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サスカッチ  作者: シンノスケ一二三
第四章「エリア奪還戦」
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第四章「エリア奪還戦」1

人物紹介

<武田マナブ>

善良な民間人の情報屋。猿人に対する情熱を胸に行動する。


<暴王ブルータル>

マナブの居た火炎エリア(地名)を統治していた王。猿人(金色)に敗北し、エリアを手放してリベンジを目論む。チャールズジムの一件からマナブの相棒となる。雪山から滑落して帰らぬ人となった。


<王女マデリン>

聖王ドナルドの娘。世界を元の姿に戻し、猿人(父親)との再会を目的にしている。


<狂いシリーズ>

七人兄弟のアサシン(暗殺者)。共通能力として、兄弟一人が死ぬと他の兄弟に能力と記憶が引き継がれるいうものがある。


<猿人>

各地で暴徒を殲滅する謎の人物。善良な民間人から救世主として崇められている。

検問所にいた全ての暴徒を殴りつけ、失神させるマナブ。


言うまでもないが、ブルータルの指導を受けた喧嘩師であるマナブが、たった四人の暴徒に負けるわけがないのだ。


そのまま進もうとしたマナブだったが、マデリンの方を見ると考え事をするように俯いているのに気がついた。


狂い尾(くるいび)・・・あの狂人と、どう戦うのが正解なのかしら・・・」

マデリンはそう言った。


マナブはホッとした。

マデリンがただの無鉄砲な王女様ではないことに。


「勝ち目はある。それに火炎エリア(地名)の暴徒は壊滅させられたばかりだ。まだ狂い尾の統治体制が安定していない今ならエリア奪還できるかもしれない」


マナブはすでに狂い尾の弱点に仮説を立てていたのだ。


それに、今はこのエリアを奪い返したい理由がある。

このエリアに存在する地下図書館の存在、マナブはどうしてもそこで調べたいことがあった。


マナブとマデリンは検問所を通過して、火炎エリア(地名)に侵入した。


二人が身を隠しながら進むと暴徒と善良な民間人による戦いが、そこらじゅうで起こっていることに気がついた。


「やはり、まだ狂い尾はエリアを完全に支配できていないな」

マナブは言った。


暴徒達は火炎エリア(地名)の残党と別エリアからの寄せ集めだが、剣や棍棒、弩で完全武装している。


それに対して善良な民間人達は、スコップや農具、投石などの間に合わせの武器しか持たないが頭数で言えばわずかに上回っているようにも見えた。


「暴徒達はああ見えても戦闘能力に長けた集団だ。鎮圧されるのも時間の問題だろう」


「どうするつもり?」


「暴徒の中にも指揮を取る者がいるはずだ。まずはそいつらを叩く」

マナブは以前ブルータルから教わった知識を元に作戦を立てていた。


そして廃屋で身を潜め戦況を観察していると、戦乱の中でスーツ姿の大男が暴れ回っているのに気がついた。


「あいつは!チャールズ!」


「誰?」


チャールズはあの時の格闘技ジムの支配人だった男だ。


さらによく観察するとチャールズは二十人ほどの善良な民間人を率いて、二十人ほどの暴徒を撃退しようとしていた。


「よし、加勢しよう!」


暴徒がチャールズ隊との戦闘に集中する中、マナブとマデリンは暴徒を後ろから襲撃した。


「チャールズ!加勢する!」

マナブはそう言って、蹴りをメインとした格闘で一人ずつ暴徒を倒し、マデリンは旗という武器の特性を利用し、撹乱しながら竿の部分で暴徒を薙ぎ倒した。


マナブ達の加勢によって、暴徒達は混乱し簡単に倒すことができた。


「君はマナブじゃないか!これは心強いな!」

チャールズはそう言って握手を求めてきたが、マナブは丁重に拒否した。


そして、マナブはマデリンのことをチャールズに説明し、このまま散り散りに戦う善良な民間人達に加勢して、戦力を拡大していこうと持ちかけた。


「なるほどそれが良い。マデリン様、我々も共に戦います」

チャールズはそう言うと、チャールズ含めた二十人がマナブ達の仲間に加わった。


マナブ隊は火炎エリア(地名)を駆け回り、抵抗している善良な民間人に加勢したり、身を潜める者たちを説得しながら、六十人の兵力を集めた。


善良な民間人の集会場にて。


「この兵力で一エリアを落とすのは不可能だ。しかし、おそらく狂い尾はブルータルが使っていた火炎城(城)に構えているはず。まずは奴を叩く」

マナブはマデリンとチャールズ、そしてその他代表の七人を呼んでそう言った。


「しかし、エリア最大の城だ。百人以上の兵が中にいるだろう。まともに戦えば勝ち目はない」


「陽動作戦よ。城前で敵兵力を引き付け、城内に精鋭が侵入する」


「そうだ。だから陽動はまともに戦う必要はない。戦力差は倍くらいにはなるが、なんとかなるだろう。問題なのは侵入側だ。少数で城内の近衛兵と狂い尾を倒し城を制圧しなければならない」


「誰が行く?」


「俺とマデリン、チャールズ。三人で城を取る」

マナブは遠い目をして、そう言い放った。


「マナブ、正気か?」


「城内への侵入は簡単だ。城の構造はブルータルに事細かく聞いている。うまくいけば狂い尾までは簡単に到達できるかもしれない。だが問題なのは狂い尾の能力・・・」


「狂い尾は現時点で、三倍のアサシンの戦闘能力を持っているのよね」


「そう。だが奴には弱点がある。しかし、牙の能力である敵の虚を突くと言うものと、翼の能力である擬似飛翔の力。そして、尾自身の能力を計算に入れると、俺一人で倒すのは流石に厳しいんだ」


「だから三人必要なのね」


「そうだ。そしてできれば狂い尾は捕獲したい」


狂い兄弟の能力。兄弟の死亡による強化を防ぐことは、この世の平和を取り戻すために必要なことだった。


そして、この作戦はすぐに決行された。


火炎エリア(地名)が完全に狂い尾の物になっていない、混沌とした状態の今が攻め時だった。


火炎城(城)の前に六十の兵を集結させると、案の定、狂い尾の配下である暴徒百人が雪崩のように城から出てきた。


その戦乱に乗じて、マナブ、マデリン、チャールズの三人は地下通路を通り、城の制圧を目指す。


そう、この通路はブルータルが猿人に敗北し、城から脱出するのに使われた、誰にも知られていない隠し通路だったのだ。


マナブ達が城内に侵入すると、敵兵はほとんど出払っていた。


この様子では、狂い尾も出払っている可能性があるが、それはそれで好都合。


外で戦う兵を隠し通路から少しづつ手引きし、挟撃の形を取れば、はるかに有利に戦うことができるからだ。


しかし、王の間に行くと奴は玉座に座り頬杖をついていた。


狂い尾は、牙や翼に似た雰囲気を持っていたが、体格が並外れて優れており、マナブ達が来ることを予感していたかのように不適に笑っている。


「Welcome to my house.」

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