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最高の青春を求めて  作者: アニ野祭 ナリハル
第1章 【儚き思い出とともに】
6/25

(6)卒業式

 あの日からどれぐらいの日が経ったのか…

あの日から主人公達は色々な出来事があった。

 そうして迎えたこの日が彼らにとって、どういう1日になるのかじっくりと見守って頂けたらと思う。

 〈ドッスン~!!〉


 静かに卒業証書の授与を行っていた、体育館に大きな物音が響き渡る。


 それと同時に、とある男子生徒に視線が集まった。 


 卒業証書を受け取り、席に戻る最中に段差を踏み外し、尻餅を付いているこの男子生徒こそが、大沢文人(おおさわふみと)であった。


 あまり人に見られるのが得意でなかった文人は、同級生や同級生の家族など様々な人が見ているこの状況に酷く緊張していたのが原因だったのかも知れない。


 彼への視線と共に、クスクスと笑い声などの小さなざわめきが体育館に巻き起こった。


 顔を真っ赤にして、慌てて立ち上がる文人。

 そんな文人が真っ先に目を向けたのが、その様子を見て大笑いしてる少女。


 高山茜(たかやまあかね)だった。


 茜は、よく笑う明るい性格である為、悪気があって笑っているのでは

 無いことを文人もよく理解していた。


 (こんな形で笑っている茜を見たかったんじゃない…)


 茜は文人にとって、小学校からの幼なじみ。

 

 そして…()()()から付き合い始めたものの…

 

 現在は別れてしまった元カノである。


 そんな茜の姿を見た後にもう一人、文人の視界に入った人物がいた。


 そう。

 

 小花夏蓮(おばなかれん)である。


 夏蓮は、文人が入学した当初から憧れていた学園のアイドル的存在であり、()()()…共に卓球をして敗北を味わった相手でもある。

 

 その後も、2年と3年の時に一緒のクラスになったり、関わる機会はあったものの、あまり距離を縮める事が出来ずに卒業式を迎えていた。


 (うわっ…小花さんも見てる…カッコ悪…)


 尻餅を付いた自分が情けなく、顔を上げることが出来ない文人。

 (うつむ)いたまま席へと戻ることに。


 「やっちまったな」


 そんな文人に対して、うっすらと笑みを浮かべながら話し掛ける人物が居た。


 「裕ニ、何だか顔がニヤケてるように見えるんだけど…」


 その名は…【土村裕二(つちむらゆうじ)


 文人の現在、()()の友人である。

 なぜ、唯一(ゆいいつ)かと言うと、文人は茜と別れてから色々なことがあり、人と絡むのを好まなくなって、教室でも1人でいる事が多くなっていた。

 そんな文人が、ある日を境に裕二と話すようになり、今では文人の一番の話し相手までになっている。


 「そりゃこの状況であんなの見せられたら、笑うなっていう方が辛いんだけど」

 

 裕二の気持ちも理解しつつ、席に着いた文人は(たま)らずに裕二にこう(つぶや)く。


 「笑い事じゃない!あぁ~本当に最悪の卒業式になった…


 


 高校生活を全て()()()()()()


 

 俺を()()()()()()()()()~!」


 

 文人は心の底からの思いをぶちまけた。


 「1度終わった時間は取り戻せない。諦めるんだな」


 と、そんな文人を正論で軽くあしらう裕二。


 「だよな」


 そう言葉少なく返す事しか出来ない文人。


 文人が後悔を悶々と募らせているうちに、文人たちの一生に一度の卒業式があっという間に終わりを迎えた。


 その後、文人は足取りが重いままに、教室まで移動を行い、高校生活最後のホームルームが始まろうとしていた。      

 【予告】

 卒業式を終えて文人たちが体育館から戻った教室で、文人を待ち受けていたのはいつもの辛い状況だった…

 次回【(7)最後のホームルーム】

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