【64】怒り
その言動にフェルが怒り出した!!!
「……貴様ら!!! 我が主人に助けられた恩をそんな形で返すとは、愚かな人間どもよ……皆殺しにしてくれるわ!!!」
「ボクも、お供します! フェル殿……」
そう言って、皆んなで僕を囲う形となる。
皆んな怒りを露わとしていると……
「……な……何だ!? コイツら……ヤッパリ! この街を襲う気なんじゃないのか!?」
「やるぞ皆んな!!! この街を守るんだーー!!!」
「あるじが命懸けで守ったって言うのに……
なんで……? こうなんだ人間は……
ぼくもあるじを守る為なら容赦しない!」
「やめなさい!!!」
意外にも皆んなを止めたのは紅姫だった。
「アマネは、そんな事! 望んでいないわ」
ユキが続く。
「そうです。 主人様は、そんな事は望みません!!! これ以上! 騒ぐ事は主人様が悲しみます……」
「……なら、どうする? 喧嘩を売って来ているのは、コイツら人間の方だ!!!」
「ここは、いったん引いて主人様を安全な所に運びましょう!
サスケ! 手伝ってちょうだい」
「……分かりました。」
「フェルとアルは、コイツらの足止めをして! 殺しちゃダメよ!!!
それが済んだらダンジョンに戻りなさい」
「色々と思う所はあるとおもいますが、主人様の為に我慢して下さい!」
「……分かった」
「絶対! 通さないから早く行って……」
「お願いしましたよ!」
そう言って、ユキは僕を咥えると……紅姫とサスケと共に走り出した。
すると……
「こちらです! 紅姫さん!!! 一度、ギルドに避難してください。」
カグヤが誘導をしてくれた。
ユキ達が逃げると街の人達は、それを追いかけようとする。
しかし、それをフェルとアルが足止めをする!!!
アルは空に飛び上がり! 上空から睨みを効かせる。
フェルは全身に炎を纏うと……
「死にたい奴は前に出ろ!!! 一歩でも前に出た者は、焼き殺してやる。」
街の人達は、フェルの余りの炎の火力により一歩も近づけなかった。
もし、その炎に触れたらタダでは済まない!
それが分かるほどの熱量を発していた。
「……だ……誰か……逃げられちまうぞ……」
「……そんなこと言ったって……」
「俺は、死にたくない!」
「殺される……うわー!!! 逃げろー!」
その言葉で、街の人達は蜘蛛の子を散らした様に逃げていった。
そして、残った! フェルとアルは、その怒りを地面に叩きつけると……
「次は、許さない……」
大きな穴を2つ作り! ダンジョンルームに消えていった。




