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サスカッチ  作者: シンノスケ一二三
第七章「武器としての野生」
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第七章「武器としての野生」1

人物紹介

<サトル>

火炎エリア(地名)の聖王マデリンの息子。竜人に対する脅威を胸に行動する。


<ブルータル>

過去に火炎エリア(地名)を統治していた王。猿人(金色)に敗北し、リベンジを目論む。生命エリア(地名)の力王アギトの配下になっていたが、サトルの下に寝返った。


<力王アギト>

生命エリアの王。竜の力を持っている。


専門用語

<猿人>

各地で暴徒を殲滅する謎の人物または総称。善良な民間人から救世主として崇められている。野生のチカラを持つ。


<竜人>

現代に七人兄弟として蘇った種族。牙、顎、眼、翼、鱗、尾が存在し、それぞれ強力な能力を有する。共通能力として、兄弟一人が死ぬと他の兄弟に能力と記憶が引き継がれるいうものがある。七人の内、三人が生き残っており、一人になると恐ろしいことが起こると推測される。

サトルの軍団は生命エリア(地名)最大の城である生命城の目の前に到着すると、見知らぬ千人ほどの一団が既にその場を支配していた。


「アイツら、何者だ?」

サトルが聞くとブルータルも不思議そうな顔をした。


「奴らの掲げている旗。あれは<黒神鋭>のものだな・・・しかしなぜここにいる?」


その旗には白い下地に黒い光を表したシンボルが描かれている。


黒神鋭とは、自らが神の使いとして行動を起こす自分勝手で宗教的な組織で、三千人で構成員がいる。

行動拠点である暗黒エリア(地名)の民間人から病原菌のような扱いを受けていた。

そして、その組織の長の皮膚には、魚の鱗の様なものが存在しており、それが神の恩寵とされているらしい・・・


「まさかな・・・」

ブルータルは呟いた。


すると、黒神鋭の者たちもサトルに気がついたようで、代表の男が十人ほどの兵を連れて近づいてきた。


「ほう、見たところピーカリの喧嘩師集団のようだが、貴様らも生命エリア(地名)に侵攻して来たというのかね?」

黒神鋭代表は顎髭を触りながら聞いてくる。


「そうだが?」

サトルは言った。


「今我らの長<狂い鱗(くるいりん)>様がこの城を占領しようとしているところ。このまま去るのであれば見逃そう。でなければ死ね」


「狂い鱗・・・!」

ブルータルは呟いた。


「邪魔をするつもりはない。だが、俺一人がこの城に入るのはダメか?」

サトルは黒神鋭代表に聞いた。


「言い訳がないだろう!」


「たとえば、この城に蝿が一匹侵入したところで問題ないと思うのだが?」

サトルはそう聞いた。蝿とはサトル自身のことである。


「俺としては正直どうでも良い。入りたければ入れ。殺されても知らんぞ」

黒神鋭代表はそう言うと自分たちの仲間の元へ戻っていった。


サトルが城に入ろうとするとブルータルは呼び止めた。


「狂い鱗は竜人だ。この城の中に二人の竜人が居る。気をつけろ」


ブルータルの意見に、サトルはハッとしたが、すぐに頷いて城の中に入っていった。


サトルが城内を見渡すと辺りには多くの凄惨な死体が転がっていた。


(狂い鱗の仕業だな・・・)


サトルは城の二階にある王の間に辿り着くと、柱の影に身を潜めた。


王の間には二人の男が対峙している。


「アギト、お前を殺す前に聞いておきたい。もう一人はどこにいる?」

黒いオーバーローブに身を包んだ男が聞いた。

おそらくコイツが狂い鱗だろう。


「ふふ、お前も狂い眼の記憶を持っているんだったな。今はここに居らんよ。思う存分決着を着けよう」


「その手には乗るか。貴様らの不意打ちを俺は観ているんだぜ」


「じゃあ、どうすると言うのだ?」


「正々堂々闘え」


「お前相手に<ロウ>を使う必要はない。狂い眼がいなくなった今、俺たちのチカラは平等になったのだからな」

アギトがそう言い終えると二人は戦闘の構えをとった。


しかし、その場に若い男の声が響き渡る。

「ごちゃごちゃとよく分からんが、俺も参戦させてくれねえか?」

サトルが柱の影からひょっこりと姿を現した。


「誰だ!?」

アギトがサトルの方を向いて叫んだ。


「う、マナブ!?」

狂い鱗は思わず唸り、アギトもハッとした。


サトルとマナブは決して似てるわけではない。

しかし、宿敵の野生は二人の記憶に深く刻み込まれているのだ。


「なるほど若い。貴様マナブの子だな。狂い鱗、ここは共闘といこうではないか」

アギトは言う。


この状況、正直サトルは不利だった。アギトと狂い鱗は二人殺すだけで良いが、サトルは二人を捕獲しなければならないからだ。


「いやマナブの子よ、気をつけろ。アギトはもう一人いるぞ!」

狂い鱗は叫んだ。


(何!?)


アギトは二人いる。狂い鱗からすれば、二人のアギトのどちらかをサトルと共に始末した方が都合が良かった。


狂い鱗はアギトに飛び掛かると、アギトを右ストレートで殴り飛ばした。


「洒落せえッ!」

サトルはガントレットで狂い鱗の左頬を殴りつける。


「エエ゛ーッ!」

殴られながら狂い鱗は悲鳴をあげる。


ガントレットが緑の眩い閃光を放ち爆裂し、その勢いで狂い鱗は吹き飛んで、石の壁にめり込んだ。


「感謝するぞマナブの子よ!」

アギトはすぐに立ち上がり、狂い鱗のトドメを刺すべく走り出す。


「俺はサトルだ!」


サトルは、強化され神速の走力を持つアギトに追いつけないと判断し、アギトの到達地を予想して、その方向にガントレットを構えた。


ガントレットは輝きを増し、光に包まれていく。


その光が一定の大きさになると、ガントレットから射出され、向けた方向に高速で移動した。


「何ッ!」

光の音を聞き、アギトが振り向くともう遅かった。


そして、アギトと閃光の位置が一致すると、閃光が勢いよく爆烈する。


「アア゛ーッ!」

アギトは悲鳴をあげ、爆光に包まれるとそのまま壁にぶち当たり、貫通して城の外に放り出されてしまった。


「凄まじい威力だが、少々体力を消耗するな・・・」

サトルが息を切らしながら膝をつく。


それを見ていた狂い鱗は、めり込んでいた壁から抜け出し、アギトを追うため崩壊した壁を越え外に飛び出した。


「しまった!待て!」

サトルも慌てて立ち上がると二人の後を追った。

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