俺の友人は
「悪いけど、もう付き合ってられないんだよね。良い加減別れてくれる?」
…おーおー、修羅場だねえ。
今、俺が寝そべっているベンチの近くでは男女の修羅場が発生中だ。
全く、安眠妨害もいいとこだね。いくらここが公園だからって、この仕打ちはないわー。
俺の存在?んなん寝たふりしてたら無視されたよ。
「なんで?!なんでリュウとあたしが別れなきゃいけない訳?!ねえ、なんでよ?!」
「付き合い始める時に言ったろうが。俺に本気の相手ができたら別れてもらうって。」
女の方はほぼヒステリーを起こしてる。んだが…男の方は平然と、冷たく女の言葉に答えた。
うーん、怖い。やっぱ恋愛はするもんじゃねえよな。
「だからなんで?!本命はあたしじゃないの?!違うでし「そうだ。」?!」
「お前と付き合ったのは告白断んのが面倒だったからだ。別に好きで付き合った訳じゃない。」
うわぁ…サイテーなこと言いよるな、こいつ。
「そ…そん…な…」
「これで話は終わりだから。さっさと帰ってくんない?そろそろ俺、行きたいんだけど?」
「…っ、このっ、最低男ッ!!」
「…行ったか。」
行ったようですね。
「…で?いつまで狸寝入りしてるつもりだ?とっとと起きろ。」
「あれ、ばれてた?あははー、人がせっかく気持ち良く寝てるのにさー?それを邪魔するよりはいいと思うよー?」
「うるさい黙れ。」
「へーへー、魔王様の仰せのままに。で?今のでハーレムは完全解体?」
「ああ、これでようやくあいつを口説き落とせる。」
「あっそ。まあせいぜい頑張りなー。」
…まあ、賢明ななろう読者の皆さんならわかると思うけど、一応説明しとくか。
こいつは俺の腐れ縁の俺様系である。ついでに言えば、純正日本人のくせに妙に西洋っぽい顔立ちのイケメンだ。
ああ、メタ発言には目をつぶってくれ。筆者の修行不足と今回の話の方向性の問題だ。
で、今の修羅場は何事かと言うと、だ。
こいつにヒロインが現れた、の一言に尽きる。
そりゃもう、保護欲を掻き立てられるような儚げなヒロインがね。
で、その娘がまた純情でね?ハーレム持ちとかは嫌いなんだと。
ソースは目の前のこいつね。どうやら口説こうとしたらさっくり振られたんだと。
そっからはもう一直線。ここ二週間、ずっとハーレム達との関係を清算し続けてるわけですよ。
最初の三日でもともと割り切っていたーーーこいつに本気の相手ができたら関係を終わらせることをねーーー人たちは離れて行ったんだけど…
ちょっと渋る人もいれば、さっきの人みたいにギャーギャーわめく人もいたみたいでさー?結局二週間もかかっちゃったわけよ。
ちなみに俺は見届け人ねー。俺が証人として例のヒロインちゃんにハーレム解体の様を教えてあげるわけ。
さて、こっから先は本格的な傍観になる…はずなんだけどねー…
筆者はこれを勢いだけで書き上げたから、この先とかは考えていないらしい。というわけで、このお話はここまで。
ばいばーい。
主人公:子供の頃から第四の壁の向こう側が見えていた。それだけにメタ発言も躊躇わない。そのため周囲からは変人扱い。友達は俺様男しかいない不憫な子。
俺様男:主人公の腐れ縁。元ハーレム持ち。来るもの拒まず、去る者追わずのハーレムを築き上げていた。ヒロインに一度振られて、ハーレムの解体を開始。現在熱心に口説いているのだとか。