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お母さんは冬の女王様  作者: けら たろ
ー雪たんの日常と現在ー
3/27

雪たん釣りをする



「わぁ、釣れたぁ~」


土手に腰掛け釣竿を垂らしていた雪たんは嬉しそうに獲物をバケツに入れます


「うわぁ~、雪たんもうこんなに釣れたのかい?すごいなぁ~、もしかして天才かぃ?お父さん天才って初めて見るけど天才ってこんなに可愛いのかい?やだ~」


隣で乙女ちっくに手を胸の前で組んでクネクネしてるのはA級冒険者のクランプさん、今はちょっと気持ち悪いのでお父さんと呼びたくありません・・・


「無言でまた糸を垂らすところなんてまたプロっぼくていいね~!よし、お父さんも負けないぞ~」


お父さんは釣りざおをブンッと振って釣糸を投げます、振るときに腕から先がブレて消えていたのはご愛敬です


「おっ、お父さんの竿にも何か掛かったぞぉっ!」


ピンと張った竿を嬉しそうに引っ張るお父さん


「なにが出るかな~なにが出るかな~」



・・・・紫色のローブを着た魔導師が釣れました


「やったぁ!雪たん!魔導師がつれたよ!魔導師!雪たんとお父さんの二人っきりの甘い時間を空気読めずにブっ壊す最低な魔導師が釣れたよ!こんなクズ早く解体して魔石だけ取り出して後は細切れにして釣りの撒き餌にしてしまおう!」


お父さんは私にキラキラとした目でそう言うと魔導師に向かいナイフを抜いて刃を舐めながら


「さて、おまえの魔石は・・・何色だぁ?」


「うがぁぁっ!勝手に釣り上げておいて解体しょうとしてんじゃないわよっ!それに私湖の中に居ませんでしたよねっ!ここから向こうの対岸でクエスト受けて探索してましたよねぇっ!それに私は魔獸じゃないんだから解体しても魔石なんて出てきませんっ!」


紫色のお姉さんはいきなり立ち上がり息をゼィゼィと切らして一気に捲し立てます


「ちっ、魔石にもならねぇのか、使えねぇやつ」


それを聞いたお姉さんは顔を真っ赤にしてお父さんを睨み付けて


「なっ!あなたねぇ!いいかげ「お父さん!」ん・・・」


私は我慢出来ずに叫んでしまいました、おはなしを途中で遮っちゃうのは良くないことだけどこれだけは言わないと気がすみません!


「お父さん!ダメだよ!ナイフの刃なんて舐めちゃあ!一杯魔獸解体したり土とか掘ってるんだからバイ菌だらけだよ!早くうがいして!じゃないともう雪のほっぺにチューしちゃダメなんだからっ!」


お父さんはこの世の終わりのような顔をして


「あわわわわわ、雪たんのほっぺにチューが雪たんのほっぺにチューが」


と言うといきなり詠唱をはじめます、その詠唱を聞いて紫色のお姉さんは顔をひきつらせ


「なっ!水属性最高峰魔法?!その威力はかなりの城も一撃で沈めるという?!クランプに魔法を使わせる予定がなかったからあいまいな設定で説明もめんどくさいから紫に言わせてみょう、って勝手に口がっ!」


やがて凄まじい渦を巻いた水の柱が天高く伸びたかと思うとその先端はお父さんを飲み込んで行きます

数分後、水でびっしょになったお父さんは風魔法で体と服を綺麗に乾かして


「雪た~ん、お父さん綺麗になったよ~ご褒美のチュ~」


と言って雪たんを抱き上げてほっぺにチューをしてきます


「きゃはははは、いやー」


「・・・み、水属性最高峰魔法を受けて無傷だ・・と・・・」


「ははははっ、うん?お前まだいたのか、ちっ、邪魔だな」


と言うと雪たんを降ろして落ちていた釣りざおを握ります


「雪た~ん、見ておいで~、お父さんドラゴン釣っちゃうぞぉ~」


そうしてまだ紫色のお姉さんが引っ掛かったままの釣りざおを思いっきり振りかぶります


「待ってぇぇぇっ!ここら辺はあぶないのぉぉぉっ!その子も怪我しちゃうかもぉぉぉ!」


それを聞いたクランプは投げるのを途中でやめました、紫色のお姉さんは投げるのを途中でやめた反動で竿からぶら下がった状態でクランプの周りをグルグルまわっています


「きゃはははは、待てぇ~」


雪たんはグルグル回っているお姉さんを追いかけて楽しそうです


「なんだ、おめぇ、ちょっとは役にたつじゃねえか」


クランプは鼻を擦ってニヤけながら雪たんが追い付くか追い付かないかの絶妙な距離を取らせながら竿を回します


「ぐえぇぇぇっ は、吐くうぅぅぅっ!」


「はははははっ雪たん、女の子はあんな声、あげちゃあいけないぞぉっ」


「きゃはははは、はーぃ」


二人の楽しそうな笑い声はいつまでも湖の畔にこだましていましたとさ












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