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お母さんは冬の女王様  作者: けら たろ
ー雪たんの日常と現在ー
7/27

雪たんが天使



ここは宿屋兼食堂【プロムナード】、その一角のテーブルで紫は頬杖を付いている、隣では雪たんが色々な形をした積み木で何かを作って遊んでいる


「・・・暇ね・・・・・・」


頬杖を付きながら紫は欠伸をする


名前が紫で定着していしまっているが紫にもちゃんとした名前がある


ーーーーだ、


あれ?


ーーーーだ


・・・


ーーーー、ーーーー!ーーーー!


ゼィゼィ、どうやら放送禁止用語のようだ


「はぁぁぁっ?そんなわけないでしょおぉぉぉがぁぁ!」


まぁ、紫で分かるので紫で行く


「はぁぁぁっ?」


「ん?どうした紫、更年期か?」


「はぁぁぁっ?まだ20代ですけどっ! 寧ろこれからなんですけどっ!」


立ち上がりテーブルをバンバン叩きながら反論する紫に笑いながらクランプは


「ははは、もう少し現実を直視しような、紫、お前はもう・・・それと景気良くテーブルバンバンやってるがそれで雪たんの積み木崩れたら殺すからな」


はっ、とテーブルを叩くのを止めて、それでも反論はやめない紫


「なっ、お前はもう・・・って何なのよっ!気になるでしょっ!ちゃんと最後まで言いなさいよっ!」


「ははは、気にするな気にするな、それよりもお前も俺たちのパーティーに入ったんだ、そろそろ本当のクラスを言え」


なんやかんやで行動を共にしてきた紫は、雪たんになつかれ、そのままパーティー参加することになった、ボッチの紫が陰で非常に喜んでいたのは内緒ではない


「だぁーかぁーらぁーっ!どう見ても魔導師だろーぅがぁぁっ!こんな防御力ゼロのローブ着た戦士がいたら見てみたいわぁっ!」


「本当か?そこまで言うのなら信じるが・・・俺は気の毒なバーサーカーだと思っていたぞ、全く、歴戦の戦士のような顔しやがって」


「気の毒って何だっ!気の毒って!バーサーカーって!歴戦の戦士のような顔って!突っ込みどころ満載だなっ!」


おとうさんとムラムラはキーキーとお話をしています、ちょっと面白いです


あら?雪たんは入り口の方から視線を感じるのに気付き、そちらを見ます


入り口には隠れる気があるのか、ないのか、早く気付いて下さいオーラ垂れ流し状態で、多分隠れている金髪蒼目、白い布を纏った女の子がいました、背中からは純白の翼が生えており、時おり気付いてオーラ満載でバサバサはためかせています


雪たんは気付かない振りをしてた方が面白そうだと思いましたが物語が進まないのでちょこん、と椅子を降りると女の子の方に歩いて行きました


トコトコ、バサバサっ


トコトコトコ、バサバサバサッ


トコトコトコトコトコトコ、バァーサッツバァーサッッ!


「雪たん、どうした?」


雪たんが席を立った事に気付きクランプが雪たんに声を掛けます


「んーっ!なんかいるーっ!」


もう隠れなくてもいいかなー、と入り口の前で恥ずかしそうにモジモジしている女の子を見ておとうさんは言います


「なんだ、偽物か」


「ちょちょっ!偽物かって!一体何の偽物なのですかっ!あ、そのっ!すいません、初めまして、わたくし天使のキューテルと申します」


「いや、いらないです、前回の話で天使に羽根はないことが決定しましたので、それに突っ込みは二人要りません、キューティクルさん、お帰りください」


「キューテルです!それに突っ込み「わー!羽根きれいー!」え?」


キューテル羽根に向かってぴょんぴょんと跳ねている雪たんを見て、クランプは


「お、雪たん、きれいだねぇー、よし、じゃあお姉ちゃんに頼んで1枚貰えるか頼んで見ようね」


「わーい!」


大きな瞳を更に大きく見開き、雪たんは嬉しそうにキューテルを見つめる、そんな雪たんの期待を裏切れるはずもなく戸惑うキューテル


「え?え?」


「ふぅ、諦めなさい、もうあの男には私たちは見えていないわ、大人しく1枚あげて話を元に戻すのが得策よ」


「そうゆうことで、1枚貰えるか?」


キューテルは諦めたような顔をして


「え、えーと、痛くしないで下さいね」


「ははは、たかが1枚じゃないか大袈裟な」


「え、えーと、1枚でも抜かれれば痛いので、すいません」


「わかった、では、一気に行くぞ!」


「うおおおぉぉぉぉっ!」


清楚な天使らしからぬ声を挙げてキューテルは全力で避けます


そこには愛剣を振り下ろした姿のクランプがいました


「なぜ・・・避ける?」


剣を振り下ろした姿のままクランプはキューテルを睨み言いました


「いやいやいやいやっ!今っ!今っ!根本からバッサリ行こうとしまししたよね!根本からっ!1枚って!1枚って片翼?いやいやいやいやイヤーッ!」


「うるせぇ堕天使、大人しく1枚よこせ、手間かけさせんじゃねぇ」


目の据わったクランプはどこぞの山賊顔負けの所業でキューテルに凄みます


「イヤーッ!片翼失ったら本当に堕天使になっちゃうー!堕ちた天使ー!・・・・・・あれ?ちょっと格好いいかな?・・・ヘヘヘ」


キューテルは何か頭の膿んだ事を口走り始め体をクネクネし始めます、それを見ていた雪たんは


「いやー!、きもちわるいー!雪たん羽根いらないー!」


と、言って紫の陰に隠れてしまいました


「うんうん、雪たん、あの人気持ち悪いねー、さあさあ、あんな人は無視してこっちで積み木をしよう、そうだ、雪たんのお城を作るなんてどうだい?」


「うん!つくるー!」


今までの事はなかった事になって、雪たんとクランプは積み木で遊び始めます


キューテルはキザったらしく片手で顔を隠したり、斜に構えてみたり、ポーズ変えるごとにブツブツと何かを呟き、自分の世界に没頭しています、どうやら中学二年生病を発病させてしまったようです


紫はそんな3人を見ながら先ほど頼んでおいたラーメンを啜るのであった


ズズズズズー




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