてこの日を心から楽しんでいるように思えた。

「やはり、人の世界はおもしろい。」そう、心から思った。


桜のトンネルを歩いていると、偶然手紙の送り主に会った。

たまたま友人の家族も花見に来ていたようだ。色々話しているうちに、今日は友人の家に泊まらせてもらうことになった。

普段は人の家に泊まったりはしないのだが…。友人の誘いを断って別れる際に、彼の可愛らしい娘さんがなんとも愛らしい表情で引き留めてきたので負けてしまった…



明日、もう一度あの桜通りを見て帰ろうと思う。


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