第一話 全ての始まり
雨が降っている。
冷たい風が吹き荒れ、吐く息が冷たく感じられる。
時刻は既に0時を過ぎているが、そんな真夜中でも、東京の街は明るい。
私ー月見龍華は会社のエントランス前に一人でぽつんと立っていた。
「今日も0時過ぎ...か」
疲れた声で独り言を呟く。
手に持っていた折りたたみ傘を開き、私は家に向かって歩き始めた。
雨は段々と激しくなり、雨が風に乗って傘に激しく打ち付ける。
私は小学校、中学校、高校、大学と一度も努力を欠かす事は無かった。
その努力がいつか報われると思っていたから。
だからその努力が実って私は夢見ていたエリート企業に勤めることが出来た。
だけどエリート企業は想像以上に辛く、苦しい職業だった。
定時で帰れることは滅多に無く、0時過ぎに帰宅する何て事もざらにある。
"本当にこの職業で良かったのかな"
そう思った事もあったが一度過ぎた時間は戻せ無い。
そう言い聞かせて私は会社に勤め続けた。
帰っていると、何度も見てきたコンビニの看板が私を誘うかのようにチカチカと光っていた。
私はその誘惑に負け、結局コンビニに立ち寄る事にした。
明日の昼食用に何か買って行こうと思ったのだ。
コンビニの自動ドアに向かって歩き、折りたたみ傘を振り、付着している雨粒を落とした。
折りたたみ傘を畳んで、私はコンビニに入店すると、大きな入店音が辺りに響く。
コンビニ内では、当然だけど、こんな真夜中にコンビニに行く人はいない。
私は悩んだ末におにぎりを数個と、残業用にエナドリを買うことにした。
商品を手に取り、カゴに入れた。
私はカウンターに向かい、店員さんに「これ下さい」と言い、財布からクレカを取り出した。
クレカを手に持ち、読み取り機にクレカを入れ、パスワードを入力する。
深夜に帰る生活を毎日続けていると、疲労が私の身体に乗し掛かる。
いつか、身体を壊すのは目に見えていたけど、正直変えるのも面倒臭いなと思っていた。
「こんな生活を私は本当に望んでいたのかな」
そう言いため息を零す。
私はコンビニを出て、私は折りたたみ傘を持ち、自宅に帰ろうとした。
その瞬間
【グサッ】鈍い音が響いた。
激しい痛みが体中に駆け巡る。
"なっ、何で、何で"
私はすぐに振り返り、犯人を見ようとした。
だが私の意識はどんどん薄れていく。
"あぁ、私、死ぬんだ"
薄れていく意識の中で私は悟った。
死ぬのだと分かると、何故だか解放されたような気分になった。
瞼がゆっくりと閉じていき、それと同時に私の意識は途絶えた。
悪役令嬢に転生したけど、ストーリー何も知らないのですが
第一話投稿!!!!!!




