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弔いの旅路  作者: クジラ
一章 ヴァンテ村編
2/46

母さんと妹を弔いたかっただけなのに

「母さんとリアはちゃんと食べたか?」


 庭木に留まる小鳥が、ちゅんちゅんと朝を告げる廊下の窓際で、俺を待ち構えていた親父(おやじ)に、部屋を出たところで掴まる。


「ああ、食べたよ。親父も食べなよ。最近食ってないだろ」


 言葉とは裏腹に感情はこめていなかった。


「そうか、よかったよかった、ははは」


 半面だけがギギっと吊りあがるぎこちない表情を浮かべ、笑みのつもりなのだろう。親父が笑った。


 昔みたいな晴れやかな笑顔は、いつ浮かべてくれるようになるのだろうか、当たり前かのように現存していた家族との日常は、2度と戻ってこない尊い時間だったのだと、失って初めて気づく。


 親父は、母さんとリアの、今は旧になってしまった部屋の中を、扉の端から顔だけをひょこっと出し、ちらちらとなにかの様子を伺っている。


「もういいか、まだ色々しなきゃいけないこと残ってるし」


 現実から目を背けるように、俺は急ぎ足で家を出た。


 野道に暗がりが、じわり濃く広がっていく。


 風に吹かれる木々のざわめきが、今日はやけに大きく聞こえる気がした。


 沈みゆく太陽を薄目で眺め、思わず感傷に浸ろうとする自分を戒める。


 なにせ今日は、発起人の俺に重大な責任がのしかかる日なのだから。母とリアの葬儀を執り行う予定となっている。


 大方の友人や親戚には訃報の手紙を出し、葬儀の日付もそこに書いた。つつがなく行けば今日に来る手筈(てはず)だ。


 本来であれば喪主(もしゅ)は親父が務めるのが定石なのだろうが、親父はあの悲劇以降、頼ろうにも頼れない状態になっている。


 親父は、まだ母さんとリアが家で暮らしていると本気で思っているようで、ちらちらと誰もいない部屋覗く行為も、4人分のご飯を作らされるのも、その狂気の延長線上のこと。


 どうかしてると最初は嫌悪していた、が、親父だって被害者のひとりだ。無理に戻ってくれなんて言わない、親父のためなら、俺の時間なんていくらでもくれてやるつもりでいる。


 式場についた。といってもただの宿屋だが。葬儀は宿屋の大広間を借りて行うことにした。式場などと立派なものは田舎のここにはないから。


 火葬の必要もない。自宅での葬儀は親父に配慮し、ここにしてもらった。


 緊張するべきなんだろうな。


 ふすまの隙間から光が溢れている暗中で、息を整える。


 宿屋に着くやいなや、女将さんから全員がもう集合しているとの知らせを受けたので、この戸を開ければすぐにでも始まるだろう。


「この度は母と妹の葬儀にお越しいただき、大変ありがとうございます」


「喪主を務めさせていただくナイト・フォードと申します。よろしくお願いします」


 あっさりと戸は開けた。


 度胸があるとかそんなんじゃなくて、ただ気が沈んでいるだけだと思った。


 一種のヤケというやつだ。


 返事はなかった。全員が喪服ということもあって、この長い沈黙は異様な雰囲気を場にもたらす。


「大きくなったな、ナイト」


 重苦しい空気のなか、口火を切ったのは遠方組、母さん側の祖父だった。


 大広間には50名ほど、見知った村の人と知らない顔もいる遠方組の何名か、祖父はその中央でどっしりと座り、力強い目で俺を見据えている。


 子どものときにあっただけなのであまり印象には残ってはいないが。えらく迫力のある目力だ。


「お久しぶりです、お祖父さん」


「オルクはおらんのか?」


 息つく間もなく、威圧的な眼光がその鋭さを増した。


「父は……療養中です」


「療養? どこか悪いのか?」


「それは……その……」


 返答に困った。正直に現状を話すと、親父の尊厳が損なわれるかもしれないと頭によぎったからだ。


「まぁまぁ、とおさん。いいじゃないか。ナイトが困ってるよ。なにか事情があるんだよ。察してやりなさいな」


 共に来ていた祖母に助け舟を出してもらえた。祖父はぷいっと顔を横に向けて、


「療養かなんか知らんが、自分の妻と娘の葬式にも出んのか。あの男は」


 と恨み言を吐く。


 痛みを伴いながら心がきゅっと小さくなった。もっともな意見。この人には包み隠さず親父の現状を説明すべきかと、迷いが生まれてしまう。


 死んだのだから。祖父にとってもこの世に2つとない、娘とその孫が。


「あら? もう始まっているのかしら? ごめんなさい、少し席を外していました。あなたがナイト・フォードさん?」


 後ろから女性の声がした。


「生前に娘がリアちゃんと大変仲良くさせてもらっていまして、娘とご葬儀に参加させていただくことにしました。この度は大変お悔やみ申し上げます。今日は一緒に弔わせて下さい」


 振り返るとそこには、上品にふすまの戸を閉めている御婦人と、ここに来るまでずいぶんと泣いたのだろう。目を赤く充血させた、妹と同じぐらいの年の子がいた。


「ご丁寧に。妹と母の葬儀にお越しいただき感謝致します。妹も喜ぶと思います」


 祖父の言動でピリついていた空気が、少し和らぐ。


「それでは皆さん時間も頃合なので葬儀を始めたいたと思います。この葬儀はエルフ信教にそって行います。最後にこちらから花を配るので母と妹の遺影の前にひとりずつ置いていって下さい」

 

 場が和らいだところで次の段階に進めた。


 エルフ信教はこの世界でもっとも広く信仰されている宗教だ。その礼式もしっかりと勉強してきた。今のところ俺に間違いはないだろう。


「エルフ信教だと! くっ」


 祖父が反射的に恨みがましくそう吐くと、ぐっとこちらを睨んだ。


 なにか間違いでも犯したのか、でも、このまま進めるしか。


「まずは親族の方が皆さまの前で母と妹の思い出などを語っていただきます。次に参加者の方、参加者の方は挙手制で語っていただきます。親族の告別が終わればお手をお上げ下さい」


 遠方組の皆の顔に緊張が走る。まぁ当然か、本来なら事前に打ち合わせなどするものだが、そもそもここは田舎も田舎。誰がほんとに来てくれるかなんて分からない。


 ヴァンテ村に来る馬車は1ヶ月に1回きり。今回は無理を言って1日だけ帰るのを待ってもらっている。


 それは明日には帰ってもらわないと、皆が1ヶ月この田舎に滞在することになってしまうということだ。


 だからこれがベストな方法。少々の取ってつけた感は致し方ないんだ。1番最初に話す俺が、みんなのお手本になるしかない。


「あの、ちょっと質問が、いいですか?」


 先ほどの妹の友達が震えた声で、母の腰にしがみつきながら問いかけてきた。


「ほっ、ほんとに、ほんとにリアちゃんは死んじゃったんですか?」


「は?」


 鋭い何かで、サクッと心を裂かれた気分に陥る。


 その問は、自分がずっと考えないように心の奥底にねじ込んでいた疑問、そのものだったからだ。


 遺体なんて見つかっていない。どころか、それらしい現場すら見つかっていない。あくまでも親父の証言だけがすべての悲劇。


 でも俺だけは、親父の血みどろの姿と、その変わりようを知っている。


 2人は死んでいる。どこか俺の、知らないところで。


「こら、なんてこと言うの! すみませんうちの娘が」


「違うの母さん私たまたま聞いちゃったの。宿のお客さんから」


 深々と頭を下げる母の前に娘が立ち、興奮気味に声を荒げる。


「2人は、2人は行方不明なだけで死んだとは決まってないって!」


「だから、聞いてみたくて。ナイト・フォードさん。ほんとにリアちゃんは死んじゃったんですか? もしまだ死んだと決まったわけじゃないなら、皆で探せば、ぐすっ、またリアちゃんにまた会えるんじゃ」


 一息に言い切ると、娘はその場に座り込み、わんわんと泣いてしまった。


 みんなの視線が自分に集まる。


 思わず手が震える。


 何も言い返せずに時間だけが過ぎた。


 それはたった数秒の時間だったが、返答が1秒遅れにつれ、絡みつく視線からトゲが生えてくる気がした。


 否定しなくては。死んだと声高らかに宣言しなくては、求心力を失なう。それはこの葬儀の失敗を意味する。


 でも、声にならない。出せない。


 2人が生きていると、俺だって心根では思ってる。だから声にならない。


 消したくない。自分の手で、そのほんの僅かな希望までも。


「ナイト! おめぇやっぱりなにか隠してんのか?」


 勢いよく立ち上がり、声を荒げたのは、村の者。見知った顔だった。


「なにか腑に落ちなかったんだ。ずっとこのことに関しては、死んだとこ見たってのはオルクさんしかいねぇしよ」


 言葉を返せない。なにを言おうとしても喉につっかえる。


「へっ、だんまりかい。いいさ、お前がそのつもりなこっちだって言いたいこと言ってやる」


 息継ぎをするのが苦しいのか、見知った村の人は大きな深呼吸をし、息を整えた後、その目に不穏な光を宿した。


「ある噂話についてさ」


「おいバカやめろその話は!」


 隣の村人の制止を振り切り、見知った村人はにぃっと意地の悪い笑みを浮かべ周囲を見渡す。


「みんな影でこう言ってるぜ、実はオルクさんが自分の妻と娘を殺したんじゃないかってなぁ」


 一瞬の静寂を皮切りに、場は私語で溢れる。


「はっ?」


 言葉を上手く飲みこめなかった。思考によぎりもしなかったことだ。


 親父が母さんと妹を殺した? その噂をみんながしている? どう言うことだ……どうして……ありえない……そんなのあるはずがない。


「どうなんだナイト。色々と怪しいぞお前、まさかお前もグルなんじゃないだろうな」


 背筋に寒気が走る。


 荒々しい息遣いで俺を捉える濁った目。


 今日は2人を弔う特別な日なんだぞ。その重大さを理解してないのか?


 なんでそんな悪意に満ちた顔で俺を見るんだよ、なんでそんな暴言を吐くんだ。


「ちっ、違う。なにを言っているかわからない」


「母さんもリアもピクニックの帰りに襲われたんだ。それで親父が血まみれで帰ってきて」


「それが嘘だろっていってんだよ!」


 一喝、俺の言葉は怒鳴り声によってかき消されしまう。


「やめろってお前」


「うるせぇ」


 大声を張り上げたせいか、顔が少し高揚した赤みを帯びている。両隣の人たちが抑制を試みているが止まる様子はない。


「だいたいお前だってオルクさんのこと疑ってんじゃないのか? ナイト! そうだよな! だからそんなに歯切れが悪いんだろうが! チョラビに殺されましただもんな! ありえねぇって普通に考えりゃ!」


「チョラビ? あのチョラビか?」


 遠方組の誰かが不思議そうに言った。


「なんだ、知らされてねぇのか? まぁそうだよなこんな馬鹿げた話、言えねぇよなナイト!」


「っつ」


 村人の言った通りその事実は遠方組に知らせていない。いや、言えるわけがなかった。書面にですら。


「ナイト。それは本当か?」


 相変わらず鋭い眼光でいる祖父が満を持して会話に加わる。怒れるその気持ちを今まで我慢していたのだろう。唸るように低い声だ。


「はい」


「ナイト。オルクはどこだ。あいつと話がしたい」


 祖父は、俺では話にならないと踏んだのか、呆れ果てたような鋭いため息を吐いて、それから目を合わせようとしてくれなかった。


「はんっ、無駄無駄。オルクさんは気が狂っちまってるって噂だぜ。それかバカのふりして誤魔化してんのかもな」


「黙れ!!」


 下世話な村人の発言に、祖父が冷静を失う。


「何だおっさん? なんか文句でもあんのかよ?」


「身内の問題に割入って来るなよそ者が!」


 祖父が村人の眼の前にまで詰め寄り、その胸ぐらをがっしりとつかみ怒号を上げた。


「まっ、まぁまぁ2人とも落ち着いて」


 見かねた祖母や他の参加者たちが仲裁に入るが、この1度壊れた雰囲気は、もはやどうすることもできない。


 2人の怒号が飛び交う中、泣き崩れる者も現れる始末。


 葬儀が体を保たなくなった。


 どうしてと、俺が発言する隙もないために、頭の中で余計に考えてしまう。後悔。意識が霞むほどの。


 俺はただ、母さんと妹を弔らいたかっただけなのに。


「おーい! ナイトー。いるかー? ここに居るって聞いたんだが?」


 突如として脳天気な声が響く。


 よく知っている声だった。どうしてここに……宿屋の女将さんには、万が一のことを想定して通さないでほしいと口酸っぱく伝えていたのに。


「オルク!」


「お、オルクさん……」


「あれぇー? お義父さん? どうしてここに? ってナイトも、ユーベルも、みんなで集まってどういうことですかー?」


 まるで、ごうごうと燃える烈火の中に、大量の油が注がれていくような光景だった。


「オルク! 療養中だろうがお前は! なぜここにいる!」


「おおっ、急にそんな大声、療養? 俺がですか?」


 流し目でこちらを捉える祖父。


 思わずうつむく。


「って、これ葬儀ですか? 誰かの? 大変申し訳ございません。って、じゃあなんでお義父さんがここに? この村にお義父さんの知り合いなんていましたか?」


「誰の葬儀かだと! お前、本気で言っているのか! リディアとリアの葬儀だろうが!」


「は?」


 親父はぽかんとした顔で祖父を見つめる。


「あっ、親父」


 だめだ言うな親父、次のセリフは。


「リディアとリアは家に居てますが?」


 あまりにも静かだと思えた。多人数の呼吸すら止まった無音の空間。


 一時的に呼吸を忘れてしまうほど、親父の発言は皆にとってさぞ衝撃的だっただろう。


「リディアとリアがか? なっ、なにを、言っているんだオルク!」


 流石にこれには動揺を隠せていない祖父。


 無理もない。死んだと聞かされている者が生きていただの、誰でも狼狽するに決まってる。


 ただ現実は違う。親父には悪気がないのはわかっているが、これは、あまりにもたちが悪い。


「みんな聞いてほしい! 実は、親父はちょっとしたショック状態で、まともに会話が成立する状態じゃないんだ!」


「だから、今の話は、嘘、虚言なんだ。生きてなんかいないよ。母さんも、リアも」


 自分を信じてほしい。と、最後に言おうとしたその言葉だけ、出てこなかった。


 皆の剣幕が、これっぽっちも変わる様子がないのが……見えたから。


「ナイト。そんな話が、通ると、信じてもらえると思うか!」


 もう信頼など地に落ちてる。なにを言っても信じてもらえないと思った。


「オルクお前の家に案内しろ。ぼさっとするな、早くしろ!」


「家にですか、まぁ、当然いいですけど。ってそれより、ナイト、お前はお義父さんの前でなにを言ってるんだ。今日の昼みんなでご飯を食べたじゃないか。忘れたのか?」


「もう、止めてくれ親父。もう、もう……」


 下半身にうまく力が伝わらなくなり、そのまま畳に両手をつくようにしてへたりこむ。


 手の甲に、ぽとぽとと涙の粒が当たり続けた。


「えーとちょっとまってくれよ。そのー、リディアさんのお父さん」


「わしの名はハフリット・マーデルだ小僧。で、なんだ?」


「マーデルさんね」


 先ほどまでケンカしていた村の者が、葬儀を後にしようとする親父と祖父を引き止める。


「行ってもほぼ無駄だと思うぞ。まぁ、万が一ってこともあるから後で俺も確認するけどさ」


「そもそも、おれたち村の者がこの葬儀に参加してんのだって、調べるところは調べ尽くしたからだ」


「今さら家にいましたなんて、ふぅ、ありえねぇよ」


 祖父の足が止まった。そしてうつむいたまま、しばらく動かなくなってしまった。


「オルクさん。あんたどうしちまったんだよ。あなたはもっと、頼れる人だったじゃないか。尊敬のできる大人だった。なのになんでこんなことになっちまってるんだよ」


「ユーベル」


 ユーベルと親父に名を呼ばれた村の者は、目に涙を浮かべ問いかけたが、答えを期待していると言うよりかは、まるで虚空に向かって質問を投げてるように見えた。


「オルク、お前なんかに娘を預けるじゃなかった」


 うつむいたまま静かに祖父がそうつぶやく。


「お義父さん」


 脳天気な親父もさすがにこれには堪えたのか、黙りこくってしまった。


「いい加減にしてくれよ!」


 考えるより先に言葉が出る。


「親父だって被害者なんだ! 苦しんで苦しんで、こうなったんだ! それを、それを! そんなふうに言わないでくれ!」


 声が震えてしまっていた。どれほど言葉が相手に伝わっただろうか。そんなことはどうでもいい。


「今日は、母さんとリアを弔う日なんだ。だからもう、こんなことはやめてくれぇ!」


 プライドを著しく傷つけられている気分だった。


 なぜ、俺が責められずに親父が責められているのか。


 責められなきゃいけないのは、どう考えても……俺だろうに。


「弔うか」


 そう一言、遠い目をして呟いた祖父の頬に、大粒の涙が一筋流れた。


 それは次第に涙の通り道となって、地にぽたぽたと落ち続ける。


「ナイトよ。お前が頑張って開いてくれた葬式だ。これは言わんでおこうと思ったけどな」


「我が家系の墓は代々決まった場所に弔ってあって、葬儀の形式はエルフ式ではないんだよ」


「えっ」


 頭が真っ白になる。形式が間違っていたって、そんな。


「ユシーラ式。先祖代々マーベル家はこの形式で弔っている。事前の相談ぐらいしてほしかったぞ」


 ユシーラ、知らない。そんなの。


「こんな葬式で、リディアとリアの魂は、どこへ向かうのだ」


 眼の前がぼやける、目の焦点がずれているのか。戻そうとしても、またすぐにずれてしまった。


 耳が遠くなる、誰かがなにかを言っているが、意味をよく理解できなかった。とりあえず生返事でしのいだ。


 ユシーラ式。思考が鈍る頭の中で、その言葉が巡っていた。


 後で調べておかなくてはと、ぼんやり思った。


 なんのために?


 次なんて、もうないだろう。


 本来なるはずだった、いるべきはずだった地点。


 今となってはずいぶん高く遠いと感じる。


 最悪の気分だ。これ以上の底なんてないと思えるほどの。


 残された者たちのけじめ、それ以上続かない故人の終着。


 葬式というのは、俺が思ってた以上に大事なことだったのかもしれない。


 俺は生涯、母さんとリアを思い出すたびに、今日の日のことを、思い出してしまうのだろうな。

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