天使 降臨
だいぶ遅れちゃいました。
ほんとに申し訳ないです!
「いつまで這いつくばってる気だ? 一生か! ああん!? 蹴るぞ! 蹴り上げるぞ!」
「もう……もう……動けないです……」
背にゴワゴワとした靴底の感触が広がる。うめき声が漏れるまで加重は続き、もう俺が動く気力がないことを見届けると、次の獲物探し、また誰かを怒鳴り踏んづける。
「しっ……死ぬ……死んでしまう……こんな毎日……」
山道の道幅には、長躯に力尽きた参加者たちが点々として転がっていた。
近くにいた参加者たちは言う。
「あの野郎……殺してやる。絶対……殺してやる……」
「もう俺下山するよ。こんなの続けられない。心っ底バカバカしい」
「それにしても。あいつの態度のでかさはなんなんだ? ミミゼラブルってこんなんだったのか? これじゃあ、みんなあいつのいい玩具じゃねぇか。やってられないぜほんと。いくらエルフ様のお役に立つ仕事にありつけるからってよぉ」
散々な言われようだが、白絹に濃い色の雫がポトリと落ちるように、彼らの言い分は心に染み渡たるものだった。
一応、10周を走り切る必要はなく、限界までという安全処置はあるが、先ほどの横暴を踏まえれば、それも意味などなさない。現時点で抱えているみんなの不満がその証拠だ。
はぁ~あ……今日も水汲みをした後、教官の自慢気な入浴姿を見せられる羽目になるのか。俺らはスタッドさんに教えてもらった穴場で入浴を済ませてるから、まだそこまでの鬱憤は溜まってないけど、他の参加者はそうはいかないよなぁ。想像を絶する不満が溜まってるはずだ。いずれ大爆発を起こしてしまうほどの。
「おい貴様ら! 私が1周を回るまでに少しでも進んでおけと言ったよな? もう11周目だぞ私は!」
もう戻ってきたのか。さすが教官というだけあって、俺たちの誰よりも運動能力に優れている。呼吸のひとつ乱れてやしない。
「ったく。もういい! 今すぐ全員起きろ! 今日の長躯はここまでとする!」
なっ、なんだ、もう終わり? いつもなら俺たちが限界の限界を超えるまで、しつこく、ねちっこく執拗に苛め抜くというのに。
この提案に、山道に伏していた者たちが息を吹き返したように顔を上げた。かくいう俺もその内の一人だ。
「なんだ。まだ走れそうだな貴様ら。まぁいい。いや、むしろちょうどいい」
「私についてこい。なに、走りはしない、歩いていく。その際、道に転がっている軟弱者を叩き起こすことを忘れるな。全員で向かうぞ」
どこに向かうというのか、嫌な予感しかしないが。俺たちは長躯で倒れた者たちを起こしエスタ教官の歩に合わせるのだった。
「ここが実戦的な訓練を行う修練場だ! これからは清掃作業は終了とし、代わりに各自、おのが身の丈にあった鍛錬を積んでもらう。いいか、何度も説明する気はないから1度で聞き分けろ」
広々とした空間、宿泊場所からそれほど歩かない場所にこんな開けた所があったとは。なにか使い古された器具が散見されるが、ああ、今その使い方を教えてくれるみたいだ。
「ナイト。どうする? どれから使う?」
「マクはどれがいい? 合わせるよ。俺はどれでもいいし」
「ボクもみんなと一緒ならどれでもいいんだけど」
全員分の器具はないため、俺たちは一定の時間が経過すれば時計回りにエリアを移動していくそうだ。切り替えの決定権はエスタ教官が持ち、合図が出るまで、先ほど教えてもらった修練法を取り組む必要があるみたいだが、どれからにしようか。悩むな。
「あの棒のやつにしませんか? 比較的難易度が低そうでしたよ。先ほどのを見る限りでは」
「じゃあそれにしようか」
モッコが言う長さ1メートルほどの棍棒。先端の持ち手から、膨らんでいく厚みに応じて重さが変わるようで、最大50キログラムから最小5キログラム、5キロ刻みで並べてあった。俺たちは最小数5キロを手に取る。
「ううっ……1番小さいやつでもボクには重たいや……」
「おおっ、これバランス感覚を保つのが難しいですよ。真っすぐ立たない」
「ふむ、それは先ほどエスタも言っとたが、主に運動神経と肩関節の可動域、深層筋を鍛える器具じゃからじゃの。筋力だよりでは難しんじゃ。コツは重心を意識すること。手を広げ垂直に棍棒を立てる時も集中はけしてきらしてはならん」
スタッドさんが重さ20と書かれた分厚い棍棒を両手に持ち、めいいっぱい身体を開き垂直にピンと立たせてみせる。俺も5キロで同じことをやってみるが、上手くいかない。立たせようとしても重さでバランスが崩れ、すぐに倒れてしまうんだ。
「そしてこいつを内旋に切り返して回したり、外旋に切り返し回したり、ワハハ! 懐かしいのぉこの感覚!」
そんな扱いの難しい器具を、肩の上でぐるぐる、ぐるぐると、まるで無邪気におもちゃで遊ぶ子供のように軽々振り回すスタッドさんに、俺たちだけじゃなく周りのみんなからも感嘆の息が漏れる。
「ふんっ!! ふんんんっ!! はぁ、はぁ……僕には無理ですねこれ。ええ」
「一番軽いのでも同じことできないや……ううっ……肩が外れちゃいそう」
「重心を意識……重心を意識……だぁあ! 重っ! はぁはぁ、もう1回!」
まぁ、各々文句も言いながらも修練に励む、そしてしばらしくして。
「やってるかぁ軟弱者どもぉ~」
「げっ、エスタ教官……」
周りの誰かが嫌そうに言った発言に、一瞬顔を曇らせながらも、すぐに表情を戻し近づいてきた。
「なに、俺も日々の鍛錬の日課があるからな。参加させてもらうぞ。見取り稽古にもなる、ありがたく思え」
と言うと、エスタ教官は50と書かれた棍棒。もはや何かの置物のようにしか見えない、ぷっくりと膨らんだそれに手を伸ばし、ふぅ~と、深い息を吐いてから、神妙な面持ちで持ち上げた。両手で合計100キロにも及ぶ俺には想像もつかない重さを持ち上げている。
「すげぇ〜!」
これには嫌な顔をしていた連中も手のひらを返し、声色を変えていた。かくいう俺も唖然とその光景を眺めた。
「ほほう、エスタの奴。その重さを持ち上げられるようになったのか。感心感心。鍛錬を日々欠かさんかった賜物じゃ」
「あの人ほんとに人ですか? ビングベアーの生まれ変わりなんじゃ」
持ち手を掴んだ前腕に血管が浮かび上がる。先ほどのスタッドさんと同じような体勢をとり、太っちょな棍棒を垂直に立ててみせた。そしてそのまま内に外にと器用に回旋させる。
エスタ教官の1人黙々と鍛錬をこなす眼差しは真剣そのもの、その熱量溢れる瞳に感化されるように、俺たちは各自鍛錬に勤しむのだった。
しばらくして、スタッドさんとエスタ教官が話しをしだす。聞き耳を立ててなどいないが、エスタ教官もスタッドさんもハキハキと声がでかいので、自然と会話は聞こえてしまう。
「バニング隊長! どうですか? 俺も少しはやるようになったでしょう!」
「隊長呼びは辞めんか、上下関係に亀裂が入りかねん。スタッドでいい。さん付けも今はいらん」
「さんはつけさせてくださいよ。スタッドさんとお呼びしますね。これからは」
「まぁ、よかろう」
「スタッドさん。あなたが灯してくれた火はまだ消えちゃいません。俺の心の中でずっと燃えてます」
「……言わずともいい。身体を見れば分かる。しばらく会わん内に、一回り大きくなったな。殊勝なことだ」
「……! お褒めの言葉、ありがとうございます!!」
「声! でかいぞ! はぁ……まったく。そのまっすぐなところは変わらんな。昔から」
「スタッドさんも人のこと言えないでしょ。趣味のひとつやふたつ増やして自堕落な生活でもおくればいいのに、それが許される人ですよあなたは」
「ふん、そんな生き様を晒せば、死後の世界で神様に笑われてしまうわ。お前はなぜ最後に歩むことをやめてしまったのかとな。だから、歩みを止める気など元より毛ほどもない」
「……さすが隊長! 素晴らしい考えです! あっ、いや……スタッドさん!」
「はぁ……エスタよ。お前にはまだまだ先の話じゃろうが。生が芸術なら死もまた芸術なのじゃ。こだわれよ。その2つの有り様にはな」
「スタッドさん。今夜にでも一杯やりませんか。おもてなしはこちらで用意しますので」
「だから特別扱いするな。1年もあるのだ。ミミゼラブルは。また語らう時など自ずとやってくる。その時に話せばいい。ゆっくりとな」
「うーん、まぁ、それもそうですね。ではまた折を見て声をかけさせていただきます。誰もいない時を見計らってね。では……」
どうやらエスタ教官とスタッドさんには思っていた以上に強い繋がりがあるみたいだ。師弟関係の絆とでもいうのか、少し羨ましい。が、ずいぶんと俺たちとスタッドさんで態度に開きがあるじゃないか。深い渓谷でも形成されそうな開きっぷりだ。
「よしでは、移動を開始しろ!! 軟弱者ども!!」
ほらっ、言ったそばから。
「あの口の悪さ。なんとかならないんですかね」
「すまん、皆。ワシが厳しく育てすぎたせいかもしれん」
「あんたに似たのか!!」
ワハハ! とモッコの指摘を豪快に笑い飛ばすスタッドさん。ってことはスタッドさんも昔は怖い人だったんだろうか、年をとったから丸くなってるだけで。
それから、全ての器具で鍛錬を積み、エスタ教官の入浴姿を見届けた後、俺たちはガウの元を訪れるのだった。ガウは宿泊場の一室を特別に借りて治療に専念している。
「ガウ。お前はいい親になるぞ」
「俺がいい親? はっ、なんだ急に」
ガウは部屋におらず、食事処の広場に置いてあったピアノを弾いて遊んでいた。そんなガウを見てスタッドさんが発した言葉に、いまいちピンと来ていない様子で、寂しそうに目をそらす。
「美味しいです! これ! ガウが作ってくれたんですよね! スタッドさんの言う通り、いい親になれますよ。ええ!」
「……がっ、ガウってなんでもできるよね……すっ、すごいと思うな、ボクは……」
「やっ、やめろよ、お前ら……」
鍛錬に参加できず気落ち気味のガウに、皆が励ましに似た言葉をかける。ただ事実、ピアノは質素な食事処をお洒落な空間に変えてしまうぐらいに上手いし、料理だって、このミミゼラブルのために用意されてるという、激まず食材たちを使用してると思わせないほど美味い。励ましの褒め言葉を無理に探さなくても出てくるのは、ガウのいいとこに他ならないと思う。俺もみんなと同じように、とびっきりの賛辞を送ろう。
「ガウは努力家で天才肌なんだよ! 俺も見習いたいな〜! その多才なところ!」
ふぅ~……なんだ。沈黙が訪れたぞ。まずったか、俺って会話が苦手なところがあるから、なんか外したか? 気まずいぞこの空間。誰か、なんか喋ってくれぇ!
「なんでしょう? 外が騒がしくないですか? なにかあったのでしょうか?」
モッコが喋ってくれたことで、俺の肩の荷は降りる。とりあえずは一安心だ。
「確かになにか聞こえるのぉ。どれ、ちょっと見てくるわい」
「あっ、僕も行きます!」
スタッドさんとモッコが席を立つ。場にはマクと俺が残った。この宿は基本的に俺たちは使用できず、今は無人の宿だ。みんな就寝は野宿で済ましていて、例のごとくエスタ教官に認めれた者だけがここを使用できるらしい。だから無言の時が続けば、うんと静かになってしまい、今はガウの看病にいくという理由で滞在を許されているが、長居はできない。飯だって、たぶんほんとは勝手に作っちゃいけないだろうし。
「ナイト。どうだ? ちょっとは体力ついたか?」
「えっ? ああ……わかんない。体力ついたのか、減ったのか……」
久しぶりにガウが俺に話しかけてくれた気がする。少し面を食らって返答が遅れてしまった。
「にはは! 減ったってなんだよ。そんなことあるか。絶対ついてる。強くなってるよ」
「そっ、そうかなぁ? あんまり実感わかないけど」
また沈黙が訪れたが、今度は嫌な沈黙ではなかった。互いがなにを言うか力感なく考える、そんな良い時間だと感じたからだ。
「俺は調子乗りだからな。落ち込む時はてんでだめになっちまう。昔のこととか色々考えちまって。無駄に焦る。よくないってわかってんのにな。暇なのがいけねぇのかな?」
俺は知ってる。ガウがミミゼラブルに参加した理由。恋人、親、友人に別れを告げられる最悪の体験を経て、ここに至っていると。元々精神不安だった。そんなところに大怪我まで負ってしまえば、気が滅入るのは当然といえば当然といえる。心がポッキリ折れてしまっても、なにも不思議ではないんだ。
「俺バカだから、こういう時になんて言葉をかけたらいいかわからないけど。ガウがみんなを引っ張ってくれたから俺も頑張れたんだと思ってる。だから早く怪我を治して、またみんなを引っ張ってよ、ガウ」
「ああ……そうだな、ナイト。すまん、少し辛気臭くなっちまった。飯が不味くなるな。こんなんじゃあ」
伝えたいことは伝えたが、ガウの表情は未だ晴れない。やはり怪我をして動けないのが相当こたえているんだろうな。根本から解決しないことにはどうも、八方ふさがりというやつだと思った。
まぁそれでいい。根気勝負だ怪我人の看護なんて。支えるよ、ガウ。元気になった君と、また楽しく話がしたいからさ。
「ナイト! マク! ガウ! 今すぐ来てください。外が大変なことになってます!」
モッコから急事の知らせ、血相抱える面持ちから放たれる切羽詰まった声色は、その緊迫具合を如実に表していた。
ガウを支えながら外に出ると、そこに広がっていた光景は。
「あばよ! ミミゼラブル! クソ教官!! もうお前のイビリを受けないと思うと清々するぜ!」
「口クセェんだよ!! この顔面ビングベアー! 無駄に強ズラ野郎!!」
大所帯だ……総数100人ほど……というか、全ミミゼラブルの面々じゃないか? それが今、エスタ教官に向かって各自、罵詈雑言を吐いている。これは、これは……造反……ってやつじゃないか。みんなの溜まりに溜まっていた鬱憤が早くも爆発してしまったんだ。
エスタ教官は、ただ黙って。去りゆく面々を見つめていた。
「大変なことになっちゃいましたよ。どうなるんですかこれから……僕たち」
「う~む、思えば風呂に入らせんのはやりすぎだった気がするのぉ」
中止、なんてことにならないよな。まさか。
そんな愕然とし、下山する面々の背中を見送るしかできない中、下山する先頭の前に立ち塞がる人影が現れる、あれは……。
「あっれ〜? みんなどこいくのぉ~? あっ、わかった! 夜の散歩でしょ? ふふふっ。私も後で混ぜてね!」
「えっ、えっ……どうしてここに? 君が?」
松明の光が照らすギリギリのところにいるシルエット。女性のようだが、いったい誰がみんなの行く手を止めているんだ。
「んん? んんん? んんんん? あの天女のように美しいシルエットは……あの、天使の使いのように透き通る声の持ち主は……まさか……まさか……まさかぁぁ!」
モッコがやたら鼻息荒く興奮状態に入ってしまった。ということは、あの人物は推測するに……。
「ふっふ、やっと来たか。よく聞け、ミミゼラブルを逃げ出そうとしてる貴様ら!! このミミゼラブルには、一時的だが特別ゲストがやって来る!! 彼女はその内のひとりだ!! 後期にはディエゴ様もお越しになるぞ!!」
ディエゴ様も……と、ざわざわ大所帯が騒ぎ出した。
「いま一度聞く! それを知ってなお逃げ出したいか! 今ならまだ寛大な処置で済ましてやる! さぁどうする? 逃げるか! 戦うか! 選べ!」
「んなこと言われたって……今さら……」
まだ、みんなは決心がつかないといった様子だった。1度反旗を翻した手前、プライドが邪魔をしてるんだ。男のプライドってやつが。
「はぁ〜、ほんと汗だくだよぉ。さっそくお風呂! お風呂! 入っちゃおうっと〜? ここ、露天風呂があるんでしょ! ああ~楽しみすぎて死んじゃう。私お風呂大好きだも〜ん!」
鼻歌交じりに、その人物はこちらに近づいてきた。彼女が近づくたび、モッコは腰砕けになり、どんな力に押されているかは知らないが、後ずさっている。
「おっす! エスタ教官! はぁ〜さっそくお風呂入っていいよね? しんどすぎて死ぬ! このままじゃ!」
「ああ、もちろんだルル・ロマリエ。よく来てくれてた。こんな男しかしないむさ苦しいところに」
「んん? 別に? いいよ? だって私の夢は世界一のアイドルになることだから! おっほん、夢を叶えるには、地道な努力は必要不可欠なのだ! わかったかぁ! みなのもの! どう? 教官っぽい?」
「あばば。ルルちゃ、ルルちゃんが、目の前に、ああ……ああ……あばば」
モッコが過呼吸で死にそうになってる。なんでそうなる?
「っつ〜……どうしようか、俺たちなぁ〜……っつ〜ふぅ~……」
「今の子めっちゃ可愛かったな」
「お前ルルちゃんを知らねぇの? 今サングリアで人気急上昇中の新星アイドルだぞ!」
「確か宿にある風呂は全て露天風呂……だったよな……つまりそれは……それの意味するところは……」
「あ、やっぱ俺ミミゼラブルやるわ。なんか急にやる気が湧いてきた」
「おい、お前何考えてんだ! 俺もなんか体の痛みが取れてきたから残るけど。あっ、ちなみに俺はやましいことなんて考えてないよ、1ミリも」
「嘘つけぇ! あるだろ! お前ら絶対! 俺はねぇけど」
あれよあれよと面々が踵を返し戻っていった。それを教官は、ニマニマとしたり顔で眺めている。
「じゃあ案内してエスタ教官! みんなばいばーい! また後でねぇ〜!」
そう言ってロマリエとエスタ教官が宿の奥へと去っていった。唖然とした男どもを残して。
「ああ、ナイト、ナイトぉおお!!」
「これはぁこれはぁ!! ルルちゃんの……ルルちゃんのぉおおーー!」
「純潔の危機です!!」
なんでそうなる……。
「僕が僕が、魔の手から、男たちの手から彼女を守らなければ!!」
そんなことしないんじゃないか、みんな。さすがに。やたらと気合が入っているモッコを尻目に。俺は、このミミゼラブルに確かに生まれた活気というやつを感じていた。
なんか、みんな目が怖い……ほんと。
「デヒヒヒヒヒ! 兄者ぁさっきの見たかぁ? いい女だったよなぁ」
「ああ見たぜ弟よ。ふん、やっと着いたぜミミゼラブル!」
時同じくして、入れ墨兄弟もまたミミゼラブルにたどり着くのであった。




