【詩】よりそう詩
頭を抱えて、
眉間にしわを寄せて、
苦痛と苦悩に満ちて、
一つの詩を読みこむ。
難解な言葉を連ねて、
あるいは
難解な表現を重ねて、
最後に全て崩してしまう。
理解を強要し、
気に入らぬ批判を懲らしめる。
高遠な知識をひけらかし、
無邪気な意見を殺してしまう。
現代詩が
そんなものであれば、
インテリの玩具でしかない。
もっと、
ふんわりとして、
やさしくて、
あたたかみのある、
よむ人のための詩でありたい。
しとしと降る春の雨のような。
おだやかに射す夕陽のような。
きぼうを思う暁の光のような。
分かりやすく
沁みてきて、
こころのいちぶに
なるような、
もとめるこころに
よりそう詩でありたい。